Hello there, ('ω')ノ
~人手では間に合わない文書整理を“パターン化”して楽にする~
LLMの開発や運用において、避けて通れないのが「データクリーニング(清掃)」の作業です。 ですが、手作業でやろうとすると──
- 文書が多すぎて終わらない
- 担当者によって基準がバラバラ
- ミスや抜けが出る
という問題が頻発します。
🧹 データクリーニングとは?
ざっくり言えば、
「LLMに変な学習をさせないよう、不要・不正確な部分を取り除く作業」
です。 これはあくまで“きれいに整える”ことが目的で、意味のある情報を削るわけではありません。
🔁 なぜ自動化が必要なのか?
以下のような理由から、手作業でのデータクリーニングには限界があります:
- 文書が1万件を超えると目視チェックは困難
- 担当者ごとに判断がぶれると、モデルに一貫性が出ない
- 頻繁な更新や再学習のたびに繰り返す必要がある
➡ だからこそ、一貫したルールに基づいた“自動クリーニング”の仕組み化が求められるのです。
🧠 自動クリーニングに使える4つのパターン
① ルールベース・フィルタパターン
どう動く? 決められた文字列やパターン(例:「↑」「※」「😊」など)に一致する部分を自動で除去
技術例:
- 正規表現(Regex)
- 単純なif文やキーワードリスト
用途:
- 記号や不要語句の除去
- メールの定型文(例:「よろしくお願いいたします」)の整理
② 辞書ベース変換パターン
どう動く? よくある表記ゆれ(例:「メール」⇔「Eメール」⇔「mail」)を、辞書に基づいて統一
技術例:
- 変換マッピング辞書
- 置換テーブル
用途:
- 誤字・揺れの修正
- 部署名や製品名の呼び方の統一
③ 自然言語処理(NLP)パターン
どう動く? 文の構造や意味を理解して、「変な日本語」や「途中で切れた文」を検出・除去
技術例:
- 形態素解析(MeCab、janomeなど)
- 文の完結性判定(文末が「です」「ます」で終わっているかなど)
用途:
- 文法が崩れている箇所の検出
- 未完文や箇条書きの誤り修正
④ ベクトル比較・類似度パターン(重複検出)
どう動く? 意味的に似ている文を数値(ベクトル)で比較し、重複や類似文を検出・削除
技術例:
- OpenAI Embedding
- cosine類似度、クラスタリング
用途:
- FAQなどの重複削除
- 内容が似ているが言い回しが違う文の整理
🛠 自動クリーニング処理の“流れ”をパターン化する
🌟 例:基本的な自動クリーニングの処理フロー
1. 文書の読み込み ↓ 2. 正規表現で記号・ゴミ文字を除去(ルールベース) ↓ 3. 辞書で表記を統一(辞書ベース) ↓ 4. NLPで構文をチェック(自然言語処理) ↓ 5. 類似文を削除(ベクトル比較) ↓ 6. クリーンな状態で保存/学習へ
➡ この流れをスクリプトやツールで「1クリックで実行」できるようにしておくと、再学習や運用時も非常に楽になります。
💡 実務的な工夫ポイント
- ✅ 前処理ルールを社内で標準化する(例:「ですます」に統一 など)
- ✅ 処理結果をロギングして、異常がないか確認できるようにする
- ✅ 「やりすぎて意味のある情報を削らないよう」注意
- ✅ 人間の最終チェックを残すステップも考慮する
✅ まとめ:データクリーニングは“仕組み化”して育てる
- 手作業では限界があるため、自動化パターンを活用するのが効果的
- ルールベース/辞書ベース/NLP/ベクトル比較など、複数のアプローチを組み合わせる
- 定期的な実行と人によるチェックをセットにすることで、信頼できる学習データが維持できる
Best regards, (^^ゞ