Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第23回:OLAPとOLTP:集計か?トランザクションか?

Hello there, ('ω')ノ

データベースや分析の話になると、よく出てくる用語に「OLAP(オーラップ)」と「OLTP(オーエルティーピー)」があります。 一見似ていますが、この2つは目的も、得意な処理もまったく異なるシステム構造です。

簡単に言うと:

  • OLTP:日々の取引や業務処理向き(リアルタイム)
  • OLAP:データを集計して分析するためのしくみ

✅ OLTPとは?:日々の取引を正確に処理する仕組み

OLTP(Online Transaction Processing)は、日本語で「オンライン取引処理」。 日々の業務処理をリアルタイムで正確に行うためのシステムです。

🔸 具体的な例:

  • レジでの会計処理
  • 銀行の口座引き落とし
  • ショッピングサイトでの注文受付
  • 勤怠システムへの打刻

🧰 特徴まとめ:

項目 内容
主な目的 データを即時に書き込むこと(更新・登録)
特徴 少量のデータを頻繁に処理/正確性が最重要
DB設計 第3正規形などで、無駄なく効率的に格納
使用者 現場オペレーター、システム

✅ OLAPとは?:集計して深く分析する仕組み

OLAP(Online Analytical Processing)は、「オンライン分析処理」のこと。 多くのデータをまとめて集計し、傾向を見たり意思決定に活かすためのしくみです。

🔸 具体的な例:

  • 売上の月次集計レポート
  • 地域別の購買傾向の分析
  • 顧客セグメント別の売上比較
  • 年間トレンド分析や予測

🧰 特徴まとめ:

項目 内容
主な目的 データを読み込んで分析すること(集計・可視化)
特徴 大量のデータを一括処理/速度重視(リアルタイム性は低め)
DB設計 データウェアハウス(DWH)に適した設計(スター型など)
使用者 分析担当者、経営層、マーケティング部門など

📊 OLTPとOLAPの違いを図で比較!

項目 OLTP OLAP
目的 処理・記録 分析・可視化
データ量 少量(1件ずつ) 大量(まとめて処理)
操作内容 登録・更新・削除が中心 読み取り(SELECT)中心
処理速度 瞬時(秒単位) 分単位〜でもOK
DB構造 第3正規形で効率化 スター型・スノーフレーク型で分析用に整備
使用者 現場担当者 分析者・意思決定者
ECサイト注文処理、勤怠記録 売上ダッシュボード、月次レポート作成

📦 OLTPとOLAPは「役割分担」が基本!

1つのデータベースで両方を兼ねるのは難しく、通常は分けて設計します:

🧭 理想的な流れ(例)

[OLTPシステム(注文・会計・入力)]
          ↓(ETLまたはELTで定期転送)
[OLAP用のデータウェアハウス(DWH)]
          ↓
[BIツールで集計・分析・可視化]

→ これにより、現場の処理速度も、分析の自由度も両立できます!


🧠 実務での使い分け例

シーン 使用する処理 理由
顧客がECサイトで注文 OLTP 即時処理が必要だから
経営層が月次売上を確認 OLAP データをまとめて集計して見たいから
店舗の在庫をリアルタイム表示 OLTP 更新が頻繁で正確さが重要だから
地域ごとの購買傾向を分析 OLAP 複数の項目を一括で分析したいから

✅ まとめ:OLTPは「記録」、OLAPは「分析」

覚えておきたいこと 内容
OLTP 日々の業務処理を正確にこなす
OLAP まとめたデータを深く分析する
両方大事 処理の役割が違うだけで、どちらも必要
組み合わせがカギ ETL/ELTでつなぐことで、全体最適が実現!

Best regards, (^^ゞ