Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第48回:サイバー事件の初動対応に活かす

Hello there, ('ω')ノ

〜“何が起きたのか”を最速で見抜くOSINT活用術〜


🧠 初動対応の成否が、被害の大きさを左右する

サイバー攻撃や情報漏洩が発生した際、最初の24〜72時間で何をするかが、 その後の被害拡大・法的リスク・ブランド損失を大きく左右します。

OSINT(オープンソースインテリジェンス)は、初動で必要な「事実確認」と「周辺状況の把握」に非常に役立ちます。


🔍 OSINTができる「初動対応」のサポート


✅ 1. インシデントの影響範囲を外部から把握

  • 漏洩したファイルやメールがダークウェブにアップされていないか確認
  • 事件に関するSNS上の言及・リーク情報を早期にキャッチ
  • 被害が他社や同業界に波及していないかを調べる

✅ 2. 攻撃者の手口・使用ツールの逆引き

  • 侵入経路に似た攻撃事例やTTP(戦術・技術・手順)をOSINTで検索
  • 使用されたIPアドレスやドメインをVirusTotal、AbuseIPDB、Shodanなどで分析 → 攻撃グループの特定や類似事例の抽出に貢献

✅ 3. SNSと掲示板の炎上・情報拡散監視

  • Twitter/X、Reddit、5chなどで社名・サービス名が出ていないか監視 → 「いつ」「どのように」外部に情報が出たか、初動対応の判断材料に

✅ 4. なりすまし・二次攻撃の監視

  • 事件直後に偽のサポートサイト・偽アカウントが出現することが多い → URLscan.io、crt.sh、DNSTwistで関連ドメインの監視を強化

🛠 初動で活用できる主要OSINTツール

ツール 用途
VirusTotal ファイルやURLのマルウェア判定・類似攻撃との照合
Shodan / Censys 攻撃対象システムの状態確認
crt.sh / DNSTwist フィッシング・なりすましドメイン監視
Telegram / Pastebin データ漏洩・犯行声明などの投稿監視
Social Searcher SNS上の言及・キーワードモニタリング

🧪 実践例:OSINTで初動をリードしたケース

  1. 社内で不正な通信を検知 → IPをAbuseIPDBで調査
  2. 複数の国際的なランサムウェア攻撃で使われたC2であると判明
  3. SNSで社名が出ていないことを確認 → 広報対応を保留
  4. その間に社員全員のパスワードをリセット → 被害最小限に抑制

⚠ 注意点:OSINTは「確証」ではなく「補完情報」

  • OSINTはあくまで公開されている“断片情報”
  • ログ調査や内部ヒアリングと併せて使うことが前提
  • 不確定な情報をもとに「断定」や「公表」しないことが原則

✅ まとめ:OSINTで“初動の視界”を確保する

  • サイバー事件の初動対応は情報の速さと正確さがカギ
  • OSINTを活用すれば、攻撃の全体像・拡散状況・なりすましリスクを早期に把握できる
  • 技術だけでなく、危機管理の一部としてOSINTを業務に組み込む視点が求められる

Best regards, (^^ゞ