Hello there, ('ω')ノ
前回の記事では、仮説検定の基本的な仕組みをご紹介しました。 今回は、その仮説検定でとても重要な2つのキーワード:
- p値(p-value)
- 有意水準(α:アルファ)
✅ まずはおさらい:仮説検定の目的とは?
仮説検定とは…
「ある差が偶然か?それとも本物か?」を統計的に判断するための方法です。
そして、その判断材料になるのが p値と有意水準(α)です。
🔍 p値とは?
意味:
「帰無仮説(H₀)が正しいと仮定した場合に、今回のようなデータが偶然出てくる確率」のこと。
イメージ:
- p値が小さい → 「たまたまこうなるのは珍しい!=差が“本物”かも」
- p値が大きい → 「よくあること。=差が“偶然”の可能性大」
🧪 有意水準(α)とは?
意味:
「これ以下のp値なら“偶然ではない”とみなす基準値」のこと。 たいていは:
- α = 0.05(=5%) → 「100回に5回以下の確率なら、“偶然とは言えない”と判断しよう」という考え方です。
🎯 判断ルール:p値 vs 有意水準
比較結果 | 判断 | 結論 |
---|---|---|
p値 < α | 有意差あり | 帰無仮説を「棄却」=差があるとみなす |
p値 ≥ α | 有意差なし | 帰無仮説を「採択」=差は偶然の可能性あり |
📌 例:A/Bテストのクリック率比較
A案 | B案 |
---|---|
クリック率:5.1% | 5.6% |
- 仮説:AとBに差はない(帰無仮説)
- 検定結果:p値 = 0.03
- 有意水準:α = 0.05
→ 0.03 < 0.05 → 「差が有意にある」と判断! → 新しいB案を採用する根拠ができた、ということですね。
🧠 なぜ「p値」だけではダメで「α」が必要なのか?
- p値だけを見ると、「小さい」かどうかが曖昧です
- α(有意水準)という基準を設けることで、一貫した判断ルールができる
つまり:「どのくらいの確率なら“偶然じゃない”と信じるか」を自分で決めるためのルールです。
⚠️ p値と有意水準のよくある誤解
誤解 | 正しくは… |
---|---|
p値が小さいから「必ず差がある」 | あくまで「差があるとは言えそう」のレベル。100%の確信ではない |
p値が大きいから「差はない」 | 「差がないことが証明された」わけではなく、「差があるとは言いきれない」だけ |
αは絶対0.05にするもの? | 分野や目的によって変更OK(例:医療分野は0.01が多い) |
🛠 実務での使い方まとめ
シーン | p値 | α | 判断 |
---|---|---|---|
商品AとBの購入率比較 | 0.02 | 0.05 | A/Bに有意差あり、採用判断OK |
サイト変更前後の離脱率 | 0.07 | 0.05 | 差があるとは言えない(要データ増やす?) |
顧客満足度アンケート比較 | 0.0005 | 0.01 | 非常に有意(強い根拠)あり |
✅ まとめ:「“偶然ではない”を数値で判断」できるのがp値とα!
視点 | 内容 |
---|---|
p値とは | 帰無仮説が正しい場合に、こんなデータが出る確率 |
有意水準(α)とは | “偶然”とみなすかどうかの境界線(たいてい0.05) |
判断ルール | p値 < α → 「有意差あり」=帰無仮説を棄却 |
応用 | A/Bテスト、商品比較、アンケート分析など多方面で活躍! |
Best regards, (^^ゞ