Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第10回:実例で学ぶ!旅行予約AIアシスタントがどう動くか

Hello there, ('ω')ノ

これまでの記事で、「エージェント型AIは目的に向かって自律的に行動する」という話をしてきました。 でも「実際、どうやって動いてるの?」とイメージしにくい方も多いはず。

そこで今回は、ある典型的なケースとして 「旅行予約AIアシスタント」が、依頼を受けてどのようにタスクをこなすのか──をステップごとに見ていきます。


🧳 依頼内容(シナリオ)

あなた:「来週、東京への出張を予約しておいて。予算は5万円以内、1泊2日で。」

AIアシスタント:「承知しました。準備を開始します。」

さて、ここからAIはどう動くのでしょう?


🧠 ステップ1:ゴール認識と条件整理

まずAIは、依頼内容から以下のような情報を抽出します。

項目 内容
目的 東京出張の予約(移動+宿泊)
日程 来週の1泊2日(AIがカレンダーから空きを確認)
条件 予算5万円以内/ビジネス利用/迅速に手配

ここで大切なのが、**単なる文章理解ではなく「意味理解+目的分解」**です。


🔍 ステップ2:タスクの分解と計画立案

エージェントAIは、この依頼を複数のサブタスクに分けて考えます。

[メイン目標] 東京出張を予約する
 ├─① 日程を確定
 ├─② フライトまたは新幹線を検索
 ├─③ ホテルを検索
 ├─④ 価格・利便性の評価
 ├─⑤ 候補を絞り込む
 ├─⑥ 予約を実行(API連携)
 └─⑦ 結果を報告・カレンダー登録

AIが自分でこの流れを設計し、順番に実行していく点が、「行動するAI」たるゆえんです。


🛠 ステップ3:外部ツールと連携して実行

ここから、AIは必要なデータを集め、判断を下し、実行します。

タスク 実行内容 使用ツール(例)
フライト検索 Google Flights APIで条件検索 外部API接続
ホテル検索 楽天トラベルやBooking.comから候補取得 スクレイピングまたはAPI
候補評価 「料金 × 評価 × 駅からの距離」でスコア化 AIによるスコアリング関数
予約実行 ベストな選択肢に対して予約操作 自動化スクリプト/API連携
結果共有 カレンダー登録・メール通知 Google Calendar API + Gmail

💬 ステップ4:ユーザーとのやりとり(確認・修正)

途中でAIが不確実な点を見つけた場合、こう尋ねることもあります。

「フライトの候補が2つあります。希望の時間帯はありますか?」 「ホテルは駅近ですが少し予算オーバーです。許容範囲ですか?」

これは**“確認と合意形成”**という、対話型エージェントの重要な能力です。


📩 ステップ5:レポートと完了通知

すべて完了すると、AIは次のように報告します。

✅ 出張予約が完了しました

  • 出発:◯月◯日 朝8:10 羽田着
  • 宿泊先:ホテルABC(新橋駅から徒歩3分)
  • 費用:合計 47,800円
  • カレンダーに旅程を登録しました
  • 領収書PDFを添付済み

人間に近い「業務完了報告」までできるのが、実用的エージェントの特徴です。


🧠 どうやって動いてる?構造イメージ(図)

[ ユーザーの目的 ]
       ↓
【1】ゴールの理解・条件抽出
       ↓
【2】タスクの自動分解と計画
       ↓
【3】外部ツール連携による実行
       ↓
【4】途中確認(必要に応じて対話)
       ↓
【5】結果の報告・記録

このように、単なる質問応答とはまったく異なる、「一連のプロセス実行型AI」となっていることがわかります。


✍️ まとめ

  • エージェント型AIは、「目的を伝えると、考えて動いて報告してくれる」
  • 旅行予約のような業務も、ステップごとに自律的に処理できる
  • ポイントは「目的分解」「外部ツール活用」「確認・報告」の3つ

Best regards, (^^ゞ