Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第32回:メタデータから情報を読み解く

Hello there, ('ω')ノ

🧠 メタデータとは?

メタデータ(metadata)とは、「データに付随する情報」のことです。 写真、文書、PDF、動画などのファイルには、作成者・日時・場所・機器情報などのメタデータが自動的に記録されています。

これらは通常、ファイルを開いても目には見えませんが、OSINT調査では重要な手がかりになります。


📷 メタデータの種類と例

ファイルタイプ メタデータ例
画像(JPEG, PNGなど) 撮影日時、撮影場所(GPS)、カメラのメーカー・モデル、編集ソフト
PDF / Word / Excel 作成者名、会社名、編集履歴、印刷回数、保存日時
動画 撮影機器、解像度、フレームレート、録画日、GPS(スマホ動画)

💡 例えばSNSに投稿された何気ない写真1枚から、「どこで」「いつ」「誰のスマホで」撮ったかが分かることも。


🛠 メタデータの読み取りツール


✅ 1. ExifTool(最強のメタデータ解析ツール)

  • 対応ファイル形式が非常に多く、CLIから一括解析可能
  • 公式サイト:https://exiftool.org/
exiftool sample.jpg

→ 画像に埋め込まれた全メタデータを表示。


✅ 2. オンラインExifビューア


✅ 3. PDFメタデータ解析ツール

  • pdfinfo(Linux環境で使用可)
  • Document Inspector(MS Officeの機能)

🧪 メタデータが“暴露”した実例


✔ 写真から位置情報が判明

  • SNSにアップされた画像にGPS情報が含まれており、 → 住所・撮影場所がGoogle Mapsで特定可能に。

✔ Wordファイルに本名が記録

  • 匿名の告発文書のプロパティに、作成者として「Y.Tanaka」の名前が記載 → 投稿者の個人特定につながるリスク。

✔ PDFの履歴から企業内部の編集状況が露出

  • 役所の発表資料PDFに、社内レビュー者の名前や修正履歴が残っていた → 内部構造や意思決定の流れが外部に漏洩。

⚠ メタデータ調査時の注意点

  • メタデータは「非公開だけどファイルに埋まっている情報」なので、対象ファイルを勝手に流用・拡散するのはNG
  • メール添付やアップロードされたファイルには、自分の情報が含まれていないか事前に確認を

🔐 削除・編集するには?

対応 方法
Windowsのプロパティで削除 ファイル右クリック → 詳細 → プロパティ削除
ExifToolで完全削除 exiftool -all= sample.jpg
Adobe AcrobatでPDFをクリーニング ファイル→プロパティ→セキュリティから処理

✅ まとめ:「ファイルが語る真実」に耳を傾けよう

  • メタデータは静かに語る“証拠”であり、情報調査の貴重なヒント
  • 特に画像・文書・PDFは、表に出ていない情報を含んでいることが多い
  • OSINTにおいて、表と裏の両方を見る目を養おう

Best regards, (^^ゞ