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t検定とは?
t検定(t-test) は、2つのグループの平均値に有意な差があるかを検定する統計手法です。標本のサイズが小さい場合でも信頼性のある結果を得るために使用されます。
t検定の種類
t検定には主に以下の3種類があります。
対応のないt検定(独立サンプルt検定)
- 目的: 2つの独立したグループの平均値に差があるかを調べる。
- 例: 「男性と女性の平均身長に差があるか?」
- 仮説
- 帰無仮説((H_0)): 2つのグループの平均は等しい
- 対立仮説((H_1)): 2つのグループの平均は異なる
対応のあるt検定(対応のあるサンプルt検定)
- 目的: 同じ対象の2つの条件下での平均値の差を調べる。
- 例: 「ダイエット前後の体重に差があるか?」
- 仮説
- 帰無仮説((H_0)): 施策前後で平均値に差はない
- 対立仮説((H_1)): 施策前後で平均値に差がある
1標本t検定(One-Sample t-test)
- 目的: ある標本の平均が既知の値と異なるかを調べる。
- 例: 「クラスの平均点が全国平均(75点)と異なるか?」
- 仮説
- 帰無仮説((H_0)): 標本平均は既知の値と等しい
- 対立仮説((H_1)): 標本平均は既知の値と異なる
t値の計算式
t値(tスコア)は以下の式で求められます。
独立サンプルt検定(2群比較)
[
t = \frac{\bar{X_1} - \bar{X_2}}{\sqrt{\frac{s_12}{n_1} + \frac{s_22}{n_2}}}
]
- ( \bar{X_1}, \bar{X_2} ) = 各グループの平均値
- ( s_12, s_22 ) = 各グループの分散
- ( n_1, n_2 ) = 各グループのサンプルサイズ
対応のあるt検定(同じ対象の前後比較)
[
t = \frac{\bar{D}}{s_D / \sqrt{n}}
]
- ( \bar{D} ) = 差分の平均値
- ( s_D ) = 差分の標準偏差
- ( n ) = サンプルサイズ
t検定の結果の解釈
p値を確認
- p < 0.05 → 有意差あり(帰無仮説を棄却、差があると判断)
- p ≥ 0.05 → 有意差なし(帰無仮説を棄却できない)
効果の大きさを考慮
- Cohen's dなどの指標で差の大きさを確認
t検定の使用条件
- データは正規分布に従う(標本が小さい場合は特に重要)
- 2つのグループの分散が等しい(等分散性が前提。ただし、Welchのt検定を使えば対応可能)
- 独立サンプルt検定では、2つのグループが独立していること
t検定の実例(Pythonを使用)
from scipy import stats # 2つの独立したグループのデータ group1 = [12, 15, 14, 10, 13, 14, 16, 12, 15] group2 = [18, 20, 22, 19, 21, 23, 17, 19, 20] # 独立サンプルt検定 t_stat, p_value = stats.ttest_ind(group1, group2) print(f"t値: {t_stat}, p値: {p_value}")
p値が0.05未満なら、2つのグループの平均に有意な差があると判断できます。
まとめ
- t検定は2つの平均値の差を検定する方法
- 独立サンプルt検定 → 2つの異なるグループを比較
- 対応のあるt検定 → 同じ対象の前後比較
- 1標本t検定 → 標本の平均と特定の値を比較
- p値 < 0.05なら有意差ありと判断
t検定はデータ分析の基本的な手法なので、理解しておくと統計解析に役立ちます!
Best regards, (^^ゞ