Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第58回:誰がRAGを育てる?組織づくりのコツ

Hello there, ('ω')ノ

RAG導入が成功しても、「使われなくなる」ことがある…

RAG(検索拡張型生成)を導入した企業でよくあるのが、
最初は盛り上がったけど、いつの間にか使われなくなった…というパターン。

その原因は、シンプルです:

✅ 作る人はいたけど、育てる人がいなかった。

RAGは一度作って終わりではなく、
データ・プロンプト・ユーザー体験を継続的に改善する“運用型AI”なんです。

今回は、「誰が」「どのように」RAGを育てていくかを考えるための、チーム設計のコツをご紹介します。


💡 RAGを育てる3つの役割

RAG導入後、定着・進化させるには最低限この3つの視点が必要です:

役割 主な仕事 向いている人
① 情報整備係(ナレッジ整備) データを集め、整え、更新する 総務・人事・部門リーダーなど
② モデル運用係(AIの動き管理) プロンプト調整、精度改善、エラー対応 情シス・DX担当・AI推進チーム
③ ユーザー推進係(現場活用促進) 教育・社内展開・フィードバック収集 教育・現場リーダー・CS部門など

📌 すべてを1人が担当する必要はありません。
重要なのは、「誰が何をやるか」が明確になっていることです!


🧭 チームづくりの実践ステップ


✅ ステップ①:「小さな運用チーム」をつくる

最初は兼務でも構いません。
以下のような構成で2〜4名の“育成チーム”を組むのが理想です。

メンバー 役割
情シス or DX推進 技術面の運用・改善対応
業務部門担当 業務ナレッジの提供・文書整備
利用部門代表 ユーザー目線での声を届ける
マネージャー 成果報告や全社展開の判断者

✅ ステップ②:「月1レビュー&改善」を習慣にする

  • 利用ログをチェック(どんな質問が来ている?)
  • 間違った回答がないかチェック
  • 利用率が下がってないかチェック
  • 新たに追加すべき文書があるか確認

➡ 改善は毎月1つでOK。“育てる”前提の定例運用が何より大事!


✅ ステップ③:「ユーザーからの声」を拾う仕組みをつくる

方法 解説
チャットUIに「👍👎ボタン」 回答ごとに満足度を記録
利用後アンケート 月に1度「使ってどうだったか」を確認
「この文書も入れて!」ボタン ナレッジ拡充につながるリクエスト導線を設置

📌 現場からの声=RAG成長の材料そのもの! 集め方をルール化しておきましょう。


🛠 チームで分担すべき“RAG育成タスク”例

項目 担当 頻度 ツール例
文書の更新チェック 業務部門 月1回 Google Sheets、Doc管理台帳
プロンプト改善 情シス / AI担当 随時 VS Code, LangChain
ハルシネーション検出 モデル運用係 月1回 ragas, Helicone
評価レポート作成 マネージャー 四半期 PowerPoint, Notion
ユーザーサポート 利用部門代表 常時 チャットボット、FAQページ

✅ よくある落とし穴とその対策

課題 対策
担当が不明確で放置される 最初に役割分担表を作成して合意する
ユーザーからの声が集まらない UIに簡単なフィードバック機能を組み込む
運用が属人化 定例会議+ドキュメント化でチーム全体にナレッジを残す
RAGに何を期待するかバラバラ 目的・KPIを明文化(例:「誤答率10%以下」など)

🎯 まとめ:「RAGは技術」ではなく「組織で育てる資産」

  • RAGは“入れること”よりも、“育てていくこと”が重要
  • 情報・技術・ユーザー体験の3つを支えるチーム作りがカギ
  • 小さく始めて、少しずつ“チーム内の共通認識と習慣”を育てていこう!

Best regards, (^^ゞ