Hello there, ('ω')ノ
「図解やPDFも読んでくれたらいいのに…」
RAG(検索拡張型生成)は、社内文書を活用してAIが自然な回答を返す強力な仕組みですが、
実は多くの企業がこうした課題にぶつかります:
- PDFファイルしか資料がない…
- スクリーンショット付きのマニュアルが多い…
- 表や図、画像で説明されている情報を検索できない…
そんなときに必要なのが、マルチモーダルRAG(Multi-modal RAG)です!
💡 マルチモーダルRAGとは?
テキストだけでなく、画像・表・PDF・手書きメモなど、複数の情報形式(モダリティ)を扱えるRAGのことです。
モダリティ | 例 |
---|---|
テキスト | Word、Notion、チャットログなど |
画像 | スクリーンショット、図、写真、手書きメモ |
スキャン資料、報告書、紙資料の電子化版 | |
表・グラフ | Excel、CSV、帳票などの構造化データ |
🧠 なぜ今「マルチモーダルRAG」が重要なの?
✅ ① 社内資料の大半は“PDF”や“画像つき”!
- 手順書や設計図はPDFや画像でしか存在しない
- マニュアルに貼られた図が肝心のことを伝えている
- 表形式でないと意味が伝わらない業務も多い(例:料金表、仕様一覧)
➡ これらをテキスト変換せずにRAGで活かせると、活用可能な情報量が一気に拡大します!
✅ ② テキストだけのRAGには限界がある
例:「この手順書の画面は、どこをクリックするんですか?」
➡ 画像内にしか答えがない場合、従来のRAGでは答えられない…
📌 マルチモーダル化することで、画像×テキスト×表の「意味」を一体化して扱えるようになります。
🔧 マルチモーダルRAGの仕組み(ざっくり)
✅ Step 1:PDFや画像を“テキスト化”する
- OCR(文字認識)でスキャンPDFや画像から文字を抽出
- 表や図も構造化して、チャンクとして分割
- Altテキストや画像キャプションを活用する
🛠 使用ツール例: - PyMuPDF(PDF → テキスト) - Tesseract OCR(画像 → テキスト) - PaddleOCR(高精度OCR)
✅ Step 2:テキストとマルチモーダル情報をセットでベクトル化
- GPT-4V(Vision対応)など、画像+文章を同時に扱えるモデルで意味ベクトルを生成
- テキストと画像の関係性を保持したチャンクにする
✅ Step 3:検索と生成で“マルチモーダルな回答”を実現
例:「この図にある注意点は何ですか?」
→ 図に付随する説明文やキャプションを抽出し、LLMが自然な文で回答!
🖼 活用シーンの例
シーン | マルチモーダルRAGの効果 |
---|---|
IT手順書 | スクショ付きの操作マニュアルも検索&説明可能に |
設計図面 | 画像内の番号やラベルをベースに説明可能 |
会議資料 | グラフ+説明文を統合して要点を自動要約 |
契約書PDF | 条文に含まれる画像・表も一括で取り込んで根拠表示 |
✅ 注意点とコツ
課題 | 対策 |
---|---|
画像内文字の精度が低い | 高精度OCR(PaddleOCRなど)+事前クリーニング |
文と画像の結びつきが弱い | チャンク分割時に「図番号」「キャプション」「前後の文脈」をセットにする |
ファイルサイズが重い | 分割読み込み+重要部分のみ抽出 |
LLMの対応限界 | GPT-4Vなど、マルチモーダルに対応したLLMを選定する |
🔍 どんなツールで実現できるの?
用途 | ツール例 |
---|---|
OCR・画像読み取り | Tesseract、PaddleOCR、Azure Vision OCR |
PDF処理 | PyMuPDF、pdfplumber |
LLM(画像対応) | GPT-4V、Gemini Pro Vision、Claude 3 |
RAG構築基盤 | LangChain(Vision対応)、LlamaIndex、Haystack |
🎯 まとめ:マルチモーダル対応でRAGの“守備範囲”が一気に広がる!
- PDF・画像・図・表を扱えることで、RAGの活用対象がテキストの何倍にも
- 手順書・設計図・会議資料など、“非テキスト中心”の業務でもAIが活躍
- 社内にあるあらゆるドキュメントを“検索可能な知識”に変える一歩に!
Best regards, (^^ゞ