Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第57回:自己反省するAI

Hello there, ('ω')ノ

~Reflection技術でAIに「見直す力」を持たせる~

AIが出力した内容を見て、 「ちょっと違うな」「あと一歩で正解なのに」…と思ったことはないでしょうか?

実は、こうした「間違いやズレ」に、AI自身が気づいて修正できるようにする技術があります。 それが今回ご紹介する「Reflection(リフレクション)」です。


🪞 Reflectionとは?

✅ 一言で言うと:

AIに「自分の出力を振り返って見直す」能力を与えるプロンプト設計

人間が「書いた文を読み返して修正する」ように、AIにも同じような“自己評価・修正”のプロセスを促すことができます。

この設計は、特に以下のようなタスクに効果的です:

  • 回答の正確性が求められるとき
  • 誤解を与える表現を避けたいとき
  • 曖昧な回答を改善したいとき

🔁 Reflectionの基本的な流れ

  1. 最初の出力(初回回答)を生成する
  2. その出力をAI自身に評価・振り返らせる
  3. 必要に応じて、改善案を提示 or 再出力させる

この「出力 → 振り返り → 修正」という流れを、プロンプトレベルで設計します。


📘 例:Reflection型プロンプト(社内QA対応)

入力:

「有給休暇の取得ルールを教えて」

通常のAI回答:

「有給休暇は、労働基準法に基づき年10日付与されます。」

Reflection付きプロンプト:

1. 回答を生成してください  
2. 回答を読んで、不正確・曖昧・不十分な点がないか考えてください  
3. 必要であれば修正版を出力してください

AIの再出力(Reflection適用後):

「有給休暇は、勤続6か月以上かつ8割以上出勤した社員に対して年10日付与されます。会社の就業規則で詳細が定められている場合もあります。」

より正確で丁寧な回答に改善されています。


💼 Reflectionの活用シーン(業務向け)

シーン 活用法
ナレッジ応答の品質向上 回答の曖昧さやミスをAI自身にチェックさせる
要約や報告書作成 内容の網羅性や誤記のチェックを促す
文章校正支援 「言い直す」「読みやすくする」などのリライトに使う
コーディング支援 出力したコードの誤り・漏れを自己検証させる

🛠 Reflectionをプロンプトで実装する方法

✅ ステップ付きプロンプト(日本語例)

Q: ◯◯について説明してください。

ステップ1:まず、通常どおり説明してください。  
ステップ2:その説明を読んで、自分で問題がないか考えてください。  
ステップ3:改善があれば、修正版を提示してください。

✅ 英語プロンプト例(応用向け)

1. Answer the question.  
2. Reflect on your answer. Is anything missing, incorrect, or unclear?  
3. If so, provide a revised answer with improvements.

🧠 ReflectionとSelf-Refinementの違い

概念 内容
Reflection 出力に対する内省的な見直し(1回の反省と修正)
Self-Refinement 何度も繰り返して改善し続ける構造(ループ設計)

➡ Reflectionは1回の見直しに特化し、軽量で実装しやすいのが特徴です。


✅ まとめ:AIにも“振り返り”の力を

  • Reflectionは「出力 → 自己チェック → 修正」を促すプロンプト設計
  • 精度・丁寧さ・信頼性が求められる業務で大きな効果
  • 人間のレビュー前に“自分で答えを見直す”ステップをAIが担ってくれる
  • 導入しやすく、業務の品質保証にも直結する技術です

Best regards, (^^ゞ