Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第44回:トレンド解説──バグバウンティ業界のこれから

Hello there, ('ω')ノ

1. 生成 AI × バグハント:自動化が加速

変化 具体例 企業が備えること
コード解析の高速化 GPT 系モデルでパッチ差分を即レビュー ソース公開量を把握し、「開示ポリシー」を整備
PoC 自動生成 「この CSRF を Curl で再現して」と指示 → 即コード生成 社内でも同ツールを取り入れ“守り”の自動化を進める
フィッシング文章の高品質化 多言語・ネイティブ調の釣りメール 社員教育を“AI 偽装メール”前提にアップデート

AI を使うハンター vs. AI を使う防御側 のイタチごっこが常態化します。


2. プラットフォームの再編と“二極化”

トレンド 内容
メガプラットフォーム集中 HackerOne・Bugcrowd が保険・法務・AIツールを抱え“ワンストップ化”
ローカル/業界特化型の台頭 医療機器専門や EU 法準拠などニッチ市場を狙う新興サービスが増加
企業独自プログラム回帰 SOC2/ISO 対応のため、GitHub + 自社Triage Bot で“内製化”する企業も

社員向けアドバイス

  • メガ系:多言語対応・保険つきで採用ハードル低
  • 特化系:業界知識が学べる=キャリアメリット
  • 独自運用:連絡フロー・法務ガイドをテンプレ化し、リソースを節約

3. 報酬の“インフレとデフレ”

方向 原因 影響
クリティカルはインフレ DeFi・医療・AI SaaS など、1バグ=億単位損害 RCE/キー漏えいで \$100k 超え が珍しくない
ミディアム以下はデフレ 自動スキャナ+AI検知で“価値下がり” XSS/クリックジャッキングは 報酬 or バッジのみ の傾向

社内対策

  • 重要資産(顧客DB, 秘密鍵)は アタックサーフェス縮小+バジェット事前確保
  • 低〜中 Severity は 社内ツールで自動検知→修正 に切替えコスト削減

4. 法規制:グローバル VS ローカルの二重管理

エリア 主要動き 企業がやるべきこと
EU NIS2 指令でバグバウンティ奨励・届出義務化 報告プロセスを GDPR準拠 で標準化
米国 Safe Harbor 法制化が州単位で進行 法務レビューの高速化:テンプレ同意書を用意
APAC シンガポール・韓国が報奨金ガイドライン発表 ローカルパートナーと 翻訳・通関・課税 を整理

5. “デバイス系”が熱い:車載・IoT・医療

  • 自動車メーカーが 車載OS バグバウンティ を一般公開
  • スマートホームは Matter 規格への移行期 → 検証範囲が急拡大
  • 医療機器は SBOM公開義務化 → ファーム分析バグが増加

社員へのヒント

  • 既存 Web チーム+ハードウェア専門チームの連携を早期に確立
  • 物理デバイス貸出・検証ラボの設備投資を計画

6. これから 3 年の“勝ちパターン” まとめ

  1. AI 補助 × 手動ロジック思考

    • 自動ツールで候補 → ビジネスロジックを人間の洞察で深掘り
  2. 専門ドメイン + セキュリティ

    • 金融・医療・車載など、業界知識を掛け合わせて希少価値UP
  3. 報告品質 × マナー

    • プラットフォーム再編でハンターの母数が増加 ⇒ “伝え方”=差別化

7. 社員向けアクションプラン

四半期 取り組み
Q1 現行スコープの棚卸し+AI スキャン導入 PoC
Q2 バグバウンティ予算をクリティカル重視に再配分
Q3 EU/NIS2・国内改正個人情報保護法へのプロセス適合
Q4 デバイス系ラボ開設と評価指標の策定

まとめ:変化の波に“早乗り”しよう

  • 生成AI・法規制・専門特化の3軸で業界は大きく動く
  • クリティカルは 高額化、ミディアム以下は 自動化&デフレ
  • 会社視点では スコープ再設計・報奨金バランス・法務整備 が鍵

いち早く動けばコストも損害も抑えられ、 ハンターも企業も “Win-Win” な未来を作れます。

Best regards, (^^ゞ