Hello there, ('ω')ノ
AIに情報を渡すとき「まるごと」はNG?
RAGを構築する際、よく出てくるのが「データを分割する(チャンク化する)」という言葉。
でも、初めて聞く方からすると…
💬「データを分割?PDFをそのまま渡しちゃダメなの?」
💬「何のためにわざわざ切り分けるの?」
💬「どこで、どうやって分ければいいの?」
こんな疑問が湧くのではないでしょうか?
今回は、RAGにおける「データの分割(チャンク)」の意味と目的、具体的なやり方や注意点を、初心者にもわかるように丁寧に解説します!
そもそも「チャンク(Chunk)」ってなに?
チャンクとは、簡単に言うと…
✅ 文章データをAIが扱いやすい“適度な大きさのかたまり”に分けたもの
です。
たとえば、100ページのPDFをそのまま読み込ませても、AIは「どこに何が書いてあるか」を正確に把握できません。
だからこそ、1ページごと・段落ごと・見出しごとなど、“意味が通じる単位”で切り分けて保存するのです。
なぜチャンクに分ける必要があるの?
理由①:AIが一度に扱える情報量には限界がある(=コンテキストウィンドウ)
- 例えばGPT-3.5は約8,000〜10,000文字しか一度に処理できません
- 長すぎる文書は途中で切れてしまい、誤解や抜け漏れの原因に
理由②:検索精度を高めるため
- ベクトル検索では、「意味が近いチャンクを探す」ことで情報を見つける
- 1チャンクが長すぎると、関係ない部分まで含まれてノイズになる
- 逆に短すぎると、必要な情報が分断されてしまう
📌 最適なサイズで切ることで、検索と生成の精度がぐっと上がります!
どんな分け方があるの?
分割方法 | 特徴 | 使いやすさ |
---|---|---|
セクションごと | 「1.目的」「2.手順」など、見出しで分ける | ◎(意味のまとまりが明確) |
段落ごと | 改行や記号(●、・など)で区切る | ○(バランスが良い) |
一定文字数ごと | 300〜500文字などで機械的に分割 | △(意味が途中で切れる場合も) |
スライド1枚ごと | PowerPoint資料ではスライド単位で分ける | ◎(意図のまとまりが保たれる) |
➡ 一般的には「500~1000トークン(日本語で約300~600文字)」程度で分けるのが主流です。
実際のチャンク例(就業規則の場合)
元の文章:
第3条(勤務時間)
勤務時間は午前9時から午後6時までとする。休憩時間は正午から午後1時までの1時間とする。
チャンク化すると:
【チャンク01】 見出し:第3条(勤務時間) 本文:勤務時間は午前9時から午後6時までとする。 【チャンク02】 見出し:第3条(勤務時間) 本文:休憩時間は正午から午後1時までの1時間とする。
📌 チャンクごとに「見出し」「内容」をセットで保存することで、意味を保持しながら検索できるようになります。
チャンク化のツールや仕組みは?
チャンクの自動分割は、RAGツールやライブラリで対応できます。
🔧 代表的なもの:
ツール | 特徴 |
---|---|
LlamaIndex | テキストをセクション・段落などに自動分割してくれる。設定変更も柔軟。 |
LangChain(Text Splitter) | 文字数ベースや改行ベースなど、さまざまな分割方法が選べる。 |
ChatGPTのコードインタープリタ | 簡単な分割処理もスクリプトで可能(Python不要なツールもあり) |
分割時の注意点
注意点 | 理由 |
---|---|
意味が途中で切れないようにする | 情報のつながりが失われると、誤解を生む可能性がある |
メタデータ(見出し・文書名など)を一緒に保持する | 「どこから取った情報か」が分かるようにする |
ノイズや装飾は取り除いておく | ヘッダーや脚注が多いと、意味の判断を邪魔する |
まとめ:「分け方」がRAGの賢さを決める
- チャンクとは、AIが処理しやすい単位に文章を切り分けたもの
- 適切なサイズで分割することで、検索精度と回答の質が向上
- 分け方次第で、RAGの使い勝手が大きく変わる
- 「見出し+本文」など、意味が通じる単位で分けるのがポイント
- 自動ツールを使えば、ノーコードでもチャンク化は十分に可能!
Best regards, (^^ゞ