Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第26回:RAGで社内ヘルプデスクを強化する方法

Hello there, ('ω')ノ

ヘルプデスクの負担、増えていませんか?

「パスワードのリセット方法を教えてください」
「有給休暇ってどう申請するんでしたっけ?」
「Wi-Fiがつながらないんですが…」

こうしたよくある質問(FAQ)が、毎日のように社内ヘルプデスクに寄せられていませんか?

📈 回答はルーティン。でも対応には時間がかかる。
📉 回答の質も人によってばらつきがある。
📥 リモートワークで“気軽に聞けない”という声も増えている。

そこで今注目されているのが、RAG(検索拡張型生成)を使ったAIヘルプデスクの自動化です。


💡 なぜRAGがヘルプデスクに向いているの?

従来の対応 RAGによる対応
毎回人が検索・返信 AIが過去の文書から自動で探して答える
回答にムラがある ルールやマニュアルに基づいた一貫性ある回答
担当者の手がふさがる 24時間、AIが即時対応
質問に言い換えがあると探しにくい ベクトル検索で「意味」を理解して検索

📌 つまり、「人がやっていた探す・読む・答える」をAIが代行してくれるわけです!


🧩 どうやって導入するの?ざっくり構成図

【ユーザー】 → 質問(例:メール設定はどうする?)
   ↓
【RAGシステム】
① 質問をベクトル化  
② 意味が近いFAQやマニュアルを検索  
③ ChatGPTなどのAIで回答を生成  
④ 出典付きでチャット画面に表示!

➡「社内版ChatGPT」が、社内情報に基づいて答えるAI窓口になります。


✅ 必要なもの(意外とシンプル)

項目 内容
📄 社内情報 FAQ集、マニュアル、問い合わせ履歴など(PDF/Wordなど)
🧠 LLM(大規模言語モデル) GPT-3.5 / GPT-4など(OpenAI APIなどを利用)
🗃 ベクトルDB Chroma, FAISS, Pineconeなど(検索用)
🛠 RAGフレームワーク LangChain、LlamaIndex、Flowiseなどが便利
💬 UI(チャット画面) Slack連携、Teams、WebチャットなどでOK

📝 よくある質問への対応イメージ

質問 RAGの回答イメージ(出典付き)
Q. Wi-Fiのパスワードどこ? 「Wi-Fiのパスワードは社内ポータルの『ネットワーク設定』に記載されています。出典:ITマニュアル p.3」
Q. 経費精算の締切は? 「経費は毎月20日までに申請してください。出典:経費ガイドライン 第2章」
Q. Teams会議の録画保存先は? 「録画データは自動でOneDriveに保存されます。出典:Teams 利用ルール」

正確・早い・根拠あり の三拍子が揃うのがRAGの強み!


💬 導入時に検討したいポイント

🔹 ① データ整備

  • マニュアルをチャンク化(段落ごとに分割)
  • 表記揺れや古い情報をあらかじめ整理

🔹 ② 質問のパターン収集

  • 過去の問い合わせログを元に、よくある質問をピックアップ

🔹 ③ プロンプトの調整

  • 「非エンジニア向けに」「出典を添えて」「簡潔に」といったルールをテンプレ化

🔹 ④ セキュリティ・公開範囲の管理

  • 部署や権限によって、閲覧できる文書を制御(例:人事情報は特定部署のみ)

🏁 小さく始めるなら「ミニFAQチャットボット」から

  • まずは人事や情シスの「よくある質問10個」をPDFにまとめる
  • ChatPDFやFlowiseなどを使って、小規模RAGを構築
  • 社員に使ってもらい、フィードバックを集めて改善

📌 小さく始めて、徐々に質問と文書を増やしていけばOK!


🎯 RAGヘルプデスクのメリットまとめ

項目 メリット
📉 工数削減 担当者の手が空き、他業務に集中できる
⏱ スピード対応 24時間即レス、待たせない
🧠 品質の統一 ブレのない、根拠ある回答が可能
📈 ナレッジ活用 社内に眠る情報を“使える資産”に変える

まとめ:RAGで社内問い合わせは“スマート化”できる!

  • ヘルプデスクの業務には、RAGとの親和性がとても高い
  • 社内情報をもとに「意味で探し、自然な言葉で答える」AI窓口が実現できる
  • 導入ハードルは意外と低く、まずは少ないデータからスタート可能
  • 「早くて正確な回答」を全社員に提供できる、次世代の“社内サポート”の形

Best regards, (^^ゞ