Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第45回:少数データ評価とは?

Hello there, ('ω')ノ

~few-shotとzero-shotを正しく理解して活かす~

「AIに覚えさせるために、大量のデータを用意しないといけないんでしょうか?」 そんな不安を持つ方も多いかもしれません。

しかし近年のLLMでは、たった数件の事例、あるいは事例ゼロでも応答が可能になってきています。 その技術を支えているのが:

  • 🟡 Few-shot(少数例)
  • Zero-shot(事例なし)

という2つの学習スタイルです。


🔍 Zero-shot(ゼロショット)とは?

✅ 一言でいうと:

例を一切示さず、指示だけでタスクをやらせる方法

たとえば:

Q: 「社内ポリシーの要点をまとめてください」

このようなシンプルな問いかけに対して、モデルが自力で応答します。

✅ 使える場面:

  • 定型的な作業(要約・翻訳・分類など)
  • 事前に類似事例が不要な場面
  • テスト的に試したいとき

✅ 評価ポイント:

  • 指示の明確さに依存する
  • モデルが汎用的な知識で対応できるか?

🧪 Few-shot(フューショット)とは?

✅ 一言でいうと:

あらかじめ「こういうふうに答えてね」という例(プロンプト)を少しだけ提示してから質問する方法

たとえば:

例1:「Q: 社内でパスワードを忘れたら? → A: 情報システム部に申請してください」
例2:「Q: 勤怠申請の締め切りは? → A: 毎月25日です」
Q: 残業申請の手続きは? → A: 」

こうすることで、モデルがパターンを学んだ上で答えることができます。

✅ 使える場面:

  • 用語や表現が業務に特化している
  • 特定のスタイルやルールがある
  • 一貫性のある出力が求められる

✅ 評価ポイント:

  • 提示する例の質が大きく影響
  • 少ない例でも学習できているか?(5例前後で十分なことも)

⚖️ zero-shotとfew-shotの違い(まとめ)

比較項目 Zero-shot Few-shot
学習例 なし 数件(1〜5件など)
柔軟性 高いが不安定になりやすい 安定性が高く文体やトーンも調整しやすい
精度 一般的にはやや低め 適切な例があれば精度が向上
セットアップの手間 低い 少し準備が必要
業務向け適性 試行・評価段階に最適 実運用ではこちらが効果的なことが多い

🛠 実務での活用例

✅ Zero-shot の活用シーン:

  • AIに**「まずやってみて」**と依頼して、応答の傾向を確認
  • 新規ドメインでどこまで理解しているかのテスト

✅ Few-shot の活用シーン:

  • FAQ応答の文体や語尾を統一
  • 社内手順を「要約 → 要点抽出 → 丁寧表現」で再現
  • 定型フォーマットへの整形(メール文例・報告書テンプレなど)

🧩 評価方法:どう性能を測る?

  1. 同じタスクを zero-shot と few-shot の両方で実行
  2. 正確性・表現・読みやすさ・トーンなどで比較評価
  3. 業務現場のフィードバックを取り入れて精度判断

✅ おすすめ:5段階+コメント付きスコアシート

観点 評価(5段階) コメント例
内容の正確性 4 要点は合っているが一部表現が曖昧
トーン 5 ちょうど良い丁寧さ
文体の統一性 3 前の回答と少しばらつきあり

✅ まとめ:「少ない例」で高性能に使える時代に

  • zero-shotはすぐに試せる手軽なアプローチ
  • few-shotは実運用レベルの安定性と表現制御に有効
  • 評価は「出力の質を見る」+「業務適合性を測る」両面で行うことが重要
  • 小さなテストで大きな差が出るため、導入前に試す価値あり!

Best regards, (^^ゞ