Hello there, ('ω')ノ
✅ MDMとは?ざっくり整理
MDM(モバイルデバイス管理)とは
企業が配布するスマートフォンやタブレットを一元的に管理するための仕組みで、主に以下の制御が可能です:
項目 | 内容 |
---|---|
アプリ配信制御 | 指定されたアプリ以外インストール禁止 |
USBデバッグ無効化 | 開発者モードやADB接続をロック |
ネットワーク制限 | 特定のWi-FiやVPNしか利用不可 |
クリップボード制御 | コピー&ペーストを制限 |
画面録画・スクショ禁止 | 操作ログや画面情報を保護 |
リモートワイプ | 紛失時の遠隔初期化機能 |
⚠️ 診断時によくある“詰まりポイント”
1. USBデバッグが使えない
- ADBが無効化されていると、診断ツール(
adb
,drozer
,Frida
,Burp
など)が端末と通信できません。
2. アプリのインストール制限
- 独自のテスト用アプリや改造版APK(再署名済み)をインストールできない設定になっている。
3. ネットワーク通信が遮断される
- Wi-Fiプロキシを強制する設定や、VPN経由以外の通信を遮断する制限により、Burp Suiteなどのプロキシ診断が機能しないケースも。
🧪 診断を行う3つのパターンとその考え方
パターン | 推奨度 | 説明 |
---|---|---|
① MDM適用外のテスト端末で実施 | ◎ | 最も柔軟。制限なしに全手法を試せる |
② MDMの“一部制限のみ”有効な端末 | ○ | プロキシやUSBデバッグだけ開放した設定 |
③ 本番と同一のMDM制限下で診断 | △ | 実環境の動作再現には有効。ただし制限多い |
※理想は「①+③の組み合わせ」:制限なしで脆弱性を洗い出し → 制限下で再現・確認する二段構え。
✅ 実施前のチェックリスト
- [ ] MDMポリシーを確認し、開発者モードの可否を把握
- [ ] ADBの有効化・証明書のインストールができるか確認
- [ ] Wi-FiやVPNでBurp Suiteなどのプロキシが通るかチェック
- [ ] テスト用APKの導入許可があるか?(再署名対応済みか?)
- [ ] 社内セキュリティチームとの連携は取れているか?
✅ MDM環境下で使える診断テクニック(制限付きでも可能な方法)
技術 | 説明 |
---|---|
MobSF | APK単体での静的解析なら、端末不要でOK |
Frida(Remote Inject) | Frida Serverを別端末から実行可能なら診断可能 |
Burp Suite(VPNプロファイル経由) | CA証明書がインストールできるMDMならMITM解析が可能 |
Runtime Hooking(Frida, Xposed) | 制限を受けにくい環境なら有効(ただし注意) |
🧭 現場での進め方:診断とMDMの“共存”方法
MDM管理者と事前に調整する
- MDM管理側が“診断目的の例外設定”を用意してくれることもあります。
制限付き診断で見つからなかった項目を補完
- 例えば、「外部ストレージへの書き込み禁止」により、一見問題がないように見えてしまう場合もあるため、制限のない環境での検証結果を併用。
MDMによる防御に頼りすぎない
- MDMが防いでくれている脆弱性も、BYOD端末や未管理端末では成立するリスクがあるため、アプリ単体での安全性も必ずチェック。
✅ まとめ
- MDM環境では「診断ツールが使えない」「プロキシ通信ができない」といった制約が多い
- 完全な診断を行うには、制限のないテスト端末が不可欠
- ただし、MDMの実環境に近い端末での再現テストも同様に重要
- 診断対象がMDM配布アプリである場合は、管理ポリシーを把握した上で診断戦略を立てることが鍵
Best regards, (^^ゞ