Hello there, ('ω')ノ
「意味で探す」って、どうやってるの?
RAGを使っていると、「AIが意味を理解して答えてくれる」ことに感動しますよね。
でも、よく考えてみると…
🔸 どうして“言い回し”が違っても、ちゃんと答えが出るの?
🔸 キーワードが一致していないのに、なぜ正しい文書が見つかるの?
──その秘密は、「埋め込み(Embedding)」という処理にあるんです!
今回は、初心者にもわかりやすく、埋め込みの仕組み・役割・実務でのポイントを丁寧に解説します。
💡 埋め込み(Embedding)とは?
一言で言うと:
✅ 文章や単語の“意味”を、AIが扱える数値(ベクトル)に変換すること
です。
この処理によって、「言葉」→「数値の地図」へと姿を変え、AIが意味の近さで検索できるようになります。
たとえば、こんな感じです:
単語 | ベクトル(数値の並び) |
---|---|
りんご 🍎 | [0.21, 0.67, -0.12, …] |
みかん 🍊 | [0.22, 0.66, -0.10, …] |
飛行機 ✈️ | [0.91, -0.43, 0.55, …] |
📌「りんご」と「みかん」のベクトルは近く、「飛行機」は遠くにある。
➡ つまり、AIは数値の“距離”で意味の近さを判断しているんです。
どうして「Embedding」が必要なの?
🧠 人間:
「この言葉とあの言葉、なんとなく似てるな~」
🤖 AI:
「このベクトルとあのベクトル、距離が近いから意味も近いな」
RAGでは、ユーザーの質問と社内文書を両方ベクトルに変換し、
“数値的に一番近いもの”を見つけて回答に使います。
だからこそ、「意味を正しく数値に変える」Embeddingが超重要なんです。
埋め込みを使った検索の流れ(イメージ図)
[質問]:有給休暇の申請期限は? ↓(ベクトルに変換) [質問ベクトル] ↓ [社内文書のベクトル群] と距離を比較 ↓ → 一番近いチャンクを取得! ↓ → LLM(AI)がそれを元に回答生成
➡ この「距離で探す検索」を意味検索(セマンティック検索)と呼びます。
実際に使われているEmbeddingモデルは?
Embedding処理を行うには、専門のAIモデルを使います。
モデル名 | 特徴 |
---|---|
OpenAI Embedding | ChatGPTと同じOpenAI社のモデル。精度・速度・信頼性◎ |
Sentence-BERT | オープンソースで利用可能。文単位の意味ベクトルに強い |
Cohere | 多言語対応。ビジネス向けにも使われている |
Japanese-BERT | 日本語特化型のEmbeddingモデル(日本語対応が必要な場合に) |
📌 どのモデルを使うかで「検索精度」や「コスト感」が変わってきます。
Embeddingを使ったベクトル化は何に使われる?
活用場面 | 埋め込みの役割 |
---|---|
文書検索(RAG) | 質問と“意味が近い”文書を見つける |
レコメンド機能 | 類似の製品や記事を提案する |
クラスタリング分析 | 意味が近い文書をグループ分けする |
意図分類・要約 | テキストの意味を判断して処理内容を決定する |
埋め込みの実務ポイント
✅ チャンク(分割)が前提!
文章をそのまま全部ベクトル化するのではなく、分割(チャンク)した単位ごとにEmbeddingします。
📌 詳しくは前回(第18回)で解説しました!
✅ メタデータと一緒に管理する
チャンクごとに「見出し」「出典」「文書名」なども一緒に保存すると、
後から回答に出典を添えることができるようになります。
✅ 定期的な再埋め込みも大切
新しい文書を追加したり、古い情報を更新した場合は、Embeddingし直す必要があります。
➡「RAGは使いながら育てる」が基本です。
まとめ:Embeddingは「意味検索AI」の心臓部!
- 埋め込みとは、文章の意味を“数値化”すること
- ベクトルに変換することで、言葉の違いを越えて検索が可能に
- 質問・文書の両方をベクトルにして“意味の距離”でマッチング
- Embeddingモデルの選定と、文書の分割設計がポイント
- RAGではEmbeddingの質が、検索精度や回答品質に直結!
Best regards, (^^ゞ