Hello there, ('ω')ノ
これまでの記事で、「エージェント型AIは目的に向かって自律的に行動する」という話をしてきました。 でも「実際、どうやって動いてるの?」とイメージしにくい方も多いはず。
そこで今回は、ある典型的なケースとして 「旅行予約AIアシスタント」が、依頼を受けてどのようにタスクをこなすのか──をステップごとに見ていきます。
🧳 依頼内容(シナリオ)
あなた:「来週、東京への出張を予約しておいて。予算は5万円以内、1泊2日で。」
AIアシスタント:「承知しました。準備を開始します。」
さて、ここからAIはどう動くのでしょう?
🧠 ステップ1:ゴール認識と条件整理
まずAIは、依頼内容から以下のような情報を抽出します。
項目 | 内容 |
---|---|
目的 | 東京出張の予約(移動+宿泊) |
日程 | 来週の1泊2日(AIがカレンダーから空きを確認) |
条件 | 予算5万円以内/ビジネス利用/迅速に手配 |
ここで大切なのが、**単なる文章理解ではなく「意味理解+目的分解」**です。
🔍 ステップ2:タスクの分解と計画立案
エージェントAIは、この依頼を複数のサブタスクに分けて考えます。
[メイン目標] 東京出張を予約する ├─① 日程を確定 ├─② フライトまたは新幹線を検索 ├─③ ホテルを検索 ├─④ 価格・利便性の評価 ├─⑤ 候補を絞り込む ├─⑥ 予約を実行(API連携) └─⑦ 結果を報告・カレンダー登録
AIが自分でこの流れを設計し、順番に実行していく点が、「行動するAI」たるゆえんです。
🛠 ステップ3:外部ツールと連携して実行
ここから、AIは必要なデータを集め、判断を下し、実行します。
タスク | 実行内容 | 使用ツール(例) |
---|---|---|
フライト検索 | Google Flights APIで条件検索 | 外部API接続 |
ホテル検索 | 楽天トラベルやBooking.comから候補取得 | スクレイピングまたはAPI |
候補評価 | 「料金 × 評価 × 駅からの距離」でスコア化 | AIによるスコアリング関数 |
予約実行 | ベストな選択肢に対して予約操作 | 自動化スクリプト/API連携 |
結果共有 | カレンダー登録・メール通知 | Google Calendar API + Gmail |
💬 ステップ4:ユーザーとのやりとり(確認・修正)
途中でAIが不確実な点を見つけた場合、こう尋ねることもあります。
「フライトの候補が2つあります。希望の時間帯はありますか?」 「ホテルは駅近ですが少し予算オーバーです。許容範囲ですか?」
これは**“確認と合意形成”**という、対話型エージェントの重要な能力です。
📩 ステップ5:レポートと完了通知
すべて完了すると、AIは次のように報告します。
✅ 出張予約が完了しました
- 出発:◯月◯日 朝8:10 羽田着
- 宿泊先:ホテルABC(新橋駅から徒歩3分)
- 費用:合計 47,800円
- カレンダーに旅程を登録しました
- 領収書PDFを添付済み
人間に近い「業務完了報告」までできるのが、実用的エージェントの特徴です。
🧠 どうやって動いてる?構造イメージ(図)
[ ユーザーの目的 ] ↓ 【1】ゴールの理解・条件抽出 ↓ 【2】タスクの自動分解と計画 ↓ 【3】外部ツール連携による実行 ↓ 【4】途中確認(必要に応じて対話) ↓ 【5】結果の報告・記録
このように、単なる質問応答とはまったく異なる、「一連のプロセス実行型AI」となっていることがわかります。
✍️ まとめ
- エージェント型AIは、「目的を伝えると、考えて動いて報告してくれる」
- 旅行予約のような業務も、ステップごとに自律的に処理できる
- ポイントは「目的分解」「外部ツール活用」「確認・報告」の3つ
Best regards, (^^ゞ