Hello there, ('ω')ノ
「RAGやってみたいけど…ウチのデータ、バラバラでぐちゃぐちゃです」
そんな声、よく聞きます。
生成AIやRAGは確かに便利な技術ですが、
どんなに高性能なAIでも、与えるデータがぐちゃぐちゃだと正しい答えは出せません。
つまり、RAGにとっての“燃料”は 社内のデータ。
逆にいえば、「データさえ整っていれば」RAGの導入ハードルは一気に下がります!
そこで今回は、非エンジニアでもできる“データ整備のはじめ方”をわかりやすく解説します。
💡 まず知っておきたい:RAGが扱うのは“意味のある文書”
RAGで活用されるデータの例は、主に以下のようなものです。
データタイプ | 具体例 |
---|---|
規程・制度文書 | 就業規則、福利厚生、経費マニュアルなど |
業務マニュアル | 手順書、FAQ、ナレッジ集 |
報告書・議事録 | プロジェクト記録、業務日報 |
提案資料 | 営業資料、製品説明、価格表など |
チャットログ | 社内Q&A、顧客対応履歴(必要に応じて) |
📌 「構造化されていないけど、意味のある文章」がRAGに向いています!
🛠 ステップ①:まず“棚卸し”から始めよう
✅ こんな質問を自分にしてみてください:
- よく聞かれる業務の情報って、どこにありますか?
- 回答するときに参照している文書はどれですか?
- よく使うマニュアルや手順書って、どこに保存されていますか?
➡ この時点では完全でなくてOK!
「とりあえずありそうなファイルを集める」だけで第一歩です。
📋 データ棚卸しシート例(Excelなどで管理)
ファイル名 | 内容の概要 | 保管場所 | 担当部門 | 最終更新日 |
---|---|---|---|---|
経費マニュアル.pdf | 交通費・出張費のルール | Teams > 経理 | 経理部 | 2023/10/01 |
勤怠ルール.docx | 遅刻・早退・有給の手続き | Google Drive | 人事部 | 2022/12/15 |
よくある質問.xlsx | 総務系のFAQ一覧 | 社内ポータル | 総務部 | 2024/02/01 |
🧩 ステップ②:RAGで使いやすい形に「整える」
✅ 最初はこの3つを意識すればOK!
整備ポイント | 内容 |
---|---|
テキスト化 | Word / PDF / Excel / Notionなど → テキスト形式に変換できるか確認 |
分割しやすさ | 大きなファイルは「章・節・項目」ごとに分けると使いやすい |
出典情報をセットに | 「ファイル名」「セクション名」「作成日」などのメタ情報は必須 |
📌 RAGの検索・出力時に「どの文書からの情報か」がわかるようにしておきましょう!
✅ ありがちな「整ってない例」とその対策
状況 | 問題 | 対策例 |
---|---|---|
ファイル名が「final」「新」「最新版」だらけ | バージョン管理が不明確 | 「経費マニュアル_2024年4月版」などに統一 |
Word内の構成がバラバラ | 項目の抽出が困難 | 見出し(H1・H2など)を使って構造化 |
同じ情報が複数箇所にある | 矛盾した回答のもとに | 元データの重複を見直し、1本化を検討 |
🔍 ステップ③:優先度をつけて“少しずつ整える”
RAGで扱う文書すべてを完璧にする必要はありません。
まずは「よく使う・よく聞かれる」情報から始めましょう。
優先度 | 文書の例 | 理由 |
---|---|---|
◎ | 経費・勤怠・福利厚生マニュアル | 社員全員が関わる基本情報 |
○ | 部門別マニュアル・手順書 | 業務効率化に直結 |
△ | 過去の議事録・報告書 | 二次活用度は低めだが蓄積価値あり |
✅ よくある質問Q&A
❓ Q. PDFばかりだけど使えますか?
👉 はい、PDF→テキスト変換ツール(PyMuPDFやpdfplumberなど)を使えば問題ありません。
OCR(文字認識)が必要な場合は、PaddleOCRなども有効です。
❓ Q. 情報漏えいが心配…
👉 RAGで使う文書は、「公開範囲を明確にしたうえで」整備しましょう。
社外秘や個人情報は除外/フィルタリングする仕組みも導入時に検討します。
❓ Q. IT担当じゃないけど関われる?
👉 むしろ最初のデータ整備は業務側(非エンジニア)の方が向いています!
どの情報が現場で必要か、誰が使っているかを一番よく知っているからです。
🎯 まとめ:「RAGはデータ整備から始まる」が合言葉
- RAGの精度や価値は、「どんな文書をどう渡すか」で決まる
- 整備といっても、まずはファイルを集めるだけでも大きな前進!
- 少しずつ整える → 試す → 改善する、の繰り返しで十分
- 現場×データ整備×AIが連携すれば、RAGは“本当に使える業務支援ツール”に進化します!
Best regards, (^^ゞ