Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第44回:人による評価?自動評価?どっちがいいの?

Hello there, ('ω')ノ

RAGの回答、どうやって評価していますか?

RAG(検索拡張型生成)のPoCや運用を進めていく中で、多くのチームがぶつかるのが…

「回答の品質って、どう評価したらいいの?」

という問題。

特によく聞かれるのが、

  • 人が見てチェックするのがいいのか?
  • 自動評価ツールに任せるべきなのか?

という疑問です。

今回はこのテーマについて、それぞれのメリット・デメリットを比較しつつ、両者の“ちょうどいい使い分け”をご紹介します!


✅ まず結論:両方必要。ただし目的に応じて使い分けが大切!

評価方法 向いている目的
人による評価 精度の深掘り、業務妥当性の判断、ユーザー視点での改善
自動評価(ragasなど) 大量の質問を効率的に測る、スコアの定量比較、開発中の高速検証

📌 → “正確さ”は人で、“傾向把握や全体感”はAIに任せるのがベスト!


👀 人による評価の特徴


メリット

項目 内容
✅ 業務視点での妥当性が判断できる 「実際にこの答えで仕事ができるか」を見極められる
✅ 言い回し・表現の質も見られる 「伝わりやすさ」や「ニュアンス」も評価できる
✅ 曖昧な質問への対応が見える ユーザーの意図が伝わっているかをチェック可能

デメリット

項目 内容
⏱ 手間がかかる 多くの質問を評価するのは大変
🧍‍♀️ 主観が入る 評価者によって点数や感想に差が出る可能性
🔁 再現性が低い 条件を変えた比較や自動化には向かない

⚙ 自動評価の特徴(ragas など)


メリット

項目 内容
✅ 一貫性がある 同じロジックで大量の回答を評価可能
✅ 定量比較がしやすい プロンプトやモデルのA/Bテストに使える
✅ 高速 数百件の質問も短時間で処理可能

➡ PoCやプロンプト改善の“フィードバックループ”には最適!


デメリット

項目 内容
❌ ニュアンスを拾えない 「ちょっと分かりにくいけど許容範囲」などは判断不可
❌ 業務との合致度までは見えない 文脈的には正しくても、実務上は不適なことも
❌ 評価軸が固定されている 自由な観点での評価は難しい

✍️ おすすめの使い分けパターン


✅ フェーズ①:PoCや初期構築

方法 理由
🔍 人による評価中心 実務との合致、表現の丁寧さなど、細かなチェックが重要
🧪 自動評価(補助) スコアで傾向を見る、改善サイクルのスピードアップに活用

✅ フェーズ②:本番運用前の比較検証

方法 理由
📊 自動評価中心 プロンプトやチャンク設計のパターン比較に最適
👀 人によるサンプリング評価 重要な業務質問は人の目で精査

✅ フェーズ③:運用後の定期モニタリング

方法 理由
📈 自動評価で毎月の品質チェック 回答精度や傾向の変化を追える
人による評価は定期レビューで補完 利用者の実感とずれていないかを確認

📋 評価に使えるチェックリスト(人による評価)

観点 質問例
正確性 回答は出典に基づいているか?
一貫性 回答のトーンや表現にブレがないか?
出典表示 どの文書に基づいたか明記されているか?
実用性 この回答をそのまま業務に使えるか?

📊 自動評価で見るべき指標(ragas)

指標 意味
Faithfulness 回答がソースに忠実か?(嘘がないか)
Answer Relevance 質問に正しく答えているか?
Context Recall 必要な情報が検索されているか?
Context Precision 関係ない情報が混ざっていないか?

まとめ:「人」と「AI」の評価は役割が違う。だから両方使おう!

  • 人の評価=実務と照らした“深い質”のチェック
  • 自動評価=大量・スピーディな“定量的分析”
  • 目的やフェーズによって、それぞれの強みを活かすのがベストな運用方法
  • 評価の習慣化が、継続的に信頼されるRAG構築の土台になります!

Best regards, (^^ゞ