Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第19回:チャットボットの裏側で何が起きているか?

Hello there, ('ω')ノ

「最近のチャットボットって、やたら自然に返してくるな…」 「まるで人と話してるみたいだけど、裏ではどう動いてるの?」

こう思ったことはありませんか? 実は、チャットボットの裏側では、複数の処理が瞬時に組み合わされて動いています。


🧠 チャットボットの中で起きていること(全体像)

  1. 📝 ユーザーの発言を受け取る
  2. 🔍 発言の意味を理解する(意図解析)
  3. 🧭 適切な対応方針を選ぶ(判断)
  4. 📦 必要なら情報を取り出す(検索 or ツール連携)
  5. 💬 回答を作成し返す(生成 or ルール)

これらが1〜2秒以内に自動で処理されるのです。


🔍 ステップ1:ユーザー発言の意味を理解する(意図解析)

チャットボットは、まず「これは何の話なのか?」を理解しようとします。 これを **「インテント認識」**と呼びます。

入力 推定される意図(インテント)
「予約を変更したい」 予約変更リクエスト
「今日の天気は?」 天気情報取得
「最近の売上教えて」 業務データ照会

同時に、「何に関する話か?」(エンティティ抽出)も行います。 例:「5月5日の予約」→ 日付=5月5日、対象=予約


🧭 ステップ2:何をすべきか判断する(対話管理)

チャットボットは会話の流れを見ながら、 「次にどうするのが適切か?」を決めます。

これは **「対話状態の管理」**や **「状態遷移」**と呼ばれる処理です。

📘 例:ホテル予約ボットの対話フロー

① 日付を聞く →  
② 人数を聞く →  
③ 予算を聞く →  
④ 候補提示 →  
⑤ 予約実行

このような流れを把握して、今のステップを把握します。


📦 ステップ3:必要な情報を取得する

ここで、チャットボットは外部の情報源にアクセスすることもあります。

処理 連携先
データ検索 FAQデータベース、ナレッジベース、Web検索
業務操作 API(カレンダー、CRM、予約システムなど)
ツール呼び出し ChatGPT、天気API、為替レート取得など

このとき、生成AI+ツール連携型ボットであれば、より柔軟な応答が可能になります。


💬 ステップ4:回答を生成・編集する

最後に、チャットボットはユーザーに返す回答を作ります。

方式は2つ:

種類 特徴
ルールベース あらかじめ用意された文章を組み合わせ 「ご予約を確認しました」など
生成AI型 文脈に応じて文章を自動生成 「5月5日の予約ですね。確認します。」など

最近のチャットボットでは、ルール+生成AIのハイブリッド構成が主流になっています。


🧠 全体のフロー図(テキスト版)

[ ユーザー入力 ]
      ↓
① 意図とキーワードを理解(インテント/エンティティ抽出)
      ↓
② 対話状態を確認(今どの段階か)
      ↓
③ 必要なら情報を取得(API/DB検索など)
      ↓
④ 応答を生成(生成AI or ルール)
      ↓
[ 回答を返す ]

🤖 実は「エージェント化」が進んでいる

最近のチャットボットは、単なる会話ツールではなく、

  • 状況を把握し
  • 適切な手順を考え
  • 外部サービスを使って実行し
  • 結果を報告する

──という、エージェント型AIに近い能力を備えつつあります。

例:「この予約、カレンダーに入れておいて」 → カレンダーAPIに自動で登録 → 結果を確認 → 「登録しました」と返答

こうした機能は、まさに「考えて行動するAI」に進化しつつある証拠です。


✍️ まとめ

  • チャットボットは「受け取る→理解する→判断する→調べる→返す」という処理を1〜2秒で実行している
  • 意図解析、状態管理、外部連携、回答生成など複数の技術が組み合わさっている
  • 生成AIの登場で、チャットボットは“より自然に、より柔軟に”進化中
  • 今後は「チャットするAI」から「動けるエージェント」への進化が加速する

Best regards, (^^ゞ