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第38回:分布のかたち:正規分布・ポアソン分布など

Hello there, ('ω')ノ

データ分析で「平均○点、標準偏差△」といった話をするとき、 その前提となるのが「データの分布(ぶんぷ)」です。 つまり、データがどんな形でばらついているかを表すのが「分布のかたち」です。

実は、分布の種類によって、 使える統計手法や分析の前提条件が大きく変わってくることがあります。


✅ 分布とは?なぜ重要?

「分布」とは、データがどの値にどれだけ集まっているかを示すものです。 棒グラフやヒストグラムなどでよく可視化されます。

分布を見ることで:

  • 中心や偏りの有無
  • 外れ値の位置
  • 分析モデルの選び方

などが判断しやすくなります。


🟦 ① 正規分布(Normal Distribution)

🔍 特徴

  • 左右対称の山型(ベルカーブ)
  • 平均=中央値=最頻値
  • 標準偏差に従って一定の法則で分布

📌 例

  • テストの点数
  • 身長や体重
  • 製品の寸法誤差(品質管理)

✔ ポイント

  • 多くの統計手法が正規分布を前提として設計されている
  • データが正規分布に近いかどうかは非常に重要!

🟨 ② ポアソン分布(Poisson Distribution)

🔍 特徴

  • 単位時間あたりの“発生回数”を表す分布
  • 平均と分散がほぼ等しい
  • 離散データ(整数)に適用

📌 例

  • 1時間に来る問い合わせ件数
  • 1日あたりの交通事故件数
  • 工場での不良品発生数

✔ ポイント

  • “めったに起きないがゼロではない”事象に強い
  • クレーム件数予測やシステム障害の頻度分析にも使える

🟥 ③ 二項分布(Binomial Distribution)

🔍 特徴

  • 成功か失敗かという「2つの結果」に分かれる試行を繰り返すモデル
  • 試行回数(n)と成功確率(p)で決まる

📌 例

  • アンケートで「はい」と答える人数
  • 商品購入の成否(購入/非購入)
  • くじ引きで当たる回数

✔ ポイント

  • 成功率の推定、A/Bテストの検定に活用できる
  • 成功確率が低く、試行回数が多いとポアソン分布に近づく性質あり

🟩 ④ 一様分布(Uniform Distribution)

🔍 特徴

  • すべての値が等しい確率で出現する
  • 平均的・偏りなし

📌 例

  • サイコロの目(1~6)
  • ランダムに発行されるクーポン番号

✔ ポイント

  • 実務ではあまり自然に発生しないが、シミュレーションや乱数生成で活躍

🟪 ⑤ 対数正規分布(Log-normal Distribution)

🔍 特徴

  • 正規分布に“右に偏った(歪んだ)”形
  • 値が極端に大きくなる可能性がある

📌 例

  • 所得分布
  • 株価や取引量
  • サーバーアクセス数

✔ ポイント

  • 平均よりも中央値で判断するのが適切
  • 高額商品・大口顧客などを分析する際に重要

🎯 分布の形を見分けるポイント

観察項目 ヒント
ヒストグラムの形 左右対称?偏ってる?
平均と中央値の差 大きければ正規分布ではない可能性
外れ値の位置 特定方向に飛び出していないか
値の範囲 離散?連続?

▶ ExcelやPython(seaborn, matplotlib)などで簡単に可視化できます。


🧠 実務での使い分けヒント

シーン 適した分布 理由
テストの点数分析 正規分布 自然なばらつきのあるデータだから
クレーム件数の予測 ポアソン分布 めったに起きない回数を予測
会員登録率の分析 二項分布 成功/失敗の結果だから
所得分析 対数正規分布 高額者が平均を押し上げている

✅ まとめ:分布を知れば、分析はもっと正確に!

ポイント 内容
分布は「データの形」を示す その形に合わせた分析が必要
正規分布が最も基本的 でも現実のデータはそれ以外も多い
予測や判断の前提になる 検定やモデル選びに直結する
グラフで可視化するとわかりやすい ExcelやBIツール、Pythonで簡単にできる!

Best regards, (^^ゞ