Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第59回:RAGプロジェクトに必要な人材・スキルとは

Hello there, ('ω')ノ

「RAGやりたいけど、人手もスキルも足りない…」そんな不安は当然です

生成AIやRAG(検索拡張型生成)は急速に進化していますが、
多くの企業で導入が進まない理由の1つは、次のような悩みです。

✅「誰に、何を任せればいいのかわからない」
✅「エンジニアが少なくて、無理かも…」
✅「専門家を雇う余裕がない」

実は、RAGは「技術だけ」ではなく、
「業務理解×情報整理×ユーザー視点」の掛け算が必要なプロジェクト。

今回は、RAGプロジェクトを成功させるために必要な“人材とスキル”を役割別に整理してご紹介します。


🧩 RAGプロジェクトに必要な主な4つの役割

役割 主なミッション 向いている人材
① 業務理解者(ビジネスリーダー) 何を目的にRAGを導入するかを定め、業務との橋渡しをする 部門リーダー、企画担当、業務改善の推進役
② ナレッジ整備者(情報マネージャー) 文書を収集・分類・更新し、RAGが扱いやすい形に整える 総務・人事・情報管理部門、事務職経験者
③ AI/システム担当(テクニカルエンジニア) RAGの構築・実装・改善を行う 情シス、DX推進担当、AIチーム、外部ベンダー
④ ユーザー支援者(導入促進係) 利用者の声を集め、教育・フィードバックを推進する 現場リーダー、カスタマーサポート、人材育成担当

🛠 スキルセット別チェックリスト


✅ ビジネスリーダーに求められるスキル

スキル 内容
✅ 業務フローの理解 「今、誰が何に困っているか」を可視化できる
✅ RAGの活用イメージを描く力 「RAGが入るとこう変わる」を言葉にできる
✅ 社内調整・巻き込み 他部門と連携してプロジェクトを動かす

✅ ナレッジ整備者に求められるスキル

スキル 内容
✅ 文書の構造化 PDFやWordを項目・チャンクに整理できる
✅ ファイル管理 フォルダやファイル名のルール設計ができる
✅ メタ情報付加 作成者・更新日・カテゴリなどの管理ができる

📌 ノーコードツールやExcelが使えれば十分対応できます!


✅ AI/システム担当に求められるスキル

スキル 内容
✅ Python基礎 LangChainやLlamaIndexを扱える
✅ APIの知識 OpenAIやAzureなどのAPI連携ができる
✅ DB・検索エンジン ベクトルDB(FAISS, Qdrantなど)の理解
✅ セキュリティの基礎知識 機密データの扱いやアクセス管理ができる

📌 外部パートナーと連携する場合も、最低限の用語や構成理解があるとスムーズです。


✅ ユーザー支援者に求められるスキル

スキル 内容
✅ 教育・説明力 チャットUIの使い方を教えられる
✅ 利用状況の観察 どこでつまずいているかを拾える
✅ フィードバックの集約 改善ポイントを定例会などで共有できる

📌 ITに強くなくても、「現場の気づき」を集められる人が一番のキーパーソンです。


🎯 最小構成チームの例(3〜4人)

役割 担当例
ビジネスリーダー 部門マネージャー
ナレッジ整備者 総務スタッフ+人事担当
AI実装担当 情シス or 外部ベンダー
推進・サポート 若手リーダーやプロジェクト支援担当

📌 最初は「兼務」でスタートOK。
👉 月1回の定例ミーティングで分担と進捗を見える化すれば、チームとして機能します!


✅ 「うちの会社にそんな人いない…」という場合は?

大丈夫です!
スキルの多くは外部支援やノーコードツールで補えるようになっています。

役割 外部で補える方法
AI構築 SIer、RAG構築パートナー、ChatGPT API連携サービス
文書変換 PDF整備・OCR対応サービス
教育 eラーニング、ChatGPT研修、AI導入ワークショップ
評価・改善 ragas導入支援、LangChainテンプレート提供

まとめ:RAGは“技術プロジェクト”ではなく“チームプロジェクト”

  • RAGの成功は、「どんなAIを使うか」よりも「どんなチームで取り組むか」
  • 専門家ばかりを集めなくても、業務を理解している人が中心になれるのがRAGの魅力
  • 役割を整理し、スキルを少しずつ補いながら、「育てながら回すチーム」を作ろう

Best regards, (^^ゞ