Hell there, ('ω')ノ
APIはアプリケーション同士をつなぐ重要な役割を果たしますが、その設計や管理に問題があると、重大なセキュリティリスクを引き起こす可能性があります。
1. 認証 (AuthN) と認可 (AuthZ) の課題
認証 (Authentication) と認可 (Authorization) は、APIセキュリティで最も重要なトピックの一つです。この2つは異なる概念ですが、密接に関連しており、一方が欠けると意味をなさなくなります。外部ユーザだけでなく、内部システムやパートナーアプリケーションとのやり取りでも同じことが言えます。
1.1 API1:2023 – Broken Object Level AuthZ
OWASP APIセキュリティのTop 10では、以下の脆弱性が最も危険とされています:
Broken Object Level Authorization
オブジェクトへのアクセス制御が不適切な場合、機密データが意図せず漏洩する可能性があります。この問題を防ぐには、オブジェクトレベルでの厳密なアクセス制御を実装する必要があります。Broken AuthN
認証データの管理ミスや弱い認証メカニズムを使用すると、攻撃者に侵入の機会を与えてしまいます。
2. データ過剰公開 (Broken Object Property Level AuthZ)
APIが必要以上のデータを公開してしまう脆弱性です。特に、部分的にしかセキュリティコントロールが実装されていない場合に発生します。たとえば、クライアントが必要としていないデータが含まれているレスポンスは、攻撃者に悪用される可能性があります。
3. リソースの無制限な消費
入力データを正しく検証しないと、DoS(サービス拒否)攻撃のリスクが高まります。たとえば、APIが膨大な計算やストレージリソースを必要とするリクエストを受け入れると、以下のような問題が発生します:
クラウドコストの増加
パブリッククラウド上で動作するAPIは、新たなインスタンスやストレージを動的に割り当てる場合があり、コストが爆発的に増加します。スロットリング(帯域制限)の発動
クラウドプロバイダーや企業が設定した制限により、APIが一時的に停止する可能性があります。
4. Broken Function Level AuthZ
APIが複雑化すると、内部のロールや権限を適切に管理することが重要になります。この管理が不十分だと、以下の問題が発生します:
権限の誤操作
一部のユーザが本来の役割を超えた権限を意図せずまたは意図的に持つことがあります。ビジネスロジックの漏洩
APIが内部のビジネスフローを露呈することで、攻撃者がそのロジックを逆解析するリスクがあります。
5. サーバーサイドリクエストフォージェリ (SSRF)
APIが外部URIを受け入れる場合、以下のようなリスクがあります:
内部コマンドの実行
攻撃者がAPIを通じて内部システム情報(OSやライブラリのバージョンなど)を取得する可能性があります。システムの悪用
セキュリティが適切に構成されていないシステムでは、SSRFがAPIの脆弱性をさらに悪化させることがあります。
6. 古いバージョンのAPIの管理ミス
APIにはバージョンがありますが、古いバージョンが適切に管理されていないと以下のリスクが発生します:
廃止されたエンドポイントの利用
古いエンドポイントが攻撃者に悪用される可能性があります。忘れられたシステムの影響
非推奨のAPIや関連するシステムが残っていると、新しい脆弱性が生じることがあります。
7. 安全でないAPIの利用
APIは他のシステムやパートナーと統合されることがありますが、この統合が不十分だと攻撃者がサードパーティを経由して本来のターゲットを攻撃するリスクがあります。この問題は、以下のような「ゼロトラスト」モデルを導入することで軽減できます。
対策のポイント
認証と認可の強化
トークンや認証情報を適切に管理し、頻繁にローテーションする。入力データの検証
クライアントから送られてくるデータを厳密に検証し、不正なデータがシステムに影響を与えないようにする。脆弱性管理の徹底
古いAPIバージョンやシステムの状態を定期的に監視し、不必要なエンドポイントを廃止する。
まとめ
APIセキュリティは、アプリケーションの信頼性と安全性を確保するための重要な要素です。
Best regards, (^^ゞ