Hello there, ('ω')ノ
「属人化」の壁、どう乗り越える?
「この作業、田中さんしか分からないんだよね…」
「◯◯さんに相談すれば早いけど、休んでるから聞けない」
「過去にやったはずだけど、記録が残ってない」
こうした“属人化”=暗黙知の蓄積と偏りは、企業が抱える大きな課題の一つです。
その知識やノウハウ、RAG(検索拡張型生成)の仕組みを使えば、
「誰でもアクセスできる“形式知”」として再活用できるようになります!
💡 そもそも「暗黙知」と「形式知」の違いとは?
区分 | 内容 | 例 |
---|---|---|
暗黙知 | 経験・勘・ノウハウ。頭の中にある情報 | 「この取引先には、こういう順番で話すといい」 |
形式知 | 文書化・共有された情報 | マニュアル、手順書、FAQ、報告書など |
➡ RAGは、この“暗黙知→形式知”の橋渡し役として使えるのです!
🧩 暗黙知を形式知に変えるRAG活用ステップ
✅ Step 1:ノウハウが眠る場所を探す
意外と暗黙知は、断片的にすでに存在しています。
ソース例 | 暗黙知の気配がある箇所 |
---|---|
SlackやTeamsのやりとり | 「これってどうやるんだっけ?」という質問と回答 |
営業日報・作業メモ | 現場での工夫、対応履歴、失敗回避のコツ |
会議議事録 | ベテラン社員の発言に価値ある“知恵”が潜む |
OJT中のチャット | 経験則・裏技・やってみて分かったこと |
✅ Step 2:その情報を「チャンク化」して意味単位で整理
会話やメモはそのままでは使いづらいので、
- Q&A形式に整える
- トピックごとにグルーピング
- 「意図」「背景」「理由」も一緒にまとめる
など、“誰でもわかる形”に分解・再構築していきます。
📌 ChatGPTを使って「このやりとりをQ&A形式に整えて」と頼むのもOK!
✅ Step 3:RAGに組み込んで“意味検索+生成”を実現
チャンク化した情報をベクトル化し、RAG構成に取り込むことで…
「この作業、先輩はどうしてた?」
→ “似たような過去のやり方”がベースになったAI回答が返ってくる!
⚙ 出典を残しておけば、誰の経験だったかもトレース可能です。
✅ Step 4:「経験を引き出せるプロンプト設計」
以下のようなプロンプトを活用すれば、
AIが“過去の知恵を引き出すアドバイザー”として機能します。
以下の社内ナレッジを参考にしてください。 ・業務に関する質問に対して、過去の経験やコツが含まれる情報を抽出し、 わかりやすくまとめて回答してください。 ・参考となった文書名や日付も明記してください。
🎓 活用シーン別アイデア
シーン | 暗黙知 → 形式知の変換例 |
---|---|
営業のベテランノウハウ | 過去の商談メモや「受注したときの話し方」をQ&A形式で再構築 |
製造現場の職人技 | 手順書にない“ちょっとしたコツ”をチャットログから拾い出す |
IT部門のトラブル対応 | 再発防止策・一時対応ログなどを“状況別FAQ”にまとめる |
人事・総務の相談履歴 | よくある内線問合せとその対応をRAGに登録して社内FAQ化 |
🧠 属人化を防ぎ、ナレッジを“みんなの資産”に
課題 | RAGでの解決策 |
---|---|
あの人に聞かないとわからない | AIがその人の過去の知見を再現できるようにする |
情報が断片的 | チャンク+ベクトル化で構造的に整理 |
質問しづらい文化 | チャットAIなら誰でも気軽に聞ける |
文書化が進まない | 会話データなどを自動整形して形式知化 |
✅ 小さく始めるためのアイデア
ステップ | やること |
---|---|
① Slackログを収集 | 特定ハッシュタグや部門チャネルから抽出 |
② 「ナレッジ候補」をAIに抽出させる | ChatGPTで「役立つQ&Aに変換して」 |
③ RAG環境に登録 | LangChainやFlowiseでノーコード導入も可能 |
④ 社内限定で試験運用 | 部門PoCで効果と使い方をフィードバック |
まとめ:RAGで「知ってる人だけの知識」を“みんなの知識”に
- 暗黙知は、文書ではなく“やりとりや経験”に宿る
- チャットログや議事録を再構成し、RAGで形式知化することで再利用可能に
- 「意味で探せる・答えてくれる」仕組みができれば、属人化を自然に解消
- 小さな知恵の積み重ねが、全社の成長資産に変わる!
Best regards, (^^ゞ