Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第34回:調査・リサーチ業務にRAGを活かすには

Hello there, ('ω')ノ

リサーチに時間がかかりすぎていませんか?

新規事業、競合分析、トレンド調査、市場動向の把握──
調査・リサーチ業務は、ビジネスのあらゆる場面で欠かせません。

でも実際は…

  • 情報が多すぎて、どれが重要かわからない
  • Webで調べるだけで半日かかる
  • 報告用にまとめるのもひと苦労
  • 検索結果が毎回ばらつく

そんなときに頼れるのが、RAG(検索拡張型生成)を活用したAIリサーチアシスタントです!


💡 なぜRAGがリサーチ業務に向いているのか?

従来のステップ RAGでの代替
情報を集める(検索) ベクトル検索で「意味の近い情報」を瞬時に抽出
情報を読む(選別) 関連箇所だけをチャンク単位で提示
要点をまとめる(整理) LLMが自然な文章に自動で整形・要約

📌 RAGは「意味検索」+「生成AI」の力で、調査の前半も後半も時短&高精度化できます!


🧠 どんな調査業務で使える?


✅ ① 市場動向の整理

活用データ例: 業界白書、公開資料、ニュース記事、アナリストレポートなど
質問例:「2024年の物流業界の課題は何か?」
👉 関連資料の中から、該当部分を抜粋+要約して回答


✅ ② 競合分析の自動化

活用データ例: 競合のIR資料、Webページ、口コミ、導入事例など
質問例:「A社の強みと弱みを教えて」
👉 競合の情報ソースから“意味で近い”記述をAIがまとめる


✅ ③ 社内ナレッジの横断調査

活用データ例: 過去の提案資料、案件報告、アンケート結果、議事録など
質問例:「過去に中小企業向けに提案した事例は?」
👉 膨大な社内資料から該当事例を検索+出典付きで要約


📂 活用できる社内/外部データの例

データタイプ 具体例
社内文書 提案書、調査報告書、社内ブログ、議事録など
公開資料 IR資料、ホワイトペーパー、業界レポート、政府統計
メディア記事 ニュース、専門誌、業界メディアの記事スクレイピング
SNS/口コミ 顧客の声、評判の傾向把握など(要注意:信頼性)

➡ これらをチャンク化+ベクトル化しておけば、AIが意味で探してくれるようになります!


✏️ 実践プロンプト例:「競合分析レポートを作って」

以下のデータ群をもとに、B社の競合分析レポートを作成してください。

【出力条件】  
・事業内容/強み/弱み をそれぞれ300文字以内で要約  
・業界動向や市場ニーズに照らしてポイントを整理  
・出典がある場合は明記  
・専門用語はできるだけ避けてください

📌 このようなプロンプトを使えば、リサーチ結果の「まとめ」も自動化できます!


🔧 構築ステップ(リサーチ業務向けRAG)

  1. 社内+外部の参考資料を収集・整備
  2. ファイルをチャンク化(500~1,000文字単位)して意味単位で分割
  3. ベクトル化してベクトルデータベースに登録(Chroma、FAISSなど)
  4. プロンプト設計を行い、「どういう形で出力するか」を調整
  5. テスト質問→回答レビュー→改善のサイクルで品質を高める

📈 RAGでリサーチ業務がどう変わる?

項目 Before After(RAG導入後)
調査時間 半日~数日 数分~30分程度に短縮可能
質のばらつき 担当者依存 プロンプト次第で統一可能
情報の網羅性 見落としがち ベクトル検索で拾いやすくなる
報告書作成 手作業で再編集 自動でドラフトを生成できる

✅ 注意点と成功のポイント

ポイント 内容
出典表示の設計 回答には必ず「どの文書のどこから引用したか」を明示
情報の信頼性管理 外部ソースの信頼度に注意(レビュー体制を併設)
フォーマットの統一 出力形式をテンプレ化して、業務への組み込みをスムーズに
社内展開の工夫 最初は「アナリスト支援ツール」として小さくPoCを回すのが効果的!

まとめ:RAGで「調査の時間と労力」をまるごと削減

  • 調査業務は「探す・読む・まとめる」の3段階構成
  • RAGは、社内外の文書を意味で検索し、自然な要約を出力できるAIアシスタントになる
  • 情報整理力、作業スピード、報告の質がすべて向上
  • 少人数のPoCから始めて、マーケ・企画・経営企画部門など全社展開も可能!

Best regards, (^^ゞ