Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

8-2:外部との連携

Hello there, ('ω')ノ

サイバー攻撃を受けた後の復旧プロセスでは、社内の対応だけでなく、取引先や顧客などの外部関係者との適切な連携が不可欠です。特に、データ漏洩やシステム停止が発生した場合、情報共有が遅れると、企業の信頼を損ない、さらなる損害を招く可能性があります。

NISTサイバーセキュリティフレームワーク(NIST CSF)の「復旧(Recover)」機能では、ステークホルダー(取引先・顧客・規制当局など)との効果的なコミュニケーションを確立し、復旧を円滑に進めることが求められています。


なぜ外部との連携が重要なのか?

1. 信頼を維持し、損害を最小限に抑えるため

攻撃を受けた事実を隠すと、後で発覚した際に企業の信用が大きく低下する
正確で迅速な情報提供を行うことで、取引先や顧客の不安を最小限に抑えられる

🚨 事例:情報開示の遅れで顧客の信用を失ったケース
ある企業では、顧客データが流出したにも関わらず、1か月以上公表を遅らせた。結果として、メディアによるリーク報道で発覚し、「隠蔽しようとした」と批判され、株価の急落や顧客離れが発生した。

💡 適切なタイミングで情報を開示し、誠実な対応を示すことが重要!


2. 取引先との関係を守り、ビジネスの継続性を確保するため

サプライチェーンが影響を受ける場合、早急に情報を共有し、対応策を協議する必要がある
連携先企業が同様の攻撃を受けるリスクを抑えるため、注意喚起を行う

🚨 事例:サプライチェーン攻撃で取引先が被害を受けたケース
ある企業がサイバー攻撃を受けた後、取引先に連絡せずに対応を進めた結果、取引先も同じ攻撃者のターゲットになり、連鎖的に被害が拡大。後に、取引先から「事前に警告してくれていれば防げた」と指摘され、ビジネス関係が悪化。

💡 取引先にもリスクを共有し、協力して対応策を講じることが重要!


3. 法規制への対応を適切に行い、罰則を回避するため

データ漏洩が発生した場合、規制当局への報告義務がある場合が多い(GDPR、個人情報保護法など)
報告が遅れると、罰則や訴訟リスクが発生する可能性がある

🚨 事例:規制当局への報告が遅れ、罰則を受けたケース
欧州の企業がGDPR(EU一般データ保護規則)に違反し、72時間以内にデータ漏洩を報告しなかったため、数百万ユーロの罰金を科された

💡 各国の法規制を理解し、適切な報告体制を整えておくことが重要!


外部関係者との連携方法

① 顧客への対応

顧客の信頼を守るためには、透明性のある情報提供が不可欠です。

顧客対応のポイント

  • 被害の内容と影響範囲を正確に伝える(誤解を招かないよう慎重に)
  • 顧客が取るべき対応を明示する(パスワード変更、クレジットカードの利用確認など)
  • 今後の対応方針を伝え、安心感を与える

🚀 顧客向けの通知文テンプレート

「当社のシステムに対する不正アクセスが確認され、一部の顧客データが漏洩した可能性があります。現在、影響範囲を特定し、必要な対策を講じております。お客様には、パスワード変更をお願いするとともに、今後の追加対応について改めてご案内いたします。」

💡 顧客に対する誠実な対応が、信頼回復の鍵となる!


② 取引先との連携

取引先が影響を受ける可能性がある場合は、迅速に情報を共有し、協力して対策を講じる必要があります。

取引先への対応のポイント

  • どのような被害が発生し、取引先にどのような影響があるかを明確に伝える
  • サプライチェーンへの影響を最小限に抑えるための対応策を協議する
  • 攻撃の手口を共有し、取引先が同様の攻撃を受けないよう注意喚起を行う

🚀 取引先向けの通知文テンプレート

「当社は現在、サイバー攻撃によるシステム障害を経験しております。貴社との取引に影響が出る可能性があるため、最新情報を共有させていただきます。また、攻撃者がサプライチェーンを狙っている可能性があるため、貴社のシステムに対する警戒を強化することを推奨します。」

💡 取引先との信頼関係を維持するために、迅速な情報共有が不可欠!


③ 規制当局への報告

各国の法規制に従い、定められた期間内に報告する
報告内容には、攻撃の詳細・影響範囲・対応策を明記

🚀 主な規制と報告期限

規制 対象 報告期限
GDPR(EU一般データ保護規則) 個人データ漏洩 72時間以内
日本の個人情報保護法 個人情報漏洩 速やかに報告
米国CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法) 消費者データ漏洩 45日以内

💡 事前に報告基準を確認し、必要な情報を迅速に提供できる準備を整えておく!


まとめ

サイバー攻撃後の復旧では、取引先や顧客との適切な情報共有が不可欠
迅速かつ正確な情報提供で、信頼を維持し、混乱を最小限に抑える
規制当局への報告義務を把握し、期限内に対応する
取引先と協力し、サプライチェーン全体のリスクを軽減する

Best regards, (^^ゞ