Hello there, ('ω')ノ
これまでの記事では、エージェント型AIは「自律的に考えて行動する存在」として紹介してきました。
では、そのエージェントはどんな「脳の仕組み」で動いているのでしょうか? 今回は、AIエージェントの設計パターンとして代表的な**3つのアーキテクチャ(構成法)**を紹介します。
それぞれ「情報の処理方法」や「意思決定のやり方」に違いがあり、目的に応じて使い分けられています。
🧠 アーキテクチャとは?
アーキテクチャ(architecture)=エージェントの「思考の構造」
人間でいえば、
- 「どうやって情報を受け取り」
- 「どう考えて判断し」
- 「どの順番で行動するか」
──といった、**“頭の中の仕組み”**を決める設計図です。
⚙️ 3つの代表的なアーキテクチャ
アーキテクチャ | 特徴 | 適した用途 |
---|---|---|
① ルールベース型(Reactive) | 即反応型/単純で速い | 単純作業・センサー制御など |
② ゴール指向型(Deliberative) | 計画型/考えて行動 | 複雑なタスク、対話AIなど |
③ ハイブリッド型(Hybrid) | いいとこ取り | 現実世界の業務AI、汎用型 |
① 即反応型(Reactive Architecture)
状況に対して「反射的」に動くタイプ。 「見たら動く」「聞いたら返す」シンプルな構造です。
📦 構成イメージ
[ センサーや入力 ] → [ ルールに基づいて即反応 ] → [ アクション ]
🧠 例えるなら: 猫が動いた → カメラが即座に追尾開始(考えてないけど反応は早い)
✅ メリット:
- 高速、シンプル、軽量
- 実装も簡単
❌ デメリット:
- 状況判断が苦手
- 学習や柔軟な対応ができない
🧰 使用例:
- ロボットの障害物回避
- 自動ドア、感知センサー
② ゴール指向型(Deliberative Architecture)
目的を考えて、行動計画を立てる「思考型」。 「この目標を達成するには、どの手順が最適か?」を考える構造です。
📦 構成イメージ
[ 状況を把握 ] ↓ [ ゴールと手段を分析 ] ↓ [ 最適な計画を立てる ] ↓ [ 行動実行 ]
🧠 例えるなら: 「駅まで行きたい → 電車かタクシーか? → 予算・時間で判断して選ぶ」
✅ メリット:
- 柔軟性が高く、複雑な判断が可能
- 中長期的なタスクに強い
❌ デメリット:
- 処理が重く、時間がかかる
- 環境変化に弱いケースもある
🧰 使用例:
- 会話AI(チャットボット)
- スケジュール調整エージェント
③ ハイブリッド型(Hybrid Architecture)
即反応型+ゴール指向型の“いいとこ取り”の構造。
現実の業務や複雑なタスクでは、 「すぐに反応すべき場面」と「しっかり考えるべき場面」の両方が存在します。
📦 構成イメージ
[ 外部状況 ] → ├─ 即時反応モジュール(反射行動) └─ 思考モジュール(計画と推論) ↓ [ 統合して実行 ]
🧠 例えるなら: 「急にアラートが鳴った → まず止める → その後、何が起きたかを分析し対処を考える」
✅ メリット:
- 柔軟で安定的
- 現実世界に近い思考パターン
❌ デメリット:
- 実装が複雑になる
- 設計・管理コストが高い
🧰 使用例:
- エンタープライズ向けAIエージェント
- 自律走行ロボット、AIカスタマーサポート
📝 まとめ表:3つのアーキテクチャの違い
種類 | 反応速度 | 思考の深さ | 適した場面 |
---|---|---|---|
即反応型 | ◎ 速い | × 浅い | センサー連動、即応処理 |
ゴール指向型 | △ やや遅い | ◎ 深い | 対話、計画タスク |
ハイブリッド型 | ○ 両立 | ○ 両立 | 業務自動化、複雑判断 |
✅ まとめ
- AIエージェントの「考え方の構造」には3つの型がある
- 単純な動作には即反応型、思考型にはゴール指向型が向いている
- 現実のビジネスでは、両方を組み合わせたハイブリッド型が主流
Best regards, (^^ゞ