Hello there, ('ω')ノ
~AIが“間違いから学ぶ”メカニズムをのぞいてみよう~
LLMのようなAIモデルは、大量のテキストを「学習」することで賢くなります。 でも、そもそも学習ってどうやってやってるの? 人間のように「教えてもらって覚える」のではなく、AIは「間違いを測って少しずつ直していく」ことで知識を身につけているのです。
この仕組みの中心にあるのが:
- ロス関数(損失関数)
- 最適化(オプティマイゼーション)
という2つの概念です。
🎯 ロス関数とは何か?
一言でいえば:
「AIの予測と正解のズレを数値化するためのモノサシ」
AIは、予測を出したあと、「どれだけ外していたか?」を測定します。 このズレの大きさを“ロス(損失)”と呼びます。
📌 具体例でイメージしよう
例:「明日は◯◯になるでしょう」→ AIは「晴れ」を予測 でも、正解は「雨」だったとします。
このとき:
- AIが出した「晴れ」
- 正解の「雨」
この違いを数式にして評価するのがロス関数です。
ロス関数が大きければ「外している」し、 小さければ「正解に近い」ということ。
🛠 よく使われるロス関数(ざっくり)
ロス関数名 | 主な用途 | イメージ |
---|---|---|
クロスエントロピー | 分類(例:正しい単語を当てる) | 「どれだけ当てられたか?」を評価 |
MSE(平均二乗誤差) | 数値の予測 | 「どれだけズレたか?」を数値で出す |
マージンロス | 似たものの区別(検索など) | 「正しいものと間違ったものの差」を評価 |
LLMの場合、「次に来る単語をどれだけ正しく予測したか?」をクロスエントロピーで計算することが多いです。
🔄 最適化とは何か?
ロス関数が「どれだけズレたかを測る」ものだとしたら、 最適化はそのズレを「どうやって小さくしていくか?」の工夫です。
つまり、
間違いを元に、モデルの中身(重み)を少しずつ調整していく手続き
と考えてください。
📌 イメージで説明:坂を下るような調整作業
ロス関数を“山”にたとえると…
- 高いところ:ズレが大きい → モデルが間違っている
- 低いところ:ズレが小さい → モデルが正確に近い
最適化とは、この山の谷(ロス最小)を目指して少しずつ下っていくようなものです。
✅ 実際に使われる最適化手法(例)
名前 | 特徴 |
---|---|
SGD(確率的勾配降下法) | 基本的な調整手法 |
Adam | より安定して効率的に学習できる手法(LLMでも多用) |
Adagrad / RMSProp | 特定の特徴に着目した調整に強い |
LLMのように巨大なパラメータを持つモデルでは、これらの工夫が不可欠です。
🤖 LLMは「何を正解」として学んでいるの?
LLMの学習では、主に以下のような学習課題が設定されています:
🧩 例:次の単語を当てる「言語モデリング」
入力:私は昨日〇〇を食べました。 → モデルは「ラーメン」「寿司」など、ありそうな単語を予測 → 正解が「カレー」だったら、そこから“ズレ”をロス関数で計算 → 少しずつ修正
これを何億回も繰り返すことで、「人間らしい予測」ができるようになっていきます。
✅ まとめ:「ズレを測り、少しずつ直す」がAIの学び方
- ロス関数は「どれだけ間違えたか?」を数値で評価する仕組み
- 最適化は「どう直すか?」を判断して調整していくプロセス
- LLMは「次に来る単語」を正しく当てるために、この仕組みで“学習”している
- この「ズレを直すサイクル」を数億回繰り返すことで、文章生成の精度が磨かれていく
Best regards, (^^ゞ