Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第49回:AIエージェントとRAGを組み合わせてみよう

Hello there, ('ω')ノ

「RAGだけじゃ、あと一歩足りない気がする…」

RAG(検索拡張型生成)は、社内データを活かして“聞かれたことに根拠をもって答える”ことが得意な仕組みです。

一方で、こんな要望も出てきていませんか?

  • 「自動でレポートをまとめてくれないかな」
  • 「質問が曖昧でも意図をくんで動いてくれたらいいのに」
  • 「タスクを段階的に進められるAIにしたい」

そんなときに力を発揮するのが、AIエージェント × RAGの組み合わせです!


💡 AIエージェントとは?

AIエージェントとは、指示を受けて「目的達成のために一連の思考・行動を行うAI」のことです。

たとえば:

「営業会議のために、過去3カ月分の売上推移と問い合わせ傾向を分析してレポートにして」

➡ 普通のRAGだと「売上の推移は…」「問い合わせ内容は…」と1問1答になりますが、
AIエージェントなら、これらのサブタスクを自動で分解し、複数回の検索と生成を繰り返して最終成果を出すことができます。


🧠 RAG × AIエージェントでできること

活用例 処理の流れ
✅ 複雑なレポート作成 要素分解 → RAGで情報取得 → 統合して生成
✅ ワークフローの自動化 タスクを段階的に処理し、次の指示を判断して進める
✅ 不明点の自己補完 「情報が足りない」と判断すれば自動で再検索
✅ マルチステップ対話 ユーザーの曖昧な依頼にも対話しながら目的達成を目指す

🛠 実装の基本構成(ざっくり)


✅ ① エージェントの「目標」設定

例:あなたは営業部のサポートAIです。
目標は、過去3カ月の営業活動をまとめたレポートを作成することです。

✅ ② ツール群の用意(RAG検索機能、計算、出力など)

  • RAGTool: 意味検索 → 情報取得 → コンテキスト返却
  • WriteTool: 結果をレポート形式に整形
  • AskTool: 必要に応じてユーザーに確認

✅ ③ 思考・行動ループ(Reasoning → Action → Observation)

1. 売上推移の情報を探す(RAGTool)  
2. 問い合わせ内容の傾向を調べる(RAGTool)  
3. レポート形式でまとめる(WriteTool)  
4. ユーザーに内容を確認(AskTool)

➡ LangChainやAutoGPT、CrewAI、Autogen などで構築可能!


🧭 社内業務への応用アイデア

業務 活用イメージ
レポート作成 部門別に毎月のKPIを取得 → 要約 → レポート生成
ナレッジ統合 複数の規程やFAQから共通ルールを自動で見つける
社内問い合わせ対応 「◯◯って何?」に対して、複数文書から最も適切な回答を組み立て
分析業務 過去のトレンド・異常値・改善点をピックアップして報告書に

✅ 導入時のコツと注意点

観点 コツ
タスクの定義 「ゴール」が明確な業務からスタートすると効果を実感しやすい
ステップの制御 無限ループや暴走防止にステップ数制限を設ける
エラー対応 「情報が足りない場合はユーザーに確認する」などのルールを組み込む
ログの確認 推論経過(reasoning log)を記録して改善材料に!

🎯 エージェント+RAGは「考えるAI」をつくる第一歩

  • RAGだけでは対応が難しい“マルチステップ思考”や“柔軟な対応”が可能に
  • ただ答えるのではなく、目的に向かって判断・実行できるAI体験を実現
  • 「指示されたことに加えて+αで提案するAI」に進化!

まとめ:AIが“動ける”ようになると、業務が一気に変わる!

  • AIエージェントとRAGを組み合わせることで、業務の“補助”から“実行”へステップアップ
  • ユーザーの指示を理解 → 情報を集める(RAG)→ 判断して出力
  • 小さく始めて、人がやっていた複雑な処理の自動化に挑戦してみましょう!

Best regards, (^^ゞ