Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第39回:モデルの性能を測る評価指標とは?

Hello there, ('ω')ノ

~“よくできたAI”かどうかを、どうやって判断する?~

AIを業務に活かすとき、「本当にうまく動いているのか?」を確認することが大切です。 このとき必要になるのが、モデルの性能を客観的に測る“評価指標(Evaluation Metrics)”です。

でも実際は──

  • 単なる正解・不正解だけでは測れない
  • 業務内容によって「何が良い応答か」が違う
  • 数値だけに頼ると、使い勝手を見落とすことも…

という問題があるため、「何を、どのように評価するか」をきちんと設計する必要があります。


🎯 まず押さえておきたい基本の評価指標(自動評価)

✅ 1. 正解率(Accuracy)

出力が期待通りの答えになっていたか? → 主に分類タスクや選択式のQAで使用

✅ 2. BLEU / ROUGE スコア

出力文と正解文の単語の重なり具合を評価 → 翻訳・要約・生成系でよく使われる

指標 主な用途
BLEU 機械翻訳の精度を測る(N-gram一致)
ROUGE 要約や自然文生成のカバレッジ評価

✅ 3. perplexity(パープレキシティ)

モデルがどれくらい“予測しやすかったか”を示す内部指標 → 小さいほど良い。主に言語モデルの学習・比較で使う


📊 業務向け:実践的な“人間評価指標”も重要

自動評価だけでは見落としがちなポイントを補うのが、人の目で判断する指標です。

✅ 4. 応答の妥当性(Correctness)

内容が業務的に間違っていないか? 例:「社内規則に基づいて正しい説明になっているか」

✅ 5. トーン・スタイル(Tone/Style)

文体が社内文化や読み手に適しているか? 例:「敬語が適切」「カジュアルすぎない」

✅ 6. 一貫性(Consistency)

以前の応答と矛盾していないか? 例:「午前と午後で真逆の案内をしていないか」

✅ 7. 可読性(Readability)

読みやすさ、誤字脱字、論理のつながりなど


🛠 実務で評価するにはどうすればいい?

📁 方法1:評価用のデータセットを作る

  • 50~100件の「質問+理想的な答え」を用意
  • チューニング前後の出力を比べる

📋 方法2:5段階評価シートをつくる

項目 評価基準(例)
妥当性 5: 完全に正しい ~ 1: 明らかに誤り
スタイル 5: 適切な社内文体 ~ 1: 違和感がある
読みやすさ 5: 非常に読みやすい ~ 1: 読みにくい

✅ 1人ではなく複数人でレビューすると客観性が上がります。


⚖️ 定量 vs 定性:どちらも大切!

評価の種類 特徴
定量評価(数値) 正解率やBLEUなど、自動で評価可能。比較しやすい
定性評価(人の目) 表現や読みやすさなど、業務的な“納得感”に直結

理想は: ➡ まず定量でふるいにかけてから、定性で精査する


✅ まとめ:「うまく動いている」を“測れる”ことが、次の改善につながる

  • LLMの評価には自動評価と人間評価の両方が必要
  • 数字だけでなく、業務的に意味のある応答かどうかをチェック
  • 評価を定期的に行うことで、モデルの改善サイクルを仕組み化できる
  • 小さく始めてもOK。業務でよくある質問50件からスタートしよう

Best regards, (^^ゞ