Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

特定の攻撃グループやキャンペーンの監視についてまとめてみた

Hello there, ('ω')ノ

高度持続的脅威(APT)攻撃グループやキャンペーンの監視は、特定の攻撃者の動向や戦術を把握し、事前に対策を講じるために重要です。

APT攻撃グループやキャンペーンの監視方法

1. 脅威インテリジェンスの収集と分析

概要: 脅威インテリジェンス(Threat Intelligence)を活用し、APT攻撃グループの活動や使用する戦術、技術、手順(TTPs)についての情報を収集します。

ツール:

  • 脅威インテリジェンスプラットフォーム: Recorded Future, ThreatConnect, Mandiant Threat Intelligenceなど。
  • オープンソースインテリジェンス(OSINT)ツール: Maltego, Shodan, VirusTotalなど。

具体例:

  1. Mandiant Threat Intelligenceの利用:

    • Mandiantの脅威インテリジェンスプラットフォームで、特定のAPTグループのレポートを参照し、最新の活動状況を把握。
    • 例: APT28(Fancy Bear)の最新の攻撃手法やターゲット情報を入手。
  2. VirusTotalの利用:

    • 疑わしいファイルやURLをVirusTotalでスキャンし、関連するAPTグループに関する情報を収集。
    • 例: 新たなマルウェアサンプルがAPT29(Cozy Bear)に関連していることを確認。

2. ネットワークおよびホストベースの監視

概要: ネットワークトラフィックやホストの挙動を監視し、APTグループの活動を検出します。

ツール:

  • ネットワーク監視ツール: Zeek (formerly Bro), Suricata, Wiresharkなど。
  • ホストベースの監視ツール: Sysmon, OSSEC, CrowdStrike Falconなど。

具体例:

  1. Zeekの利用:

    • Zeekを使用してネットワークトラフィックを監視し、APTグループ特有の通信パターンを検出。
    • 例: 特定のC2サーバーへの通信を検出し、APT10(Stone Panda)による攻撃の兆候を発見。
  2. Sysmonの利用:

    • Sysmonを導入してホスト上のプロセス作成やネットワーク接続の詳細なログを取得し、APTグループの活動を特定。
    • 例: 特定のレジストリ変更やプロセス作成パターンを検出し、APT3(Gothic Panda)の活動を識別。

3. YARAルールによるマルウェア検出

概要: YARAルールを使用して、APTグループが使用する特定のマルウェアやツールを識別します。

ツール:

  • YARA: マルウェア検出のためのパターンマッチングツール。

具体例:

  1. YARAルールの作成:

    • 特定のAPTグループが使用するマルウェアの特徴に基づいてYARAルールを作成。
    • 例: APT32(OceanLotus)が使用するマルウェアに特有の文字列やバイナリパターンをYARAルールに組み込む。
  2. YARAスキャンの実行:

    • エンドポイントやネットワーク上のファイルをYARAルールでスキャンし、APTグループのマルウェアを検出。
    • 例: YARAスキャンによってAPT37(Reaper)が使用するマルウェアサンプルを検出。

4. インシデントレスポンスとフォレンジック分析

概要: インシデントレスポンスとフォレンジック分析を実施し、APT攻撃の詳細な活動を解明します。

ツール:

  • フォレンジックツール: EnCase, FTK, Volatilityなど。
  • インシデントレスポンスプラットフォーム: TheHive, MISP(Malware Information Sharing Platform)など。

具体例:

  1. EnCaseの利用:

    • EnCaseを使用して、APT攻撃の発生したシステムのディスクイメージを取得し、詳細なフォレンジック分析を実施。
    • 例: APT34(OilRig)の活動に関連するアーティファクトを特定。
  2. TheHiveの利用:

    • TheHiveプラットフォームを使用してインシデントを管理し、APT攻撃の証拠を収集・分析。
    • 例: APT41(Winnti Group)の攻撃に関連するログや通信履歴を集約し、分析結果を共有。

具体例のまとめ

例: APT攻撃グループの監視

  1. 脅威インテリジェンスの収集と分析:

    • Mandiant Threat IntelligenceでAPT28の最新の攻撃手法を把握。
    • VirusTotalで新たなマルウェアサンプルがAPT29に関連していることを確認。
  2. ネットワークおよびホストベースの監視:

    • ZeekでAPT10特有の通信パターンを検出。
    • SysmonでAPT3の活動を特定。
  3. YARAルールによるマルウェア検出:

    • APT32のマルウェア特徴に基づいてYARAルールを作成。
    • YARAスキャンでAPT37のマルウェアを検出。
  4. インシデントレスポンスとフォレンジック分析:

    • EnCaseでAPT34の活動に関連するアーティファクトを特定。
    • TheHiveでAPT41の攻撃に関連する証拠を収集・分析。

まとめ

APT攻撃グループやキャンペーンの監視には、脅威インテリジェンスの収集と分析、ネットワークおよびホストベースの監視、YARAルールによるマルウェア検出、インシデントレスポンスとフォレンジック分析が重要です。これらの手法とツールを活用して、特定のAPTグループやキャンペーンの活動を継続的に監視し、迅速かつ効果的に対応することで、セキュリティ体制を強化できます。具体例を参考にして、実践的な監視対策を導入してください。

Best regards, (^^ゞ