Hello there, ('ω')ノ
RAGの回答、どうやって評価していますか?
RAG(検索拡張型生成)のPoCや運用を進めていく中で、多くのチームがぶつかるのが…
「回答の品質って、どう評価したらいいの?」
という問題。
特によく聞かれるのが、
- 人が見てチェックするのがいいのか?
- 自動評価ツールに任せるべきなのか?
という疑問です。
今回はこのテーマについて、それぞれのメリット・デメリットを比較しつつ、両者の“ちょうどいい使い分け”をご紹介します!
✅ まず結論:両方必要。ただし目的に応じて使い分けが大切!
評価方法 | 向いている目的 |
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人による評価 | 精度の深掘り、業務妥当性の判断、ユーザー視点での改善 |
自動評価(ragasなど) | 大量の質問を効率的に測る、スコアの定量比較、開発中の高速検証 |
📌 → “正確さ”は人で、“傾向把握や全体感”はAIに任せるのがベスト!
👀 人による評価の特徴
メリット
項目 | 内容 |
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✅ 業務視点での妥当性が判断できる | 「実際にこの答えで仕事ができるか」を見極められる |
✅ 言い回し・表現の質も見られる | 「伝わりやすさ」や「ニュアンス」も評価できる |
✅ 曖昧な質問への対応が見える | ユーザーの意図が伝わっているかをチェック可能 |
デメリット
項目 | 内容 |
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⏱ 手間がかかる | 多くの質問を評価するのは大変 |
🧍♀️ 主観が入る | 評価者によって点数や感想に差が出る可能性 |
🔁 再現性が低い | 条件を変えた比較や自動化には向かない |
⚙ 自動評価の特徴(ragas など)
メリット
項目 | 内容 |
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✅ 一貫性がある | 同じロジックで大量の回答を評価可能 |
✅ 定量比較がしやすい | プロンプトやモデルのA/Bテストに使える |
✅ 高速 | 数百件の質問も短時間で処理可能 |
➡ PoCやプロンプト改善の“フィードバックループ”には最適!
デメリット
項目 | 内容 |
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❌ ニュアンスを拾えない | 「ちょっと分かりにくいけど許容範囲」などは判断不可 |
❌ 業務との合致度までは見えない | 文脈的には正しくても、実務上は不適なことも |
❌ 評価軸が固定されている | 自由な観点での評価は難しい |
✍️ おすすめの使い分けパターン
✅ フェーズ①:PoCや初期構築
方法 | 理由 |
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🔍 人による評価中心 | 実務との合致、表現の丁寧さなど、細かなチェックが重要 |
🧪 自動評価(補助) | スコアで傾向を見る、改善サイクルのスピードアップに活用 |
✅ フェーズ②:本番運用前の比較検証
方法 | 理由 |
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📊 自動評価中心 | プロンプトやチャンク設計のパターン比較に最適 |
👀 人によるサンプリング評価 | 重要な業務質問は人の目で精査 |
✅ フェーズ③:運用後の定期モニタリング
方法 | 理由 |
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📈 自動評価で毎月の品質チェック | 回答精度や傾向の変化を追える |
✅ 人による評価は定期レビューで補完 | 利用者の実感とずれていないかを確認 |
📋 評価に使えるチェックリスト(人による評価)
観点 | 質問例 |
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正確性 | 回答は出典に基づいているか? |
一貫性 | 回答のトーンや表現にブレがないか? |
出典表示 | どの文書に基づいたか明記されているか? |
実用性 | この回答をそのまま業務に使えるか? |
📊 自動評価で見るべき指標(ragas)
指標 | 意味 |
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Faithfulness | 回答がソースに忠実か?(嘘がないか) |
Answer Relevance | 質問に正しく答えているか? |
Context Recall | 必要な情報が検索されているか? |
Context Precision | 関係ない情報が混ざっていないか? |
まとめ:「人」と「AI」の評価は役割が違う。だから両方使おう!
- 人の評価=実務と照らした“深い質”のチェック
- 自動評価=大量・スピーディな“定量的分析”
- 目的やフェーズによって、それぞれの強みを活かすのがベストな運用方法
- 評価の習慣化が、継続的に信頼されるRAG構築の土台になります!
Best regards, (^^ゞ