Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第40回:調査をストーリーにまとめる技術

Hello there, ('ω')ノ

〜“断片的な情報”を“伝わる報告”に昇華する〜


🧠 OSINTのゴールは「報告」である

OSINT(オープンソースインテリジェンス)は、情報を集めるだけでは完結しません。 最終的には、「集めた情報をどう整理し、どう伝えるか」が重要です。

つまり、優れたOSINTリサーチャーとは、「情報をストーリーに変えられる人」でもあります。


🎯 なぜ“ストーリー形式”が重要なのか?


  • 情報の説得力が増す
  • 読み手の理解が深まる
  • 時系列や因果関係が明確になる
  • 「で、どうすればいいのか?」が伝わる

📌 調査対象や状況を“物語のように構成”することで、単なる羅列から意味のある知見へと変わります。


🛠 ストーリー構成の基本フォーマット


✅ 1. 状況(背景)

  • なぜこの調査を始めたのか?
  • 対象は誰・何か?どのような問題意識があるか?

例:「企業Xに対する標的型攻撃の発信源を特定するために調査を行った。」


✅ 2. 調査の経緯と手法

  • どんな手法を使ったか?(検索、ドメイン調査、SNS分析など)
  • 使ったツールやプロセスの流れを説明

例:「最初に取得したメールヘッダーからIPを抽出し、WHOISでドメイン登録者を確認した。」


✅ 3. 発見された事実(エビデンス)

  • 実際に判明した情報、証拠の提示
  • スクリーンショット、時系列、相関図などを活用

例:「送信元はロシアのホスティング会社で、過去に複数の攻撃に使用されたIP帯に属していた。」


✅ 4. 分析・解釈

  • それらの事実から何が言えるのか?
  • 相手の意図や背景、つながりを仮説として提示

例:「このパターンは過去のAPTグループYの手法と一致しており、関与の可能性がある。」


✅ 5. 結論・提案

  • 最終的にどう判断したか
  • 何をすべきか、今後の対策なども記載

例:「現在のメールフィルターでは防ぎきれないため、DKIM/SPFの再設定と社員向け教育を提案する。」


🧰 ストーリー構築を支援するツール

ツール 用途
Obsidian 調査メモ・リンクの整理と可視化(ノート間の関連性表示)
Notion 情報をセクションごとにまとめ、共有も容易
Miro / Whimsical 調査フローや相関図の作成に最適
PowerPoint / Canva ビジュアルな報告資料作成に便利

🧪 実践アドバイス:読み手は“専門外”を想定する

  • 用語の説明は適切に(略語は初回に解説)
  • 重要な結論は冒頭か最後に明確に
  • 「何が分かって、何が分からなかったか」も正直に

✅ まとめ:OSINTは「読み解いて、伝える」までが仕事

  • 調査の価値は、“伝える力”があって初めて最大化される
  • 情報をストーリーにすることで、相手に「行動させる力」を持つレポートに進化
  • 調査力 × 伝達力=OSINTの本質的な強さ

Best regards, (^^ゞ