Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第9回:ADB(Android Debug Bridge)を使って端末と会話する

Hello there, ('ω')ノ

🤖 ADBってなに?

ADB(Android Debug Bridge)は、Android端末とパソコンをつないで、コマンドでいろいろ操作できるツールです。

たとえば:

  • アプリのインストール・アンインストール
  • スマホ内のファイルを確認・抽出
  • ログの取得(logcat)
  • 端末の状態チェック
  • シェルでのコマンド操作

これを使うことで、診断のためにスマホに「中を見せて」とお願いしたり、特定の動作を再現したりできるわけです。


🖥 ADBを使う準備(パソコン側)

✅ ADBのインストール方法(Windows/Linux/macOS共通)

  1. Android公式サイトから「platform-tools」をダウンロード  → https://developer.android.com/studio/releases/platform-tools
  2. 解凍して任意のフォルダに配置(例:C:\platform-tools
  3. ターミナルやコマンドプロンプトからそのディレクトリに移動
  4. adb version で動作確認!

🔌 実際にスマホとつなぐ

USBデバッグをONにしたAndroid端末をUSBでパソコンに接続して、次のコマンドを打ってみましょう。

adb devices

出力例:

List of devices attached  
0123456789ABCDEF    device

これが表示されれば、ADBが端末と“会話できる状態”です。


🧪 よく使うADBコマンド一覧

コマンド 説明
adb devices 接続されている端末を確認
adb install アプリ.apk アプリを端末にインストール
adb uninstall パッケージ名 アプリをアンインストール
adb shell 端末の中に入ってコマンド操作する
adb pull /path/to/file 端末からファイルをパソコンにコピー
adb logcat 実行中のログをリアルタイムで表示

🐚 ADB Shellモードでの操作

adb shell

と打つと、スマホの中に入ってコマンドが打てる「シェルモード」に移行します。 ここで使えるのは、Linuxの基本的なコマンドです。

例:

cd /data/data/
ls
getprop
id
  • cd:フォルダ移動
  • ls:中身を一覧表示
  • id:現在の権限(ユーザー)確認
  • getprop:端末の設定情報を見る

⚠ 通常の状態では、/data/data/ の中はアクセス制限されていることが多く、root化されていないと見られないアプリもあります


🕵️‍♀️ 診断に使える!便利な活用例

1. アプリのパッケージ名を調べる

adb shell pm list packages

→ インストールされているアプリ一覧が出ます。

2. 対象アプリのファイルをコピー

adb pull /data/data/com.example.app/databases/sample.db ./sample.db

→ アプリの中にあるSQLiteのデータベースファイルをパソコンにコピー (root権限が必要な場合も)

3. アプリのログを観察

adb logcat

→ アプリが表示・動作したときのログを確認でき、機密情報が出力されていないかチェックできます。


✅ まとめ

  • ADBは、Android端末を操作するための“遠隔リモコン”のようなツール
  • コマンドでアプリのインストール、ログ確認、ファイル操作が可能
  • シェルモードでは、より詳細な内部状態を調査できる
  • 診断では、ログの中にパスワードやトークンが出ていないかなどを確認するのが重要

Best regards, (^^ゞ