Shikata Ga Nai

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第9回:スノーフレーク型スキーマの特徴と使いどころ②

Hello there, ('ω')ノ

名前の通り、雪の結晶のように枝分かれした構造が特徴です。 一見複雑ですが、実務では大規模なデータ分析やデータベース設計でよく登場する形です。


❄️ スノーフレーク型スキーマとは?

スノーフレーク型スキーマ(Snowflake Schema)とは、スター型の拡張バージョンです。 スター型と同様に「主テーブル(ファクトテーブル)」を中心に持ちますが、 その周りの「補助テーブル(ディメンション)」がさらにサブテーブルに分かれて細分化されているのが特徴です。


🔍 図でイメージすると…

        地域テーブル
             ↑
    顧客テーブル ← 顧客ID
             ↓
       売上テーブル(主)
             ↑
    商品テーブル ← カテゴリテーブル
             ↓
        日付テーブル ← 年・月テーブル

このように、補助テーブルの中でも共通情報をさらに分離して、枝分かれしているのがスノーフレーク型です。


📦 構造の特徴

項目 内容
構造 階層的(ツリー状)、複数段階のテーブル関係
冗長性 少ない(同じ情報を繰り返さない)
保守性 高い(修正が一ヶ所で済む)
複雑さ 高い(JOINが多くなる)

✅ スター型との違いまとめ

比較項目 スター型スキーマ スノーフレーク型スキーマ
構造のシンプルさ ◎ 分かりやすい △ 複雑で階層的
クエリのしやすさ ◎ 簡単にJOINできる △ JOINが多くなる
データの重複 △ 冗長になりやすい ◎ 冗長性を抑えられる
データの正規化 × 非正規化気味 ◎ 正規化されている
処理スピード 速い(小規模向け) やや遅い(JOIN増)
主な用途 ダッシュボード、部門別レポート 複雑な分析、大規模DB管理

📈 実務での使いどころ

スノーフレーク型スキーマは、次のような場面に適しています:

  • ✅ データ量が膨大で、同じ情報が繰り返されるのを避けたいとき
  • ✅ 情報の正確性や一貫性を重視したいとき
  • ✅ 多層的な分類(例:商品 → カテゴリ → ブランド)で管理したいとき
  • ✅ 多国籍企業などで複雑な地域・通貨・言語を管理するケース

実例:

  • 「地域名」は「市区町村 → 都道府県 → 国」というように、階層的に管理
  • 「商品分類」も「商品 → カテゴリ → 大分類」などの細分化が可能

⚠ スノーフレーク型の注意点

❌ デメリットもある:

  • クエリ(SQL)で多段階のJOINが必要になるため、パフォーマンスが落ちる可能性
  • BIツールでの設定が複雑になりやすい
  • 分析担当者のスキルが求められる

したがって、「初心者が最初に扱うスキーマ」としてはあまり向きません。 一方で、データ設計者や大規模プロジェクトでは非常に重宝されます。


📝 まとめ:正確さと効率を両立したいなら「スノーフレーク型」

特徴 内容
データの正確性 高い。情報が一元管理されている
分析の柔軟性 高いが、JOINやクエリの設計が必要
対象者 中級者以上向け、データモデリングが必要な人

▶ 結論:

  • スター型=スピードとわかりやすさ
  • スノーフレーク型=正確性と柔軟性

どちらが良い・悪いではなく、目的に応じて使い分けることが重要です。

Best regards, (^^ゞ