Shikata Ga Nai

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第22回:ETLとELTの違いを図解で理解しよう

Hello there, ('ω')ノ

データ分析やBIツールの活用に取り組むと、よく目にするのが「ETL」や「ELT」という言葉。 似たような言葉ですが、データをどの順番で処理するかという違いがあり、仕組みも使いどころも異なります。


✅ ETL・ELTとは?

まずは言葉の意味を分解してみましょう:

項目 意味
E(Extract) 抽出:データを取り出す
T(Transform) 変換:形式を整える・加工する
L(Load) 格納:保存先(データベースなど)に入れる

この3つの処理を どの順番で行うか によって、「ETL」と「ELT」が分かれます。


🔄 ETLの流れ(古くからの一般的な手法)

抽出(E)→ 変換(T)→ 格納(L)

🔹 処理の流れ(図でイメージ):

[元データ] →(抽出)→ [一時的な処理環境] →(変換)→ [整ったデータ] →(格納)→ [データベース]

🧰 特徴:

項目 内容
変換は外部で実施 サーバーやETLツール上で加工してから保存
処理時間 加工に時間がかかる場合も
主な用途 オンプレミス、昔ながらの業務システムで多く使われる

🔄 ELTの流れ(クラウド時代に多い手法)

抽出(E)→ 格納(L)→ 変換(T)

🔹 処理の流れ(図でイメージ):

[元データ] →(抽出)→ [そのままデータベースに格納] →(後でSQLなどで変換)→ [分析用に整形]

🧰 特徴:

項目 内容
データベースの中で変換 BigQueryやSnowflakeなどの高性能なDBが加工も担当
リアルタイム性 より速く、柔軟に分析できる
主な用途 クラウド型DWH(データウェアハウス)やBIツールと連携しやすい

📊 ETL vs ELT の違いまとめ表

比較項目 ETL ELT
変換処理の場所 サーバー側(外部) データベース内部(クラウド)
向いている環境 オンプレミス(社内設置) クラウド型DWH(BigQuery、Snowflakeなど)
柔軟性 データ加工を厳密に制御しやすい データ量が多くても処理しやすい
処理スピード 大量処理ではやや遅い クラウドの並列処理で高速

💡 図で理解する:ETLとELTの違い

🟦 ETL(加工してから保存)

[販売管理システム]
      ↓(E)
[ETLサーバー]
      ↓(T)
[整形済みデータ]
      ↓(L)
[データベース(DWH)]

🟩 ELT(保存してから加工)

[販売管理システム]
      ↓(E)
[データベース(DWH)]
      ↓(T)
[SQLやBIで変換・集計]

🧭 どちらを選ぶべき?判断ポイント

チェック項目 推奨方式
既存システムがオンプレ ETLが安定
データをすぐに見たい ELTが有利
クラウドDWH(BigQueryなど)を使っている ELT向き
高度な変換ロジックが必要 ETLが柔軟に対応可能
小規模で始めたい ELTの方がコストも管理もシンプル

✅ 実務での活用イメージ

部門 活用例 推奨方式
営業 顧客データを整形してレポート ELT(BIツール連携)
経理 複雑な計算ロジックを挟む ETL(バッチ処理)
IT管理 複数システムをつなぎたい ETL or ハイブリッド
マーケティング WebアクセスやSNSの生データ分析 ELT(大量データに強い)

✨ まとめ:データ処理の順番で、最適な仕組みが変わる!

覚えておきたいこと 内容
ETL 「加工してから保存」型。昔ながらの安定方式。
ELT 「保存してから加工」型。クラウド時代の柔軟な方式。
どちらが良い? システム環境・目的・処理量に応じて選ぶべし!

Best regards, (^^ゞ