Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第43回:ランサムウェアの兆候を捉えるには

Hello there, ('ω')ノ

〜暗号化される“その前に”、公開情報で察知せよ〜


💣 ランサムウェアとは?

ランサムウェア(Ransomware)とは、感染したコンピュータのデータを暗号化し、 「元に戻してほしければ身代金を払え」と要求する悪質なマルウェアです。

これまで多くの企業・病院・自治体が攻撃の被害に遭っており、重大インシデントにつながるリスクの代表格です。


🧠 OSINTでランサムウェア攻撃を“未然に察知”できるのか?

完全に防ぐことは難しいですが、兆候(インディケーター)を早期にキャッチすることで、 感染のリスクを下げたり、対応を迅速化することが可能です。


🔍 OSINTで捉えるべきランサムウェアの予兆


✅ 1. 脆弱性の公開情報と“利用予告”

  • 攻撃者は、公開直後の脆弱性(Zero-Day含む)を悪用することが多い
  • フォーラムやダークウェブで「〇〇VPNをターゲットに攻撃を準備している」などの投稿が出る

情報源:

  • CVEデータベース、ExploitDB
  • Twitter / Telegram / ダークウェブモニタリング
  • セキュリティ研究者のX(旧Twitter)アカウント

✅ 2. 攻撃グループのアナウンス

  • ランサムグループは「被害企業リスト」を自ら公開することがある
  • 攻撃前から「今、〇〇企業に侵入中」と示唆する投稿も

モニタリング対象:

  • RaaS(Ransomware-as-a-Service)のリークサイト
  • XSSフォーラム、RaidForums(閉鎖済)など
  • ransomwatchなどの監視用リスト

✅ 3. スキャン行為の急増(前段階)

  • 対象企業のVPN・RDP・SMBポートに対するスキャンが急増する
  • ShodanやCensysで、自社IPレンジへのアクセスログを確認

✅ 4. 急なドメイン登録・証明書発行

  • フィッシングやリモート管理型ランサム攻撃用のC2(コマンド&コントロール)サーバーが急に立ち上がる

使用ツール:

  • crt.sh:証明書発行の監視
  • DNSTwist:ドメイン偽装の監視
  • urlscan.io:挙動確認

✅ 5. 既知攻撃者のアクティビティ追跡

  • LockBit, BlackCat, Clopなどのグループは同じ手法・傾向を繰り返す
  • 過去事例から使用ツールや標的傾向を把握し、備えることが可能

🧰 OSINT × ランサム対策の連携フロー

  1. 脆弱性の速報監視(CVE Feed)
  2. Shodanで自社公開サービスの定期チェック
  3. Leakサイトで自社名が出ていないか監視
  4. 類似ドメイン・証明書の自動通知設定
  5. SNSやフォーラムでの攻撃予告ワードのモニタリング

⚠ 実践例:被害直前に兆候を検知できた企業のケース

  • ダークウェブで「VPN exploit中」と書かれた投稿を検知
  • 直後にCensysで自社VPNがスキャン対象になっているのを確認
  • インシデント対応チームがログを分析 → 実行ファイルの侵入前に遮断成功

✅ まとめ:「兆候を捉えられるか」が命運を分ける

  • ランサムウェア攻撃はある日突然起こるようで、実は準備段階が存在する
  • OSINTを活用することで、攻撃者の気配・痕跡・動向を“前兆”として捉えることができる
  • 「感染してからでは遅い」からこそ、予兆検知にこそリソースを割くべき

Best regards, (^^ゞ