Hello there, ('ω')ノ
~“当たりの設定”を効率よく見つけるための選び方~
ハイパーパラメータを調整するには、ただ「試してみる」だけでは非効率です。 そこで使われるのが「探索アルゴリズム」と呼ばれる方法たち。 今回はその中でも特によく使われる:
- グリッドサーチ(Grid Search)
- ベイズ最適化(Bayesian Optimization)
の2つを比較しながら、 「どう違うのか?」「どちらを使えばいいのか?」をわかりやすく紹介します。
🔍 グリッドサーチとは?
✅ 一言でいうと:
「候補を全部試す、総当たり方式」
あらかじめ候補となるパラメータをリストにして、すべての組み合わせを実行して評価します。
例:
学習率(lr):0.01, 0.001 バッチサイズ:16, 32 → 組み合わせ: (0.01, 16) (0.01, 32) (0.001, 16) (0.001, 32)
➡ 全4パターンを全て試すというのがグリッドサーチです。
✅ メリット
- わかりやすく、再現性が高い
- 小規模な設定なら全網羅できる
❌ デメリット
- 組み合わせが増えると爆発的に処理が増える(計算コスト大)
- 同じような設定を何度も試してしまい、無駄が多い
🧠 ベイズ最適化とは?
✅ 一言でいうと:
「少ない試行回数で“よさそうな設定”を予測しながら探す方法」
過去の試行結果をもとに、「どのあたりがよさそうか?」をモデルが予測して、次に試すポイントを選ぶという、“かしこい探索”の方法です。
📌 イメージで説明:
- 最初は数回ランダムに試す
- そこから得た結果をもとに「いい結果が出そうな場所」を予測
- その予測に基づき「当たりそうなところ」を優先して試す
- 精度のよいパラメータにどんどん近づいていく
✅ メリット
- 少ない試行で効果的なパラメータを発見しやすい
- 無駄打ちが少ない
- 実行時間が長い処理(LLM再学習など)に向いている
❌ デメリット
- 仕組みがやや複雑(初心者にはやや見えにくい)
- 実装に専用ライブラリやフレームワークが必要(例:Optuna、Scikit-Optimizeなど)
⚖️ グリッド vs ベイズ:違いのまとめ
項目 | グリッドサーチ | ベイズ最適化 |
---|---|---|
探索方法 | 総当たり(全部試す) | 予測をもとに“賢く”探す |
試行数 | 多くなりがち | 少なくても済む |
計算コスト | 高くなりやすい | 効率的に低く抑えられる |
難易度 | シンプル | やや高度(ツール必要) |
向いているケース | 小規模モデル、学習が速いタスク | LLM再学習などコストが重いケース |
💡 実務での選び方のヒント
シチュエーション | どっちを選ぶ? |
---|---|
候補が少なく、ざっくり傾向を知りたい | 🔹 グリッドサーチでOK |
時間がかかる処理(LLMの再学習など) | 🔹 ベイズ最適化が効率的 |
最適解を厳密に求める必要がある | 🔹 両方を併用するのもあり(例:ベイズで探索→グリッドで微調整) |
✅ まとめ:使い分けが“精度と効率”を左右する
- ハイパーパラメータ調整はAIの性能向上に直結する大事な工程
- グリッドサーチは「わかりやすさ」、ベイズ最適化は「効率の良さ」が魅力
- 実行コストや目的に応じて、“今の状況に合った選択”がカギ
Best regards, (^^ゞ