Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第45回:失敗しないための評価設計

Hello there, ('ω')ノ

「なんとなく良さそう」ではもったいない!

RAG(検索拡張型生成)を導入してPoC(概念実証)を行った後、
その効果をどう評価すればよいか?という悩みは非常に多いです。

実は評価設計が甘いと、以下のような失敗につながります:

  • 成果が曖昧で上司に報告できない
  • 改善すべき点が見えない
  • 他部門に展開したくても説得材料がない

👉 つまり、「RAGを使った結果どうだったか?」を数字と事実で伝えるためには、
評価の設計そのものが成功のカギを握っているのです!


✅ 評価設計で押さえるべき5つの視点


目的の明確化

まずは「何のために評価するのか」を明確に。

目的 評価軸の例
業務効率化 時間削減、問い合わせ件数の減少
品質向上 回答の正確性、満足度
定着支援 利用頻度、再利用率
リスク管理 誤答率、ハルシネーション検出件数

評価項目の分解

評価は「検索」「生成」「UX(使いやすさ)」などに分けて設定します。

カテゴリ 指標例
検索精度 Context Recall / Precision
回答の品質 Faithfulness / Relevance
UI体験 操作時間、直感的な利用性
業務効果 工数削減、エラー削減率

測定方法の整理

  • 定量データ:自動評価ツール(ragasなど)でスコア化
  • 定性データ:アンケートや人によるフィードバック
  • ログデータ:使用頻度、応答速度、失敗回数など

成功ラインの定義(KPI設定)

例:

  • Faithfulness 0.9 以上
  • 回答満足度 4.0点以上(5点満点)
  • 平均回答時間 20秒以内
  • 検索成功率 85%以上

可視化・共有の仕組みづくり

  • Googleスプレッドシートやダッシュボードでまとめる
  • 結果は週1回の定例などで共有
  • フィードバックを改善に反映していくPDCA型運用

✅ 失敗あるあると対策

よくある失敗 対策
評価指標が曖昧 具体的な数値目標(KPI)を設定する
データが取れていない PoC前から「ログをどう残すか」を決める
判断基準がない 導入前に“理想的な状態”を定義しておく

🎯 まとめ:評価設計=成功へのナビゲーション

  • 評価があるからこそ、改善できる
  • 数字で語れるからこそ、社内に広げられる
  • 良いRAGを「育てる」には、評価の筋道を先に作ることが一番の近道

Best regards, (^^ゞ