Hello there, ('ω')ノ
~「考えるAI」に変えるプロンプト設計の技術~
AIに質問をしたとき、「なんだか急いで答えている」「答えは合ってるけど、根拠がわからない」 そんな印象を受けたことはないでしょうか?
そんなときに役立つのが、AIに“考えさせるプロンプト”を設計する Chain of Thought(CoT:思考の連鎖)という手法です。
🧠 Chain of Thought(思考連鎖)とは?
✅ 一言で言うと:
AIに「答えを出す前に、手順を一つずつ考えさせる」プロンプト設計
人間も、計算問題や論理パズルを解くとき、 頭の中で「まずこれを確認して、次にこれを計算して…」という順序で考えますよね? AIにもこの“段階的な思考プロセス”を促すのがChain of Thoughtです。
🔍 例で見る:普通のプロンプト vs Chain of Thought
普通のプロンプト
Q: ある会議は15時から始まり、90分続きました。終了時刻は? A: 16時30分
➡ 正解ですが、**途中の計算は省略されていて「どう導いたか」が見えません。
Chain of Thought を使うプロンプト
Q: ある会議は15時から始まり、90分続きました。終了時刻は? A: 会議は15時に開始します。90分は1時間30分なので、 15時に1時間30分を足すと、16時30分になります。したがって、終了時刻は16時30分です。
➡ 手順を踏んで説明することで、信頼性や理解度が上がるのがポイントです。
💼 なぜ業務で効果的なのか?
効果 | 内容 |
---|---|
✅ 出力の透明性向上 | 根拠やステップが見えることで安心感が増す |
✅ 複雑な質問への対応力UP | 分解して考えることで誤答が減る |
✅ 再確認やレビューがしやすい | ロジックが明確なので、人による検証が可能 |
✅ トレース可能性の向上 | 「なぜこの答え?」を後から説明できる |
🛠 実務での活用シーン
業務場面 | CoTの活用例 |
---|---|
社内ルールの判断 | 手順や条件を段階的に説明させる(例:残業申請の可否) |
トラブル対応マニュアル | 原因特定 → 状況確認 → 対応策 を順に出力 |
数字を含む問い合わせ | 「計算根拠付き」で答えることで誤解を防ぐ |
法務・契約チェック | 条件をひとつずつ精査する形式で確認を促す |
✍️ プロンプト設計のコツ
工夫 | 内容 |
---|---|
「ステップバイステップで考えてください」 | 代表的なフレーズ(※英語では "Let's think step by step.") |
「まず〜、次に〜」と誘導する | 手順を自然に分解できるように促す |
Few-shotと組み合わせて例を見せる | 具体的なCoT例をいくつか提示すると精度が安定 |
💡 注意点と限界
課題 | 補足 |
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出力が長くなりやすい | 要約モードやハイライト付き出力と組み合わせると◎ |
単純な質問では逆効果も | CoTは複雑なタスクや判断に向いている |
ステップがずれると逆に混乱 | ロジック確認はレビューやテストで補完 |
✅ まとめ:「答え」より「考え方」を出力させるAIへ
- Chain of Thought(CoT)は、AIに“考えるように誘導”するプロンプト設計
- 複雑な判断・計算・説明に向いており、透明性と信頼性がアップ
- 業務では、マニュアル生成・判断補助・手順説明などで効果的
- 導入はシンプル:「ステップを踏んで説明してください」と伝えるだけでもOK!
Best regards, (^^ゞ