Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第40回:代表的なベンチマーク(SuperGLUEなど)

Hello there, ('ω')ノ

~「このモデル、どれくらい賢いの?」を比較する“ものさし”~

AIやLLMのニュースでよく出てくる 「GPT-4はSuperGLUEでスコア89.8を記録」 「ClaudeはMMLUで人間並みの性能に到達」 といった表現。

でもそれ、何をどう測って、なぜすごいのか、ピンと来ない方も多いのではないでしょうか?

今回は、LLMの実力を測るための“ベンチマーク(共通テスト)”の仕組みをわかりやすく紹介し、業務にどう活かせるかも見ていきましょう。


🧪 ベンチマークとは?

✅ 一言でいうと:

AIモデルを公平に比べるための“共通のテスト問題集”のこと

たとえば、英語のテストでTOEICやTOEFLがあるように、LLMにも「標準問題集」があります。 これを解かせてスコアを出すことで、モデル同士の実力を客観的に比較できます。


🌍 代表的なベンチマーク一覧(よく使われるもの)

ベンチマーク名 主な内容 用途
SuperGLUE 難易度の高い言語理解テスト(意図の把握、推論など) 高性能モデルの比較に使われる定番
MMLU(Massive Multitask Language Understanding) 学術や一般常識を含む多分野の知識テスト 人間レベルの幅広い知識を測定
HELLASWAG 常識推論(文の続きを自然につなげる) 日常的な文脈理解力の検証
ARC(AI2 Reasoning Challenge) 小中学生レベルの理科系問題 論理的思考・推論力の測定
BIG-Bench 260以上の多様なタスクを含む大規模テスト モデルの汎用性・多様性を評価
TruthfulQA 嘘をつかずに正しいことを答えられるか? ハルシネーション(虚偽生成)検出向け
GSM8K 小学生レベルの算数問題(文章題) ステップバイステップの思考力を評価

🧠 SuperGLUEとは?

SuperGLUE(スーパグルー)は、従来のGLUE(自然言語理解テスト)を超える高難度版。 以下のような人間のような理解・推論能力を必要とする問題が含まれています:

  • 文章の主張や感情を読み取る(ナチュラル・ランゲージ・インフェレンス)
  • 質問応答
  • 言い換えの正誤判断
  • 推論力のある選択式問題

📊 GPT-4などの最新モデルは、このSuperGLUEで人間の平均スコアを超える性能を出しています。


🏢 業務での活用との関係は?

「でもうちは英語の学術問題なんて使わないけど…?」

その通りです。SuperGLUEやMMLUは「共通の物差し」としては便利ですが、実業務にはそのまま使えません。 しかし、それでも重要な理由は:

活用ポイント 説明
✔️ モデル選定の目安になる どのモデルが“思考力”や“事実性”に強いかを見る参考にできる
✔️ カスタマイズ対象の判断に ベンチマークで高得点でも、業務ではRAGやLoRAで補強が必要なことも
✔️ テスト設計のヒントに 自社独自の評価セットを作る際の“問題の型”として応用できる

📁 業務で使える“ミニ・ベンチマーク”のつくり方

ベンチマークの考え方を活かして、自社用のミニ評価セットを作ると非常に役立ちます。

ステップ:

  1. よくある質問パターンを10~50件集める  例:「経費申請の手順は?」「在宅勤務時の勤怠登録方法は?」

  2. 理想的な回答例(ゴールドアンサー)を用意

  3. 回答ごとに評価軸を設定(妥当性/簡潔さ/誤字脱字など)

  4. 新しいモデルや調整後の性能比較に活用!


✅ まとめ:AIを“測る”ことで、導入と改善がうまくいく

  • SuperGLUEやMMLUなどのベンチマークはAIの思考力や知識の広さを測る共通テスト
  • 実務には直接使わなくても、モデル選定や設計判断の参考になる
  • 自社用の簡易ベンチマークを用意しておけば、カスタマイズや精度改善にも効果的
  • 数値評価とあわせて、「業務に合うかどうか」を見る人間評価の導入も重要

Best regards, (^^ゞ