Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第25回:グリッドサーチとベイズ最適化の違い

Hello there, ('ω')ノ

~“当たりの設定”を効率よく見つけるための選び方~

ハイパーパラメータを調整するには、ただ「試してみる」だけでは非効率です。 そこで使われるのが「探索アルゴリズム」と呼ばれる方法たち。 今回はその中でも特によく使われる:

  • グリッドサーチ(Grid Search)
  • ベイズ最適化(Bayesian Optimization)

の2つを比較しながら、 「どう違うのか?」「どちらを使えばいいのか?」をわかりやすく紹介します。


🔍 グリッドサーチとは?

✅ 一言でいうと:

「候補を全部試す、総当たり方式」

あらかじめ候補となるパラメータをリストにして、すべての組み合わせを実行して評価します。

例:

学習率(lr):0.01, 0.001  
バッチサイズ:16, 32  

→ 組み合わせ:  
(0.01, 16)  
(0.01, 32)  
(0.001, 16)  
(0.001, 32)

➡ 全4パターンを全て試すというのがグリッドサーチです。


✅ メリット

  • わかりやすく、再現性が高い
  • 小規模な設定なら全網羅できる

❌ デメリット

  • 組み合わせが増えると爆発的に処理が増える(計算コスト大)
  • 同じような設定を何度も試してしまい、無駄が多い

🧠 ベイズ最適化とは?

✅ 一言でいうと:

「少ない試行回数で“よさそうな設定”を予測しながら探す方法」

過去の試行結果をもとに、「どのあたりがよさそうか?」をモデルが予測して、次に試すポイントを選ぶという、“かしこい探索”の方法です。


📌 イメージで説明:

  1. 最初は数回ランダムに試す
  2. そこから得た結果をもとに「いい結果が出そうな場所」を予測
  3. その予測に基づき「当たりそうなところ」を優先して試す
  4. 精度のよいパラメータにどんどん近づいていく

✅ メリット

  • 少ない試行で効果的なパラメータを発見しやすい
  • 無駄打ちが少ない
  • 実行時間が長い処理(LLM再学習など)に向いている

❌ デメリット

  • 仕組みがやや複雑(初心者にはやや見えにくい)
  • 実装に専用ライブラリやフレームワークが必要(例:Optuna、Scikit-Optimizeなど)

⚖️ グリッド vs ベイズ:違いのまとめ

項目 グリッドサーチ ベイズ最適化
探索方法 総当たり(全部試す) 予測をもとに“賢く”探す
試行数 多くなりがち 少なくても済む
計算コスト 高くなりやすい 効率的に低く抑えられる
難易度 シンプル やや高度(ツール必要)
向いているケース 小規模モデル、学習が速いタスク LLM再学習などコストが重いケース

💡 実務での選び方のヒント

シチュエーション どっちを選ぶ?
候補が少なく、ざっくり傾向を知りたい 🔹 グリッドサーチでOK
時間がかかる処理(LLMの再学習など) 🔹 ベイズ最適化が効率的
最適解を厳密に求める必要がある 🔹 両方を併用するのもあり(例:ベイズで探索→グリッドで微調整)

✅ まとめ:使い分けが“精度と効率”を左右する

  • ハイパーパラメータ調整はAIの性能向上に直結する大事な工程
  • グリッドサーチは「わかりやすさ」、ベイズ最適化は「効率の良さ」が魅力
  • 実行コストや目的に応じて、“今の状況に合った選択”がカギ

Best regards, (^^ゞ