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帰無仮説(Null Hypothesis, \(H_0\))とは

Hello there, ('ω')ノ

帰無仮説((H_0))とは、「統計的な差や関係が存在しない」という仮定のことです。統計的仮説検定では、まずこの帰無仮説を立て、それを棄却することで対立仮説((H_1))が支持されるかどうかを判断します。


帰無仮説の特徴

  1. 「差がない」「効果がない」「関係がない」ことを主張する仮説
    • 例: 「薬Aと薬Bの効果に違いはない」
  2. 統計的検定では、まず帰無仮説が正しいと仮定する
    • 例: 「新しい施策の売上への影響はない」と仮定し、それが正しいかどうかをデータで検証する。
  3. 帰無仮説を棄却することで、対立仮説を支持する
    • p値が有意水準(通常0.05)より小さい場合、帰無仮説を棄却できる。

帰無仮説の具体例

検定の種類 帰無仮説((H_0)) 対立仮説((H_1))
平均値の比較(t検定) 2つのグループの平均は等しい 2つのグループの平均は異なる
相関の検定(ピアソンの相関係数) 2つの変数に相関はない 2つの変数に相関がある
カイ二乗検定(独立性の検定) 2つのカテゴリ変数は独立である 2つのカテゴリ変数は関連がある
回帰分析(線形回帰) ある説明変数の回帰係数は0である 説明変数の回帰係数は0ではない

帰無仮説の検証方法

  1. 統計検定を実施し、p値を求める

    • p値 < 0.05(有意水準)ならば、帰無仮説を棄却(差があると判断)
    • p値 ≥ 0.05ならば、帰無仮説を棄却できない(十分な証拠がない)
  2. 信頼区間を確認する

    • 例えば、平均の差の信頼区間が0を含む場合、帰無仮説を棄却できない。

帰無仮説の例(Pythonでの検定)

例1: t検定

from scipy import stats

# 2つのグループのデータ
group1 = [12, 15, 14, 10, 13, 14, 16, 12, 15]
group2 = [18, 20, 22, 19, 21, 23, 17, 19, 20]

# 独立サンプルt検定
t_stat, p_value = stats.ttest_ind(group1, group2)

# 帰無仮説: 2つのグループの平均は等しい
if p_value < 0.05:
    print("帰無仮説を棄却: 2つのグループの平均に有意な差がある")
else:
    print("帰無仮説を棄却できない: 2つのグループの平均に有意な差はない")

この結果により、「2つのグループの平均に差があるかどうか」を統計的に判断できます。


まとめ

  • 帰無仮説((H_0)) は「統計的な差や関係がない」という仮説
  • 統計的検定の目的は、帰無仮説を棄却すること
  • p値 < 0.05なら帰無仮説を棄却し、対立仮説を支持
  • 「帰無仮説を受け入れる」のではなく、「棄却できない」と判断する

帰無仮説の考え方を理解すると、統計的検定の意味がより明確になります!

Best regards, (^^ゞ