Hello there, ('ω')ノ
~“よくできたAI”かどうかを、どうやって判断する?~
AIを業務に活かすとき、「本当にうまく動いているのか?」を確認することが大切です。 このとき必要になるのが、モデルの性能を客観的に測る“評価指標(Evaluation Metrics)”です。
でも実際は──
- 単なる正解・不正解だけでは測れない
- 業務内容によって「何が良い応答か」が違う
- 数値だけに頼ると、使い勝手を見落とすことも…
という問題があるため、「何を、どのように評価するか」をきちんと設計する必要があります。
🎯 まず押さえておきたい基本の評価指標(自動評価)
✅ 1. 正解率(Accuracy)
出力が期待通りの答えになっていたか? → 主に分類タスクや選択式のQAで使用
✅ 2. BLEU / ROUGE スコア
出力文と正解文の単語の重なり具合を評価 → 翻訳・要約・生成系でよく使われる
指標 | 主な用途 |
---|---|
BLEU | 機械翻訳の精度を測る(N-gram一致) |
ROUGE | 要約や自然文生成のカバレッジ評価 |
✅ 3. perplexity(パープレキシティ)
モデルがどれくらい“予測しやすかったか”を示す内部指標 → 小さいほど良い。主に言語モデルの学習・比較で使う
📊 業務向け:実践的な“人間評価指標”も重要
自動評価だけでは見落としがちなポイントを補うのが、人の目で判断する指標です。
✅ 4. 応答の妥当性(Correctness)
内容が業務的に間違っていないか? 例:「社内規則に基づいて正しい説明になっているか」
✅ 5. トーン・スタイル(Tone/Style)
文体が社内文化や読み手に適しているか? 例:「敬語が適切」「カジュアルすぎない」
✅ 6. 一貫性(Consistency)
以前の応答と矛盾していないか? 例:「午前と午後で真逆の案内をしていないか」
✅ 7. 可読性(Readability)
読みやすさ、誤字脱字、論理のつながりなど
🛠 実務で評価するにはどうすればいい?
📁 方法1:評価用のデータセットを作る
- 50~100件の「質問+理想的な答え」を用意
- チューニング前後の出力を比べる
📋 方法2:5段階評価シートをつくる
項目 | 評価基準(例) |
---|---|
妥当性 | 5: 完全に正しい ~ 1: 明らかに誤り |
スタイル | 5: 適切な社内文体 ~ 1: 違和感がある |
読みやすさ | 5: 非常に読みやすい ~ 1: 読みにくい |
✅ 1人ではなく複数人でレビューすると客観性が上がります。
⚖️ 定量 vs 定性:どちらも大切!
評価の種類 | 特徴 |
---|---|
定量評価(数値) | 正解率やBLEUなど、自動で評価可能。比較しやすい |
定性評価(人の目) | 表現や読みやすさなど、業務的な“納得感”に直結 |
理想は: ➡ まず定量でふるいにかけてから、定性で精査する
✅ まとめ:「うまく動いている」を“測れる”ことが、次の改善につながる
- LLMの評価には自動評価と人間評価の両方が必要
- 数字だけでなく、業務的に意味のある応答かどうかをチェック
- 評価を定期的に行うことで、モデルの改善サイクルを仕組み化できる
- 小さく始めてもOK。業務でよくある質問50件からスタートしよう
Best regards, (^^ゞ