Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第17回|RNN・LSTM:時系列や文章に強いAIたち

Hello there, ('ω')ノ

🔷 RNN・LSTMはどんなAI?

簡単に言えば、

「今までの流れを踏まえて、次の判断をする」AIのしくみです。

通常のAI(MLPやCNNなど)は、「1枚の画像」や「1つの文章」など“静的なデータ”を扱うのが得意です。 しかし、時間の流れや順番が大事なデータに対しては、RNNやLSTMの出番です。


📈 「時系列データ」に強いとは?

たとえば、以下のようなデータは“順番”が重要です。

データの例 順番の意味
日ごとの売上データ 前の日の影響があるかも?
心電図やセンサーデータ 直前の変化が重要
会話やチャットのやり取り 前の発言をふまえて返す必要あり
小説・メール・記事などの文章 文脈がつながっている必要あり

📌 こうしたデータには、「今だけでなく、“これまで”も見る力」が求められます。 RNNやLSTMは、そのために開発されたAIの構造です。


🔁 RNNとは?:過去の情報を“記憶する”仕組み

RNN(Recurrent Neural Network)=再帰型ニューラルネットワーク

これは、時間ごとに情報を1つずつ処理しながら、“過去の出力”を次に渡していく”構造です。

✔️ 今回の入力 + 前回の状態 → 今回の出力

これにより、RNNは「流れのあるデータの意味」を理解することができるのです。


📦 たとえば:予測変換アプリのしくみ

  • 入力:「今日はとても」
  • RNNは「今までの単語の流れ」を記憶しながら、
  • 「いい天気ですね」など“自然な続きを予測”してくれる!

⚠️ でもRNNには欠点も…

RNNは便利ですが、昔の情報がすぐに忘れられてしまうという問題があります。

⏳「最近のことは覚えてるけど、ちょっと前の内容は忘れちゃった…」

このように、「長い文章」「長期間のデータ」になると性能が落ちやすいのです。


🧠 そこで登場:LSTM(Long Short-Term Memory)

LSTMは、RNNの弱点を克服した記憶力の強いRNNの改良版です。

特徴は:

  • 必要な情報を覚える/忘れるをAI自身が選べる
  • 長い文章でも文脈を保ちながら処理できる
  • 音声、翻訳、文章生成などで大活躍!

📌 名前のとおり、「短期記憶と長期記憶をうまく切り替えられるAI」なんですね。


🔍 RNN・LSTMが活躍するシーン

分野 活用例
チャットボット 会話の流れを記憶して自然な応答を生成する
自動翻訳 単語の順番や文脈を理解しながら、より正確な翻訳を行う
予測変換 入力された文字列に対して、文脈に合った候補を提示する
センサー分析 時系列の温度・振動などの異常検知
株価や需要予測 過去の数値の傾向を踏まえて、将来の数値を予測する

✍️ ChatGPTもLSTMだった?

実は、ChatGPTの前身となるモデル(GPT-1以前)にも、 RNNやLSTM的な考え方が使われていました。

ただし現在は「Transformer」というさらに進化した仕組みが使われています。 これは次回以降でご紹介予定です!


✅ まとめ:RNN・LSTMは“流れを読めるAI”

✅ RNNは「今のデータ+過去の状態」で判断できるAI構造

✅ 文章や時系列データなど、“順番”が大事なデータに強い

✅ LSTMは、RNNの記憶力不足を補った改良版

✅ 翻訳・チャット・予測・異常検知など、幅広い分野で活躍中!

Best regards, (^^ゞ