Hello there, ('ω')ノ
~AIが「考えられるか」を見抜く視点と方法~
AIが単に答えるだけでなく、「考えて答えを出す」ことが求められる場面が増えています。 たとえば…
- 曖昧な情報から意図をくみ取る
- 条件を複数組み合わせて判断する
- 例外を扱って柔軟に対応する
こうした“問題解決力”や“推論力”は、従来の単純な質問応答では見えにくいため、適切に評価する方法が必要になります。
🧠 推論力とは何か?
✅ 推論力(Reasoning Ability)とは
与えられた情報をもとに、「前提」から「結論」を導く力
LLMでは、明記されていない答えを文脈や常識から導き出せるかが推論力のポイントです。
🔍 評価の観点①:ステップを踏んで考えているか?
LLMの思考力を見るときに有効なのが、Chain-of-Thought(思考連鎖)と呼ばれるプロンプト設計法。
例:
Q:アキラさんはA店で300円、B店で200円使いました。所持金が800円なら残りはいくら? → 通常のモデル:正答率50~60% → 「考えながら答えて」と指示した場合:正答率80%以上に向上
✅ 評価法:
- 中間ステップを出力できるか?(計算過程や論理の説明)
- ステップごとに正しい前提を使っているか?
- 最終結論と矛盾していないか?
🧪 評価の観点②:条件を正しく適用できているか?
テスト例:ルール適用問題
Q:社員は月20時間以上残業した場合、申請が必要です。田中さんは18時間でした。必要ですか? → モデルが「ルールを読み取って適用できるか」を評価
✅ ポイント:
- 数値条件や例外を正確に判断できているか
- 複数の条件がある場合、優先順位を正しく理解しているか
📊 実践向け:推論力を測る評価軸(業務用)
評価軸 | 評価内容 | スコア例 |
---|---|---|
論理性 | 答えに至るまでの思考の流れが正しいか | 5: 明確なステップあり ~ 1: 直感的で曖昧 |
一貫性 | 前提・途中経過・結論に矛盾がないか | 5: 全体整合性あり ~ 1: 食い違いあり |
条件理解 | ルールや制約の読み取りができているか | 5: 正確に適用 ~ 1: ルール無視 |
柔軟性 | 想定外の質問にも論理的に対応できるか | 5: 例外も処理可 ~ 1: 決め打ちで誤答 |
💡 ヒント:LLMに“考えさせる”ときのプロンプト工夫
工夫 | 例 |
---|---|
考え方を促す | 「順を追って考えてください」 |
途中経過を出させる | 「まず計算式を出してから答えてください」 |
判断基準を明示する | 「ルールをもとに判断してください」 |
🛠 業務応用での評価手順(例)
- 業務によくある“判断が必要な質問”を集める
- 理想的なステップ付き回答を作成(お手本)
- モデル出力との一致度で評価
- 誤答や迷走パターンを記録し、チューニング対象に活用
✅ まとめ:LLMは“答えるAI”から“考えるAI”へ
- 問題解決力・推論力は、単なる正答率では測れない
- 中間ステップや条件判断の過程を見える化して評価することが大切
- Chain-of-Thoughtプロンプトと組み合わせれば、思考力を引き出す設計が可能
- 評価は1回きりではなく、業務の変化に合わせて継続的に改善
Best regards, (^^ゞ