Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第15回:意思決定と計画立案──AIが「最適解」を選ぶ仕組み

Hello there, ('ω')ノ

エージェント型AIは、ただ命令を受け取るだけの存在ではありません。 「どれを選ぶべきか?」「何から始めるべきか?」を自分で判断し、計画を立てて動くという特徴があります。


🧠 AIの意思決定とは?

「いくつかの選択肢から、最も目的に合った行動を選ぶこと」

たとえば旅行エージェントAIにとって、「A航空(早くて高い)」と「Bバス(遅くて安い)」のどちらを選ぶか? これは単なる選択ではなく、目的と条件を踏まえた“判断”が必要になります。


🗺️ AIの計画立案とは?

「ゴールに向かって、どんな手順で行動すればいいかを考えること」

たとえば、「旅行手配」というゴールがあった場合:

ゴール:東京出張を手配する
├─ ステップ1:移動手段を調べる
├─ ステップ2:ホテルを検索する
├─ ステップ3:予約を完了する

このように、タスクを分解し、順番を考え、実行可能な形にするのが「計画立案(プランニング)」です。


🛠 AIが使う2つの判断手法

AIエージェントは、以下のようなアルゴリズムを使って「最適な選択肢」を見つけ出しています。

① 探索アルゴリズム(Search)

  • 問題を「状態」と「行動」に分解し、
  • 可能な選択肢をツリー状に展開して、
  • 最も良いルート(行動の流れ)を見つけ出します。

🌱 代表的な手法:

名前 特徴 例えるなら
深さ優先探索 一つの道をどんどん掘り進める トンネルをひたすら深掘りする感じ
幅優先探索 全ての選択肢を1手ずつ広げていく 地図をじわじわ広げる
A*(Aスター)探索 距離+コストで“最短ルート”を見つける 地図アプリの最適ルート検索
FFプランナー(Fast Forward) ゴールに近づくために“先読み”する ゴールから逆算するような計画

② 評価関数と報酬設計(Scoring)

AIは選択肢ごとに「スコア(得点)」をつけて判断します。

✅ 例:ホテル選びのスコア

項目 評価基準 点数
価格 安いほど高得点 +50
駅からの距離 近いほど高得点 +30
評価レビュー 星が高いほど高得点 +20

→ 合計点が最も高いものを選ぶ

このように、「何を重視するか」=スコアの設計が、AIの判断に直結します。


💡 エージェントAIの実行イメージ(例:出張予約)

[ ゴール ]:東京出張を手配する
       ↓
[ 条件抽出 ]:日程、予算、駅近、評価など
       ↓
[ 候補の生成 ]:複数の移動手段と宿泊先
       ↓
[ 評価・スコアリング ]:各候補を数値化
       ↓
[ 最適なプランを選択 ]:コスト+利便性が高い組み合わせ
       ↓
[ 実行・予約 ]:APIやスクリプトで自動処理

🔁 計画の「修正」も可能にする

AIは、「途中で状況が変わった」ときに計画を修正する機能も持てます。

✅ 例:

  • ホテルが満室だった → 別候補を再検索
  • フライトが高すぎた → 別日程に調整

これは「リアクティブ(反応型)な意思決定」+「再プランニング」の組み合わせです。


📝 まとめ:AIが「考える」とは?

  • 意思決定=選択肢を評価し、最適なものを選ぶこと
  • 計画立案=目的達成までの道筋を立てること
  • エージェント型AIは、探索アルゴリズムとスコア評価を駆使して、“賢い行動”をとる
  • 状況に応じた計画修正(適応)も、実用的なエージェントには不可欠

Best regards, (^^ゞ