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帰無仮説((H_0))とは、「統計的な差や関係が存在しない」という仮定のことです。統計的仮説検定では、まずこの帰無仮説を立て、それを棄却することで対立仮説((H_1))が支持されるかどうかを判断します。
帰無仮説の特徴
- 「差がない」「効果がない」「関係がない」ことを主張する仮説
- 例: 「薬Aと薬Bの効果に違いはない」
- 統計的検定では、まず帰無仮説が正しいと仮定する
- 例: 「新しい施策の売上への影響はない」と仮定し、それが正しいかどうかをデータで検証する。
- 帰無仮説を棄却することで、対立仮説を支持する
- p値が有意水準(通常0.05)より小さい場合、帰無仮説を棄却できる。
帰無仮説の具体例
検定の種類 | 帰無仮説((H_0)) | 対立仮説((H_1)) |
---|---|---|
平均値の比較(t検定) | 2つのグループの平均は等しい | 2つのグループの平均は異なる |
相関の検定(ピアソンの相関係数) | 2つの変数に相関はない | 2つの変数に相関がある |
カイ二乗検定(独立性の検定) | 2つのカテゴリ変数は独立である | 2つのカテゴリ変数は関連がある |
回帰分析(線形回帰) | ある説明変数の回帰係数は0である | 説明変数の回帰係数は0ではない |
帰無仮説の検証方法
統計検定を実施し、p値を求める
- p値 < 0.05(有意水準)ならば、帰無仮説を棄却(差があると判断)
- p値 ≥ 0.05ならば、帰無仮説を棄却できない(十分な証拠がない)
信頼区間を確認する
- 例えば、平均の差の信頼区間が0を含む場合、帰無仮説を棄却できない。
帰無仮説の例(Pythonでの検定)
例1: t検定
from scipy import stats # 2つのグループのデータ group1 = [12, 15, 14, 10, 13, 14, 16, 12, 15] group2 = [18, 20, 22, 19, 21, 23, 17, 19, 20] # 独立サンプルt検定 t_stat, p_value = stats.ttest_ind(group1, group2) # 帰無仮説: 2つのグループの平均は等しい if p_value < 0.05: print("帰無仮説を棄却: 2つのグループの平均に有意な差がある") else: print("帰無仮説を棄却できない: 2つのグループの平均に有意な差はない")
この結果により、「2つのグループの平均に差があるかどうか」を統計的に判断できます。
まとめ
- 帰無仮説((H_0)) は「統計的な差や関係がない」という仮説
- 統計的検定の目的は、帰無仮説を棄却すること
- p値 < 0.05なら帰無仮説を棄却し、対立仮説を支持
- 「帰無仮説を受け入れる」のではなく、「棄却できない」と判断する
帰無仮説の考え方を理解すると、統計的検定の意味がより明確になります!
Best regards, (^^ゞ