Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第25回:社内導入の最初の一歩:PoCを作ってみよう

Hello there, ('ω')ノ

「RAGを社内で使いたいけど、まず何から始めればいい?」

RAGや生成AIの活用に関心がある企業が増える一方で、
「どこから手を付けていいかわからない」という声もよく聞きます。

そんなときにおすすめなのが、PoC(Proof of Concept)=概念実証です。

PoCとは、「本格導入の前に、小さく試して効果を確かめるテスト」のこと。
実際に動くものを作ってみて、「これは使える!」と社内で納得してもらう第一歩になります。

今回は、非エンジニアでも取り組めるPoCの作り方・進め方・注意点を丁寧にご紹介します!


🧩 まずPoCで確認したいことは?

確認項目 目的
技術的にうまく動くか 質問に対して正確な回答が得られるか?
データが使い物になるか 社内文書の整備状態や使いやすさをチェック
実務に役立つか ユーザーにとって「使いたい」と思えるか
投資する価値があるか コスト・時間・工数に対する効果を可視化

PoCでは“スモール・サクセス”をつくることが大事!


🧭 PoCの進め方:5ステップでOK


✅ Step 1:対象業務を1つに絞る

まずは、RAGが得意そうな業務を1つだけ選びましょう。

おすすめ業務 理由
社内FAQ対応 定型的で質問が多く、データも揃っていることが多い
マニュアル検索 文書化されている内容を“意味で探す”ニーズがある
社内規程の参照 条文やルールの確認を自動化できる

✅ Step 2:テストデータを集める

次に、PoCで使う社内文書を選定します(5〜10ページ程度でもOK)。

📁 例:就業規則・経費マニュアル・よくある質問集(Word, PDF, テキストなど)

💡 最初から完璧に整える必要はありません!
👉 チャンク化・ノイズ除去は「やりながら調整」するスタンスでOK。


✅ Step 3:ツール選定&構築(ノーコードOK)

初心者向けの構築手段は以下の通り:

方法 特徴
ChatGPT+ファイル読み込み 最も手軽。PDFをアップロードして質問できる(Plus限定)
ChatPDF PDFをアップ→意味検索で質問。UIもシンプルで社内説明に最適
Flowise(LangChain GUI) 本格的なRAG構成をノーコードで体験できるツール
Notion AIやGemini(旧Bard) 社内情報を読み込ませて自然な回答を得る用途に◎

🔧 エンジニアが関与できる場合は、LangChain+LlamaIndex+OpenAI APIで構築するとPoC以降の拡張もスムーズです。


✅ Step 4:質問セットを作ってテスト

「実際にユーザーが聞きそうな質問」を3〜5個準備し、
回答の質、スピード、出典の明示などを検証します。

📌 評価ポイントの例:

評価項目 見るべきポイント
精度 質問に対して正しい情報が返ってきたか?
表現 社内向けとして使えるトーンになっているか?
出典表示 どこから引用されたか明示されているか?
操作性 誰でも使えるシンプルな操作か?

✅ Step 5:関係者へのデモ&フィードバック収集

PoCの成果を社内で共有し、「実際に使うイメージ」を持ってもらいましょう!

💬 よくあるフィードバックの切り口:

  • 「これ、他の部署でも使えそう」
  • 「社内ポータルと連携できる?」
  • 「検索精度をもう少し上げられる?」

➡ こうした声が出れば、PoCは大成功です!


⚠ よくあるPoCの落とし穴と対策

ありがちな課題 対策ポイント
データ整備に時間がかかる 最初は手作業でもOK。まずは“使える一部だけ”で十分
質問が抽象的すぎて評価しづらい 実際の問い合わせログなどをもとに質問を作る
結果が良すぎて「魔法扱い」される 検索・生成のプロセスを丁寧に説明して理解を促す
期待値だけが先行する 得意なこと・不得意なことをきちんと伝えることが重要

まとめ:PoCは「小さく始めて、大きく育てる」第一歩!

  • PoCは、RAG導入の可能性を“体感”し、関係者を巻き込む最良の手段
  • 対象業務は1つ、データは少なく、ツールは手軽なものから
  • 質問テストとユーザーフィードバックが、次のステップを決めるカギ
  • 完璧を目指すのではなく、“まず動かす”が成功の秘訣!

Best regards, (^^ゞ