Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第73回:調査レポートの作り方(社内向け)

Hello there, ('ω')ノ

〜“技術者でなくても読める”わかりやすさが鍵〜


🧠 調査の価値は「伝え方」で決まる

OSINT(オープンソースインテリジェンス)で得られた情報は、 どれだけ精度が高くても「伝わらなければ価値がない」といっても過言ではありません。

特に社内報告では、非専門家でも理解できる言葉・構成・見せ方が重要です。

📌 今回は、社内向けのOSINT調査レポートをどう作成するか、実例形式で解説します。


🧩 社内向け調査レポートの基本構成


✅ 1. タイトル・概要(5W1H)

  • 「何を、なぜ、いつ、どこで、誰に対して、どのように」調査したか
  • 例)「SNS上のなりすましアカウントに関する初動調査報告(2025年5月 実施)」

✅ 2. 調査の背景と目的

  • 発生した事象、または調査の依頼理由を簡潔に記述
  • 例)「X(旧Twitter)上で弊社名を名乗る第三者アカウントが見つかった」

✅ 3. 調査方法と使用ツール

  • 実施した手順、使ったツール、検索条件などを具体的に記録
  • 例)「theHarvesterでメール関連情報を収集」「Google画像検索でプロフィール写真を照合」

✅ 4. 調査結果(要約+詳細)

要約(箇条書き)

  • 調査対象のアカウントは少なくとも3件存在
  • 全て共通のメールアドレスを使用
  • 投稿内容からブランドなりすましの意図が疑われる

詳細(スクリーンショットや表)

アカウント名 投稿傾向 メール情報 作成日 備考
@FakeBrand01 弊社製品の誤情報 brandinfo@sample.com 2025/5/20 誘導URLあり

✅ 5. 分析と考察(リスク判断)

  • 情報の信頼度、被害可能性、今後の予測などを簡潔に分析
  • 例)「投稿の拡散は限定的だが、画像加工により誤認リスク高」

✅ 6. 推奨アクションと対応案

優先度 推奨対応 担当部門 対応期限
X社へ通報し削除申請 広報部 即日
今後の投稿を継続監視 情報システム部 今週中
社内共有と注意喚起 総務 翌週までに

✅ 7. 添付資料

  • 調査ログ(検索ワード・取得日時)、画像、URL、ツール出力など
  • 不要な個人情報は必ずマスキング処理を行う

🛠 書くときのポイント

ポイント 説明
専門用語は避ける 「ドメイン=Webサイトの住所」など、簡単な言い換えを
時系列で整理する 調査プロセスを追いやすくする
事実と仮説を分ける 「確認済み情報」と「推測」を明示
見た目も工夫する 図表・色分け・箇条書きで視認性アップ

✅ まとめ:伝えることで、調査は“組織の力”になる

  • OSINTは情報を行動に変える報告で完結する
  • 調査レポートは「専門家が読むもの」から「誰でも判断できる道具」へ
  • 繰り返しの報告で、社内の情報活用文化を育てることができます

Best reagards, (^^ゞ