Shikata Ga Nai

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8-1:復旧計画を立てよう

Hello there, ('ω')ノ

サイバー攻撃を受けた後、最も重要なのは「いかに早く、安全に業務を再開するか」です。攻撃によってシステムやデータが破壊された場合、復旧作業が遅れると、業務の停止が長引き、企業の信頼や収益にも大きな影響を与える可能性があります。

NISTサイバーセキュリティフレームワーク(NIST CSF)の「復旧(Recover)」機能では、被害を受けたシステムやデータを迅速に回復し、通常業務に戻るための計画を整備することが求められています。


なぜ復旧計画が必要なのか?

1. 業務停止を最小限に抑えるため

システムがダウンすると、業務が完全に停止する可能性がある
復旧が遅れるほど、収益損失や顧客離れが発生する

🚨 例:復旧計画がなかったために業務停止が長引いたケース
ある企業がランサムウェア攻撃を受け、全社のファイルサーバーが暗号化された。しかし、バックアップの復旧手順が明確でなく、復元に1週間以上かかったため、業務が停止。結果として、顧客対応が遅れ、信用を大きく損なった。

💡 事前に復旧計画を策定しておけば、迅速に業務を再開できる!


2. 混乱を防ぎ、迅速な意思決定を可能にする

「誰が」「何をするのか」を事前に決めておくことで、復旧作業の混乱を防ぐ
優先的に復旧すべきシステムやデータを明確にしておくことで、スムーズな対応が可能

🚨 例:復旧の優先順位が決まっておらず、業務復旧が遅れたケース
ある企業では、サイバー攻撃で複数のシステムがダウンしたが、どのシステムを優先的に復旧すべきか決まっていなかったため、復旧作業が非効率に進み、業務再開までに時間がかかった

💡 事前に「最優先で復旧すべきシステム」を決めておけば、復旧作業がスムーズに進む!


3. 被害の再発を防ぐため

攻撃を受けた後、同じ脆弱性が残っていると再び被害を受ける可能性がある
復旧作業と同時に、セキュリティ対策の見直しを実施することが重要

🚨 例:脆弱性を修正せずに復旧し、再び攻撃を受けたケース
ある企業では、ランサムウェアの被害を受けた後、すぐにシステムを復旧させたが、脆弱なリモートデスクトップ接続(RDP)がそのままになっていたため、数週間後に再び攻撃を受けた

💡 復旧時に「再発防止策」をセットで実施することが不可欠!


復旧計画(Recovery Plan)の作成手順

① 復旧の優先順位を決める

すべてのシステムを一度に復旧するのは困難なため、業務への影響度を基準に、優先順位を決めることが重要です。

🚀 優先順位の決定方法(Business Impact Analysis, BIA)

  • 最優先(クリティカル):業務停止に直結するシステム(例:顧客管理システム、決済システム)
  • 重要:早急に復旧が必要なシステム(例:社内メール、在庫管理システム)
  • 通常:時間がかかっても問題ないシステム(例:社内ポータル、データ分析ツール)

優先順位の例

復旧優先度 対象システム 復旧目標時間(RTO)
最優先 顧客管理システム、決済システム 4時間以内
重要 メールシステム、在庫管理 24時間以内
通常 社内ポータル、データ分析 48時間以内

💡 影響の大きいシステムを最優先で復旧することで、ビジネスへのダメージを最小限に抑える!


② バックアップと復旧手順を確認する

バックアップがなければ復旧は不可能です。定期的にバックアップの状況を確認し、「どのデータがどこに保存されているのか」を把握しておくことが重要です。

バックアップのルール

  • 3-2-1ルールを適用する(3つのコピーを2種類のメディアに保存し、1つはオフサイトに保管)
  • バックアップの整合性を定期的にテストする(復旧可能かを確認)
  • クラウドバックアップの活用(物理的な障害の影響を受けにくい)

🚀 バックアップ管理のチェックリスト

✅ 重要データは定期的にバックアップされているか?
✅ バックアップデータは安全な場所(クラウド・オフライン)に保存されているか?
✅ 復旧手順は明確で、担当者が理解しているか?

💡 事前に復旧テストを実施し、「本当に復元できるか」を確認しておくことが重要!


③ 復旧のための指示系統と役割分担を明確にする

復旧作業をスムーズに進めるためには、誰が何を担当するのかを明確にしておくことが重要です。

復旧チームの役割

役職 担当者の例 役割
復旧責任者 CISO・IT部門責任者 復旧作業全体の指揮
インフラ担当 ネットワーク管理者 サーバー・クラウド環境の復旧
アプリ担当 システムエンジニア ソフトウェア・データベースの復旧
セキュリティ担当 SOC(セキュリティオペレーションセンター) 再発防止策の実施

💡 事前に役割を決めておけば、復旧作業が混乱せずスムーズに進む!


まとめ

復旧計画を策定し、業務停止を最小限に抑える
優先度の高いシステムを特定し、迅速に復旧できるよう準備する
バックアップを定期的にテストし、確実に復元できるようにする
復旧時にセキュリティ対策も強化し、再発防止を徹底する

Best regards, (^^ゞ