Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第41回:OSINTはサイバー攻撃の予兆を見抜けるか?

Hello there, ('ω')ノ

〜“兆し”を見逃さない、情報のセンサーとしてのOSINT〜


🧠 OSINTは「兆候検知ツール」でもある

OSINT(オープンソースインテリジェンス)は、既に起きた出来事を調べる“事後調査”だけではなく、 「これから起こり得るリスク」を早期に察知するセンサーとしても活用できます。

その中には、サイバー攻撃の“前触れ”や“予兆”が含まれています。


🔍 攻撃の兆候として現れやすい情報とは?


✅ 1. 怪しいドメインやIPの登録

  • 大手企業名をかたる偽装ドメイン(typosquatting)が突然登録される 例:amaz0n-login[.]com, micros0ft-support[.]net

→ WHOISやDNSTwistで検出可能


✅ 2. 漏洩データの公開や販売

  • 闇サイトやフォーラム上で、企業のメールアドレス・パスワード・顧客情報などが流出し、取引されている

HaveIBeenPwned、Telegram・ダークウェブ監視で察知可能


✅ 3. SNSや掲示板での犯行予告・話題

  • ハクティビストやサイバー犯罪者が攻撃計画を示唆する投稿を行うことがある 例:X(旧Twitter)や4chan、Redditなど

→ キーワードモニタリング・SNSクローラーで早期発見可能


✅ 4. サーバーやサービスのスキャン行為

  • ShodanやCensysで、自社IPレンジが急に多数検索されている=攻撃準備の可能性
  • ポートスキャンやバナー調査が頻発するケースも

→ 通信ログと照合し、スキャン元をWHOISで逆引き


✅ 5. フィッシングサイトの準備

  • オンライン上に出現する偽ログインページや偽サポートサイト
  • SSL証明書の急な発行・短期間のドメイン開設が兆候となる

crt.sh(証明書検索)で新規ドメイン監視が可能


🛠 OSINTによる予兆監視の手法とツール


手法 ツール・方法
新規ドメイン監視 DomainTools、DNSTwist、URLscan.io
メール流出チェック HaveIBeenPwned、LeakCheck
SNS監視 TweetDeck、Social Searcher、OSINT Combine
証明書監視 crt.sh、Censys.io、CertStream
フォーラム/掲示板監視 Reddit、Pastebin、Telegram OSINT Bot

🧠 実践例:攻撃予兆のシナリオ


  1. 「example-bank-login.com」が登録された

    • WHOIS調査で中国のホスティング業者利用が判明
  2. crt.shで証明書が発行されていることを確認

  3. URLscan.ioでページを自動スキャン → フィッシングフォームを発見

  4. Twitterで同時期に銀行名を含む不審なURLが複数投稿されていた

→ 結論:標的型フィッシングキャンペーンの予兆と断定。対策と注意喚起を即実施。


⚠ 注意点:予兆≠確実な攻撃

  • 兆候があっても、実際に攻撃が行われるとは限りません
  • OSINTは「予兆を検知する」ツールであって、「断定する」ものではありません

重要なのは、兆候を見逃さず、早めにリスクを想定し対処できる体制を整えることです。


✅ まとめ:OSINTは“未来を読み取る目”にもなる

  • サイバー攻撃の前触れは、意外にも公開情報に現れることが多い
  • ドメイン・SNS・漏洩データ・証明書などを日常的に監視すれば、リスクの早期検出が可能に
  • OSINTの真価は、「何かあったら調べる」から「何か起こる前に察知する」へ

Best regards, (^^ゞ