Shikata Ga Nai

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第42回:p値と有意水準(α)を使った判断

Hello there, ('ω')ノ

前回の記事では、仮説検定の基本的な仕組みをご紹介しました。 今回は、その仮説検定でとても重要な2つのキーワード:

  • p値(p-value)
  • 有意水準(α:アルファ)

✅ まずはおさらい:仮説検定の目的とは?

仮説検定とは…

「ある差が偶然か?それとも本物か?」を統計的に判断するための方法です。

そして、その判断材料になるのが p値と有意水準(α)です。


🔍 p値とは?

意味:

「帰無仮説(H₀)が正しいと仮定した場合に、今回のようなデータが偶然出てくる確率」のこと。

イメージ:

  • p値が小さい → 「たまたまこうなるのは珍しい!=差が“本物”かも」
  • p値が大きい → 「よくあること。=差が“偶然”の可能性大」

🧪 有意水準(α)とは?

意味:

「これ以下のp値なら“偶然ではない”とみなす基準値」のこと。 たいていは:

  • α = 0.05(=5%) → 「100回に5回以下の確率なら、“偶然とは言えない”と判断しよう」という考え方です。

🎯 判断ルール:p値 vs 有意水準

比較結果 判断 結論
p値 < α 有意差あり 帰無仮説を「棄却」=差があるとみなす
p値 ≥ α 有意差なし 帰無仮説を「採択」=差は偶然の可能性あり

📌 例:A/Bテストのクリック率比較

A案 B案
クリック率:5.1% 5.6%
  • 仮説:AとBに差はない(帰無仮説)
  • 検定結果:p値 = 0.03
  • 有意水準:α = 0.05

0.03 < 0.05 → 「差が有意にある」と判断! → 新しいB案を採用する根拠ができた、ということですね。


🧠 なぜ「p値」だけではダメで「α」が必要なのか?

  • p値だけを見ると、「小さい」かどうかが曖昧です
  • α(有意水準)という基準を設けることで、一貫した判断ルールができる

つまり:「どのくらいの確率なら“偶然じゃない”と信じるか」を自分で決めるためのルールです。


⚠️ p値と有意水準のよくある誤解

誤解 正しくは…
p値が小さいから「必ず差がある」 あくまで「差があるとは言えそう」のレベル。100%の確信ではない
p値が大きいから「差はない」 「差がないことが証明された」わけではなく、「差があるとは言いきれない」だけ
αは絶対0.05にするもの? 分野や目的によって変更OK(例:医療分野は0.01が多い)

🛠 実務での使い方まとめ

シーン p値 α 判断
商品AとBの購入率比較 0.02 0.05 A/Bに有意差あり、採用判断OK
サイト変更前後の離脱率 0.07 0.05 差があるとは言えない(要データ増やす?)
顧客満足度アンケート比較 0.0005 0.01 非常に有意(強い根拠)あり

✅ まとめ:「“偶然ではない”を数値で判断」できるのがp値とα!

視点 内容
p値とは 帰無仮説が正しい場合に、こんなデータが出る確率
有意水準(α)とは “偶然”とみなすかどうかの境界線(たいてい0.05)
判断ルール p値 < α → 「有意差あり」=帰無仮説を棄却
応用 A/Bテスト、商品比較、アンケート分析など多方面で活躍!

Best regards, (^^ゞ