Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第59回:複雑なタスクをどう分割・実行させるか?

Hello there, ('ω')ノ

~AIに「一歩ずつ考えさせて、着実に仕事させる」ための技術~

AIに「このレポートを作って」と頼んだとき、 実際には「情報収集」「要点整理」「文章化」「フォーマット整形」…と、複数のステップが必要ですよね。

こうした“複雑な指示”にAIが正しく対応するには、タスクを分割して、順に実行させる設計が重要になります。


🧩 タスク分割(Decomposition)とは?

✅ 一言で言えば:

大きな問題を、小さなステップに分けること

このプロセスによって、AIは“迷わず”、“漏れなく”タスクを処理できるようになります。


📚 実例:研修資料を作成させる場合

「新入社員向けのセキュリティ研修資料を作って」

AIはまずこの指示を以下のように分割します:

  1. 対象読者の前提知識を確認(新入社員)
  2. 必要なトピックを抽出(パスワード管理、情報漏えい対策など)
  3. 各トピックごとのポイント整理
  4. スライド構成(タイトル・本文)を作成
  5. デザイン・書式の体裁調整

このような「段階的なToDoリストの生成と実行」が可能になるのが、タスク分割の設計効果です。


🛠 AIにタスクを分割させる方法

プロンプト例(日本語):

次のタスクを達成するために、必要な手順を5つ程度に分けて提示してください。  
その後、1ステップずつ順に実行してください。

タスク:月次報告用の売上推移グラフを作成する

➡ AIはまずステップを自動生成し、そのあと順に取り組むスタイルになります。


🔄 ステップ分割 → 実行の流れ

  1. ステップをリスト化
  2. ステップ1を実行(例:データ収集)
  3. 実行結果を保持 or 引き継ぎ
  4. ステップ2以降も順に繰り返す
  5. 最終アウトプットをまとめて提出

このように、ステップ化+順次実行を行うことで、AIはタスクを“忘れず・間違えず”こなせるようになります。


📦 タスク分割の種類

種類 内容 活用例
時系列分割 「順番に進める」 業務フロー、申請手続きなど
意味構造分割 「内容別に分ける」 マニュアル作成、FAQ分類など
ロール分割 「役割別に整理」 営業視点/経理視点/法務視点など
ツール機能分割 「使用ツール別に」 カレンダー登録/表計算/レポート化

💡 よくある設計ミスと対策

ミス 対策
分割の粒度が大きすぎる 「2〜5ステップ」で分割するように促す
実行順序が曖昧 ステップ番号+「次に○○してください」と明示
出力がステップをまたぐ 各ステップの完了タイミングで確認・停止を設計に含める

💼 実務への応用シーン

シーン 活用内容
定型レポート作成 データ取得 → 分析 → 表・グラフ生成 → 報告文作成
顧客対応マニュアル 想定質問を洗い出し → 答え方を設計 → 表現を整える
採用ページ作成 求人要件 → 応募条件 → 勤務内容 → 文章化
イベント準備 日程調整 → 議事録準備 →出欠確認 →当日資料作成

✅ まとめ:AIに「仕事を任せる」には“段取り”が鍵

  • 複雑なタスクは分解→順次処理で精度・効率が大きく向上
  • タスク分割はAI自身にやらせてもOK(プロンプトで誘導)
  • 実行と連携(API・ツール)を組み合わせれば、半自動業務ロボットの完成
  • 忘れず・漏らさず・繰り返せるAI設計は、業務現場において非常に実用的です

Best regards, (^^ゞ