Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第51回:カスタムプロンプトを設計する技術

Hello there, ('ω')ノ

AIの賢さは「プロンプト設計」で決まる!

RAG(検索拡張型生成)を使っていて、こんな経験ありませんか?

  • 同じ質問でも、AIの答え方がバラつく
  • 想定と違う回答が返ってきた
  • 出典がついてなかったり、話が飛んだり…

こうした「答えの質」の多くは、プロンプト(指示文)の設計次第で大きく変わります。

特にRAGの場合は、「検索結果をどう活かして生成するか」の設計がカギ。

今回は、“業務で使えるカスタムプロンプト”を設計するための技術とコツをわかりやすく解説します!


💡 プロンプト設計=AIへの“仕様書”づくり

プロンプトとは、AIへの「指示書」「ルールブック」のようなものです。
カスタムプロンプトを丁寧に設計することで、AIは次のように進化します:

ビフォー アフター(プロンプト設計後)
回答がバラバラ 毎回ほぼ同じ構成・トーンで出力
表現が曖昧 丁寧で分かりやすい言葉づかいに
出典がない 回答に根拠が明示される
長すぎる・短すぎる 文字数や構成のルール通りに出力される

📌 設計されたプロンプトがあれば、誰が使っても「同じ品質の回答」が得られるようになります!


🛠 カスタムプロンプト設計の5ステップ


✅ ステップ①:目的を明確にする

まずは「このプロンプトでAIに何をさせたいのか?」をはっきりさせましょう。

例: - FAQに対する簡潔な回答を生成したい
- 社内規程をもとに根拠付きで案内したい
- 報告書の要点を箇条書きで抽出したい


✅ ステップ②:出力形式を定義する

どんな形式で答えてほしいかを明示します。

指示 効果
箇条書きで出力してください 要点が明確になる
300文字以内でまとめてください 簡潔な出力になる
出典がある場合は文末にファイル名を記載 根拠の明示が可能になる

✅ ステップ③:使う情報の範囲を指定する(RAG特有)

RAGでは「どの情報だけを使うか」を制限するのがとても重要です。

以下のコンテキストの情報のみを参考にしてください。  
それ以外の知識や推測で答えを補完しないでください。  

➡ これを入れておくことで、ハルシネーション(事実と異なる出力)を大幅に抑えられます!


✅ ステップ④:回答の“トーン”や“立場”を設定

あなたは社内のベテラン社員です。新人にも分かるように丁寧に説明してください。  
専門用語には簡単な補足もつけてください。

➡ 曖昧な回答や冷たい印象の出力を避けるためにも有効です。


✅ ステップ⑤:テスト&改善

実際にいくつかの質問で出力を試し、「もっとこうしてほしい」と思った点を随時プロンプトに反映しましょう。

📌 プロンプトも“プロダクト”のように改善を続けていくことが大切です!


✏️ 実用プロンプトの例(社内FAQ用)

あなたは社内FAQサポートAIです。以下の情報(コンテキスト)のみをもとに質問に回答してください。

- 回答は300文字以内で簡潔にまとめてください。
- 専門用語には()で簡単な説明を加えてください。
- 該当する出典(ファイル名+章番号)があれば、文末に記載してください。
- 回答できる情報が見つからない場合は「情報が見つかりませんでした」とだけ返してください。

🎯 よくあるプロンプト改善ポイント

改善ポイント
長すぎる回答になる 文字数制限を明示する
出典が表示されない 出典を表示するルールを明記
主語があいまい 「あなたは◯◯役割」と立場を明確に
回答にムラがある 回答フォーマットを定義する(例:①〜③で答える)

✅ 複数プロンプトの管理アイデア

  • ExcelやNotionで「目的別プロンプト集」を作る
  • ユースケースごとにテンプレート化(FAQ回答用、レポート作成用など)
  • ChatGPTなどのUIにあらかじめプロンプトを組み込んで“定型化”

📌 一度整えれば、非エンジニアでも同じ精度で使える仕組みになります!


まとめ:プロンプト設計は“AIを育てるレシピ”

  • カスタムプロンプトは、RAGの精度・信頼性・一貫性を左右する重要な要素
  • ユーザー体験も大きく変わるため、プロンプトは「設計する」ものとして扱う
  • テンプレ化すれば、誰が使っても同じ出力品質が実現できる!

Best regards, (^^ゞ