Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第42回:報酬のもらい方と税金の注意点

Hello there, ('ω')ノ

1. 報酬の受け取り方法

ルート 概要 メリット 注意点
PayPal HackerOne/Bugcrowd 標準 着金が早く世界共通 送金手数料 2〜4%+為替レート
銀行振込 (USD/EUR) Intigriti など一部プラットフォーム 手数料が固定額=高額報酬向け 中継銀行・受取銀行で計 3,000〜5,000 円引かれる
暗号資産 (USDC, ETH) Immunefi 等の DeFi 系 手数料激安、即時着金 価格変動・ウォレット管理の自己責任
ギフトカード・ポイント 一部“報奨金なし”VDP 税務上の金額算定が容易 換金性が低い=実質ボランティア

ポイント:国際送金の手数料&為替差損を差し引いても 税込みの「円換算額」 で申告が必要です。


2. 受取時の実務フロー(例:PayPal → 円口座)

HackerOne から USD 送金
        ↓(2~3 日)
PayPal 残高 USD 受取
        ↓ 為替レート+手数料を確認
自分名義の円普通口座へ引出し
        ↓(当日~翌日)
銀行明細を PDF 保存(証拠)

ポイント

  • PayPal 内の「取引明細」+ 銀行の「入出金履歴」を必ず保存
  • ドル/暗号資産のまま保持した場合も 円換算の評価額 をメモ

3. 日本の税区分:副業バグバウンティは 「雑所得」 が基本

区分 該当する人 申告方法
雑所得 年に数回・趣味的に報酬を得る会社員 合計 20 万円超 ⇒ 確定申告(白色)
事業所得 継続的に活動し経費が多い人(年間数十万円〜) 開業届+青色申告で節税可
給与所得 会社からの給料 年末調整済み
一時所得 懸賞・競馬 etc. バグバウンティは通常該当しない

会社員の場合、「給与以外の所得が年間 20 万円以下なら確定申告不要」 の特例がありますが、住民税申告は必要です。来年の住民税が増えても慌てないように。


3.1 雑所得の計算式

課税対象 =(年間総報酬)-(雑所得に紐づく必要経費)
  • 為替手数料・送金手数料・バグハント用クラウド費用などは 必要経費として控除可能
  • 自宅 PC・書籍・セキュリティ研修費は「按分」ルールで一部経費化

4. 経費・レートの記録テンプレ

日付 区分 金額 (USD/ETH) 円換算レート 円金額 メモ
2025/02/14 報酬 \$1,200 148.5 178,200 HackerOne
2025/03/01 経費 -\$25 149.0 -3,725 PayPal 手数料
2025/04/10 経費 -0.02 ETH 420,000 -8,400 Metamask 手数料

Tip:Google スプレッドシート+関数 =GOOGLEFINANCE("USDJPY", "price", "2025/02/14")で為替レート自動取得も可。


5. よくある質問

質問 回答
会社に副業バレる? 住民税を「普通徴収」に切替えれば会社経由の天引きを回避可能
暗号資産で受け取ったまま保有すると? 受取時点で雑所得、売却時には譲渡所得(課税が二段階)
海外プラットフォームの 1099-MISC が届いた 日本居住者は日本の所得税が優先。米国源泉が引かれていれば外国税額控除を検討

6. 申告までの年間タイムライン(会社員イメージ)

  1. 1〜12 月:報酬受取ごとにスプレッドシート更新+レシート保存
  2. 1 月:プラットフォームの年間サマリーをダウンロード
  3. 2〜3 月:e-Tax で確定申告(雑所得欄)
  4. 6 月:住民税納付書が届き、普通徴収で納付

7. まとめ:“もらう”も“納める”も計画的に

  • 受取ルートは 手数料&証拠保全 を基準に選ぶ
  • 日本在住の会社員は 雑所得 20 万円超 → 確定申告必須
  • 為替・手数料・経費をその都度スプレッドシート記録 がトラブル回避の鍵

バグを見つけるスキルと同じくらい、 お金と税のリスク管理 もハンターの重要スキルです!


参考リンク(社内共有用)

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、税務の最終判断は各自で税理士・税務署へご相談ください。

Best regards, (^^ゞ